どんな人でも感じる「不安」という感情・・・あなたはどのような時に不安を感じますか?
これまでに体験したことのないような状況に置かれたり、原因が分からないような出来事に遭遇すると、人の心には不安が生まれます。
また、急な環境の変化やストレスなどでも不安感を覚える人は少なくないようです。
このように不安な気持ちを抱えたままでは、毎日の生活を楽しく送ることはできませんし、不安感をため込んでしまうことによって心の病気になってしまうこともあります。
そうならないためには、不安を感じた時にその感情を少しでも和らげることが必要です。
ここでは、不安を和らげるために必要なことをお伝えしていきます。
意識的にリラックスできる環境を作る
心に不安を感じた時には、意識的にリラックスできる環境を作って不安を和らげる努力をしてみましょう。
ストレッチをして身体や頭を解放したり、ゆっくり読書をしたりするのも効果的です。
時間が作れない時には、友達に電話して不安を話したり、大きく深呼吸をするだけでも良いのです。
大切なのは、気持ちを切り替えること。
不安を和らげるには、気持ちを切り替えていけることが大切なのです。
生活習慣を見直す
次は、生活習慣も見直してみましょう。
実は、不摂生な生活習慣には、不安を招く要素がたくさんあるのです。
不摂生な食事をして不規則な睡眠時間で休息を取っていても、心は安らぎません。
まずは、身体を健康にしないと心も健康にならず、不安を和らげることはできないのです。
なかなか生活習慣を見直すことができない時には、心理操作により少しでも不安を和らげる方法もあります。
それは「セルフハンディキャッピング」という方法です。
これは、自らにハンディキャップを課しておくことで、たとえ失敗した時でも言い訳ができるようにしておく心理操作の一つです。
これを行うことで、なかなか生活習慣を正すことができない自分の不安を和らげることができます。
このことも参考にしつつ、生活習慣はできるだけ早く見直すように心がけていきましょう。
感情を解放する
生活習慣を見直してみたり、気持ちを切り替えるなどしても不安が解消しない時には、やはり自分の心と真摯に向き合っていく必要があります。
不安を抱えている人にとって、自分の心と向き合うということは、その行動自体が不安以外の何物でもありません。
自分の心と向き合うということは、不安の原因を直視することにもつながるからです。
ですが、その不安の原因を解消することができれば、不安を和らげることができます。
ですから、この機会にぜひ勇気をもって取り組んでいってください。
ここからは、そのために必要な心理学の技法をお教えしていきます。
20世紀の三大偉人としても有名な心理学者・フロイトは、心の不安やいらだちなどのストレスを解消するために「防衛機制」というものを提唱しました。
これは、ストレスなどが原因で社会に適応できなくなった自我を再適応させるための心理メカニズムです。
この防衛機制の一つに「退行」というものがあります。
退行は、自分には耐えられないような不安に陥った時に、今よりも幼い子ども時代の意識に戻る心理技法です。
不安になった時には、幼い子どものように感情を解放させてみると良いのです。
泣いたり暴れたりしても構いません。
そうすることで、安を和らげることができるはずです。
どうしても耐え難いような不安に陥った時には、ぜひ試してみてください。
不安なことを紙に書き出す
今、あなたはどんなことに不安を感じているのでしょうか?
その不安を一度紙に書き出してみてください。
紙に書き出すという行為は、自分の心理を客観視するためにとても有効な手段です。
また、不安を紙に書き出してしたったことによって「不安はもう自分の心の中から出してしまった」と思えるようになり、それだけでも不安を和らげることができます。
この方法は、その後の心理技法にも役立ちますのでぜひやってみましょう。
不安を理論的に考えてみる
先程紙に書き出して客観視した不安を、さらに解消する心理技法がフロイトの防衛機制の中にいくつかありますのでお伝えしておきます。
その一つが「合理化」というものです。
合理化とは、不安というあなたにとって満たされない心のストレスに対して理論的に考えることで、自分を納得させる心理的なテクニックの事です。
つまり、「今、自分が不安なのは自分のせいではない」という理論を考えて、自分の心を納得させれば良いのです。
そうすれば、不安を和らげることができるはずですから、一度試してみると良いでしょう。
周囲との比較で不安を解消する
他にもフロイトの防衛機制の中に不安を和らげる方法がいくつかあります。
「投影」という心理技法は、自分の中にある不安という感情を他の人が持っているものと考えて置き換える方法です。
自分が感じている不安は「本当は周囲の人が感じている不安なんだ」と思うことで、あなた自身の不安を和らげることができます。
また、投影とは逆の発想で「取り入れ」という心理技法も不安を和らげるのに役立ちます。
これは、他の人の中にある自信や安心などの感情を、自分のもののように感じたり、受け入れたりする心理的なテクニックです。
あまりに不安を感じてしまう時には、安心している他の人の感情と自分の感情を交換したつもりになってみましょう。
これらの心理技法は、どれも周囲と自分との比較で不安を和らげる方法になります。
不安だからといって、自分の心のうちにばかり目を向けないようにすることも、時には大切なのです。
逆転の発想
ここまでの心理技法を試しても、不安が解消しない時には「逆転」の発想を試してみてください。
逆転もフロイトの防衛機制の一つで、不安という感情を反対のものに変化させる心理的なテクニックです。
不安で不安でたまらない時には、逆転の発想で「これだけ不安になったんだから、もう安心しか来ない」と考えれば良いのです。
月並みな言葉かも知れませんが、よく「どんなにツラくても明けない夜はない」という言葉もあります。
不安はいつまでも続く感情ではないということを自分の心に教えていくことで、不安を和らげることができるでしょう。
こうした逆転の発想もぜひ試してみてくださいね。
まとめ
不安を和らげるための方法をいくつかお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今まさに不安を抱えている人にとっては、理解できない方法もあるかも知れませんね。
その時は「こんな方法や考え方もあるんだ」という程度で覚えておいていただければ幸いです。
一度不安を抱えてしまうと、なかなかその不安から解放されないこともあるでしょう。
ですが、不安を少しずつ和らげていけば、いつかその不安から解放される日が来ます。
時間はかかるでしょうが、少しずつ不安を和らげていってくださいね。