そもそも自己暗示のはじまりは、フランスのエミール・クーエという薬剤師が、患者の思い込みから症状がよくなったことをきっかけに発見されたものです。ポジティブシンキングの元祖とされ、哲学者や芸術家、自己啓発など、歴史上の様々な偉人たちに影響を与えました。
書店ではこの自己暗示によって自分の弱点を克服し、ビジネスマンとして成功するための啓発本がたくさん売られています。ここでは基本的な流れに沿って、今すぐできる上手な自己暗示方法を伝授していきます。
まずは自分の弱点を知る
あなたが自己暗示を使ってバージョンアップしたいと思っているなら、自分の中に何かしらの不安を抱えていて、それを認識できているということでしょう。まずはその悩ませている原因を、的確に知ることが大切です。
どんなときにマイナスイメージが湧いてきますか? プレゼンの前? 好きな人を見かけたとき? 商談の前? あなたをネガティブ思考に陥れる要因を整理してみてください。
日頃の言葉選びを変えてみる
あなたの日常に刷り込まれた悪い癖を直すため、簡単な方法からはじめてみましょう。
自分にそのつもりはなくても、ついネガティブな言葉選びをしてしまっていることは日常に多々あります。簡単な言い換えとしては、すいませんをありがとうに変えてみることです。日本人はことあるごとに謝りすぎる傾向がありますが、大抵のすいませんは、ありがとうに言い換えることが可能です。
弱点でさえ、「人見知り」なら「慎重で堅実」とすり替えてしまいましょう。ものごとを前向きにとらえる癖をつけることが目的です。
リラックスできる状態をつくる
自己暗示はある意味催眠ですから、緊張状態で行っても意味がありません。あなたはどんなときに安らぎを感じますか? もちろん騒がしい状態は不向きですから、静かでその後何も予定がない、夜の時間帯が理想的です。心地よいと感じる音楽を適度な音量で流したり、キャンドルやお香で好きな香りに包まれることもリラックスして自己暗示に集中できる効果があります。
「~したい」ではなくて「~する」
思っているだけでは何も変わらないといいますが、自己暗示の世界でもその通り。
「今日の商談を成功させたい」と願うだけでは、密かに抱いている不安要素が首をもたげてきて、あなたのやる気を邪魔してきます。その不安が事実となって反映されることで、本来まとまっていたかもしれない商談に悪影響を及ぼしてしまうのです。
そんな事態を避けるため、言い切る自己暗示方法を実践してみましょう。「商談は成功する」と、力強く意識することで、余計な雑念の入る隙を与えません。
ポジティブ思考を口に出して意識に刷り込む
基本的な意識の方法がわかったら、それを口に出してみましょう。そして日課にすることが大切です。
朝仕事に向かう前と、夜眠りにつく前の時間帯に、自分のなりたい状態を言い切り型で口に出します。自己暗示とは潜在意識に語りかけるような方法ですから、鏡の前で行うのが理想的です。
紙に書いて、ふとしたときにも思い出せるようにしておく
朝と夜が日課になったら、仕事中も意識できるところに自己暗示のカケラをちりばめておきましょう。
もしあなたが初対面の相手に緊張しがちなら、スケジュール帳の片隅に「誰とでもまずは握手をする」と書き留めておくことで、いざそのときにも動揺することなく自信を持って接することができます。
自己暗示は気楽な気持ちで
スキルアップのための自己暗示方法は、それ自体がストレスになってしまっては本末転倒です。リラックスすることが第一ですから、ストイックにならずに気楽にやってみてください。
もし自己暗示をいている中でうまくいかないことがあっても、起こってしまったことに囚われていては時間の無駄です。徐々に、少しずつ良くなっていけばいいな、くらいの気持ちでいてください。
まとめ
いかがでしたか?
自分を高める自己暗示の方法とは、イメージトレーニングのようなものだと思ってください。自分の弱点を知り、前向きな思考癖をつけ、理想の自分を刷り込むことで、現実の自分に反映させる方法です。
「1日ごとに、あらゆる面で、私はどんどん良くなっている」。これがエミール・クーエが提唱した自己暗示の基本的フレーズです。
元は病人の症状改善のための言葉ですが、現代のどんな状況の誰にでも応用が可能ですので、何からはじめればいいのかわからない人は、この自己暗示フレーズからはじめてみてはいかがでしょうか。