世の中には、『器用な人』、『不器用な人』がいます。
器用な人と言うのは、世間的に見ると物覚えも早く、一見出来る人に思われます。一方、不器用な人は、どうしても物覚えも悪くあまり役立たない印象を持たれます。
器用、不器用と言っても手先や行動的なものに限られる話ではなく、生き方や精神面にも言えることです。
社会的には、何においても器用な人の方が重宝がられたりします。
しかし、器用、不器用で人の善し悪しが本当に判断出来るのでしょうか?
果たして、器用な人だけが社会的に貢献でき、役立ち、不器用な人にはそれが出来ないのでしょうか?
それは間違った考え方です。
器用、不器用と言うのは、単なるその人の性質とも呼べるもので、そのことだけで人を判断することは決して出来ません。
器用な人には、器用な人の特徴があり、不器用な人には、不器用な人の特徴があるだけです。
不器用な人の方が優れていることはいくらでもあるのです。
そこでここではそんな不器用な人の優れた面にスポットを当てます。
何でも突き詰めて考えるタイプ
不器用な人と言うのは、物事を浅く考えたりしません。
深く考え過ぎる為に行動が遅くなり、判断も遅れる場合があるのです。
反して器用な人は深く突き詰めて物事を考えません。その為、行動も早く、判断も早いことで優れているように見えます。
しかし、結果としては、物事を深く突き詰めて考える事は、とても重要な事です。一つ一つを大事にしているからこそ不器用なのです。
確かに現代は時間に追われる時代です。
早い事は良い事だと思われがちですが、急いで判断した事は失敗する事も多いのです。失敗すれば、結果としてより時間が掛ってしまうので、賭けみたいなものです。
そう言う意味では、不器用な人は慎重で優れていると言えます。
全てのことに長く集中出来る
器用な人は、『器用貧乏』と言う言葉が示す通り、何をやるにしても入り口部分で戸惑う事が無く、物覚えが早いので、どんなことでも極める事が中々出来ません。すぐに出来てしまう事で安心してしまうのです。
しかし、不器用な人は、どんな事でも入り口で戸惑う為に、覚える為、必死になります。
結果として、ジックリと物事に向き合うので、極める事が出来る場合が多いのです。
不器用な人は、自身が不器用だと判っていますので、簡単には「出来た」と判断しません。また、時間を掛けて物事を覚える分、深く知る事が出来るのです。
何でも長続きする
器用な人の多くは、自分がどこでも何でも簡単に出来ると思い込みがちで、長続きしません。
次があると思ってしまうのです。
しかし、不器用な人は、自分がどんな事でも簡単に出来るとは思わないので、長続きします。
不器用な人は、長い時間をかけてジックリと物事を積み上げていくので、苦労して積み上げたものを気軽に手離そうとはしません。これは、他者の『信頼を得る』事にも繋がります。
不器用な人は、自身が積み上げたものに対して誠実だと言う事です。どんな物事にも一生懸命であると言えるのです。
口数が少ないことで争いが起きない
不器用な人は、得てして口数も少ないものです。
器用と言うのは、話す事にも器用と言える事です。反して不器用な人は話す事にも不器用で無駄な話はしません。
最初は誤解を生むかも知れませんが、「口は災いの元」と言われる様に、無駄な話をベラベラ話す人に比べると、口数が少ない事は他者との軋轢を生みません。
器用な人は話す事も上手ですが、深く考えずにしゃべるので、ついつい人を不快にしてしまう事も話してしまうのです。
不器用な人は、考えながら話す事で、人を不快にする様な話はしません。
頑固だが信念がある
生き方が不器用と言われる人は、他者には頑固者と思われます。
口下手な上、簡単には考え方を変えないので、誤解を受ける場合もあります。
しかし、それは信念の現れとも言え、簡単に信念を曲げる人間より物事を極める事が出来ます。
大きな事を成し遂げる可能性も、信念を曲げずにいる方が高いと言えます。
器用な人はどんな生き方もでき、人に調子を合せる事も容易なので、あまり強い信念を持ちません。
一つの事に信念を持たない人は、何かを成し遂げる可能性は低いのです。
まとめ
いかがでしたか?
不器用な人は、他者からの評価を受けにくいものです。
仕事では最初は重宝がられませんが、後々には高い信頼を受けます。
器用な人は、自分の可能性を過信するので、最初は良くても後にはお調子者だと思われます。
不器用だからと悲観する必要は全くありません。
ここでご紹介した様に、優れた部分は沢山あるのです。
見た目の派手さばかりに囚われていては本質が見えません。不器用な事は不器用な事で大きなメリットがあるのです。
もちろん、器用な人が駄目だと言う訳ではありません。これは飽くまで単なるそれぞれの特徴なだけなのです。
不器用なら不器用なりに自覚しながら、自身の良い面にもスポットを当て、そこを伸ばしていくようにしましょう。
人の評価は常に変動するものです。
結局は器用か不器用かではなく、最終的に何を成し遂げるか、どれだけ誠実であるかで最後は評価されるものなのです。