私たちは、『自分の気持ちは自分でコントロールできる』と思っています。人から批判された時など、「俺のことは俺が一番良く知っているんだ!」と声を荒げる場面が見られますが、果たしてそうでしょうか。
自分で自覚できる意識のことを顕在意識と言い、自分でも気が付かないのに自分を動かしている意識のことを潜在意識と言います。
この自覚できていない潜在意識に働きかけて、自分自身を鼓舞し、変革していく言葉をアファメーション(宣言・断定の意)と言います。
心理学では、自分自身に言い聞かせる自己改造のための自己宣言をアファメーションと言います。このアファメーションを活用して、自分の願望を達成する5つの方法をご紹介しましょう。
痛いの痛いの飛んで行け!?
わかりやすい例えを使えば「痛いの痛いの飛んで行け!」です。
私たちが子どもの頃、転んだり、怪我をしたりして痛くて泣いている時に、親がそばに来て呪文を唱えてくれると、あら不思議、本当に痛みがなくなりましたね。これと同じ効果をもたらす魔法の言葉がアファメーションです。痛みが消えて欲しいという願望が、「痛いの痛いの飛んで行け」の言葉で実現されたのです。
日本には昔から、言霊(ことだま)信仰というのがあります。言葉には物事を実現する霊力があると信じられていたのですが、信仰ではなく近年の心理学でも、その事実が証明されているのです。心理学でよく言われる「自己暗示法」(エミール・クーエ仏)もアファメーションの一つです。
「私は太りたくない」より「私は痩せている」
潜在意識に呼びかけるアファメーションの例を挙げて説明します。
「私は太りたくない」という呪文は、現在太っていることを潜在意識に印象付けてしまい、マイナス効果をもたらすことがあります。だから「~しない、~したくない」という否定形を使うのは避け、肯定的な言葉を使います。「私は痩せている」「私は毎日100gやせる」と断定的な言葉を使います。
怒りっぽい自分を変えたいのなら、「私はすぐには怒らない」より、「私は冷静である」の方が良いのです。冒頭にも書いたように、自分に対する宣言です。
願望を叶えるものですが、「あったらいいなぁ」という願いではなく、「そうなる」「そうである」と断定的に言い切ることが大切です。大成したスポーツ選手に、小学校の時からプロの選手になると断定的な作文を書いた人が多いことが指摘されています。
それでは、次からより具体的にアファメーションの作り方をお伝えします。
主語は「私」であること。
アファメーションの主語は「私」です。基本となるのは「私は私です」(I am that I am)という文章です。
繰り返しになりますが「自己宣言」とも言えます。他人に聞かせるものではありませんから、自分のあるべき姿をイメージして堂々と断定する文章を作りましょう。
自己宣言ですから「私は~である」の形をとります。「私は成功する」など。
「~になりたい」は使わない
願望の形ではなく、断定的な言葉を使います。願望は、現在がそれを否定する状態にあることを潜在意識に印象付け、マイナスの効果をもたらすこともあります。「~になる」と断定します。
具体的な言葉を使う
「立派な人になる」など抽象的で意図が不明確な目標や解釈が分かれる言葉は使わないようにしましょう。「英語をしゃべれる」「アメリカで働く」などできるだけ具体的な文章にしましょう。
肯定的な言葉を使う
「~しない」という否定的な言葉は、現状がその否定すべき状態にあることを潜在意識に強く印象付け、否定的状況を継続することを強化する方向に働きます。肯定的な言葉を使いましょう。
何度も口ずさむ
文章を作り、壁に貼るのではなく、何度も繰り返し口ずさむことが大切です。そのために短い文章にします。
まとめ
いかがでしたか?
具体的な文章は、人それぞれ願望が違い千差万別です。上でご紹介した5つの基本に従って、自分があるべき姿をイメージしながら「私は私宣言」を作ってみましょう。
ちなみに私のアファメーションは、「私は友人が多い」「私にはストレスがない」「私はポジティブである」それはそのまま自他ともに認める現在の私像です。