心理学者ロイ・バウマイスターは、2003年に論文内で
『自信の有無は能力の高さや成功とはまったく関連がない』
と断定しています。
つまり、自信家であっても、仕事の能力が高いわけでもなければ、人に好かれるわけでもなく、リーダーの素質が高いわけでもないということです。
それなのに、自信家の人は、『自分は優れており、成功している』と感じているわけですから、当然、本人の幸福度は高いでしょう。
しかし、このように自信家は、周りからの評価と自己評価に大きな差があるので、さまざまな問題が生まれやすい傾向にあります。
今回は、自信家の人々の問題点をお伝えします。
あなたの周りにいる、自信過剰な人との付き合いの参考にしてください。
とにかく自慢話が多い
自信家は、とにかく自慢話をしてくることが多いもの。自分の能力やモテ話をひけらかしたくてたまらないのです。
こういう自慢話は、聞いている側としては、うんざりしてしまいます。
優しいあなたは、『うんうん』『すごいね』と熱心に相槌をうちながら聞いてあげるかもしれませんが、これでは相手が調子にのり、ますます自慢話を続けたくなってしまいます。
時間の無駄にもなりますし、心理的ストレスにもなりますので、ここは適当に聞き流し、早めに退散することが一番です。
人を見下しており、常に上から物を言われる
自信家は、例えば、あなたと社会的地位や年齢が一緒だったとしても、なぜか常に上から目線であなたに接してきます。
同じ立場のはずなのに、まるで奴隷を扱うようにあなたに接し、わがままに振る舞うこともあるでしょう。
あなたの都合は聞かず、自分の都合を優先したり、命令口調で話したり。腹立たしく思うことも多いのではないでしょうか?
高圧的な態度に出る人に対して、遠慮してばかりいることは、おすすめできません。それが、あなたの自尊心を傷つけてしまうことにつながるからです。
ときには、『それはあなたの考えでしょう? 私は違うわ』と主張していくことも必要です。
常に自分が正しいので、人の言うことに聞く耳をもたない
自信家は、『自分は特別な存在である』という傲慢な心理状態であることが多いです。
彼らは、常に自分の意見が正しいと感じているので、他の人の意見や成功を素直に認めることが困難です。
あなたの考えやセンスを認めてもらえないことは、愉快なことではないでしょう。
ですから、そもそも自信家に『私のことを認めてもらおう』と期待しないことが賢明です。
人の言う事を受け入れられないのは、そのぶん、成長のチャンスや視野を広げるチャンスを逃しているわけですから、可哀想な人だと哀れみの心で見てあげましょう。
やたら怒りっぽい
自信家の人は、やたらと怒りっぽいという特徴を持っています。
彼らの意見や考えに対して、否定や反論をされると、『自分が一番正しい』と偏った自己愛を持っている自信家たちは、頭に血がのぼり、烈火のごとく怒りだします。
こういうときは、まず自信家の人の意見を『そうだね』、『その考えも一理ありますね』などと、一度認めてあげることが重要です。
これで、彼らは、ある程度気が済みます。
自信家の心を満足させた上で、あなた自身の考え方を伝えてみましょう。
これで、少しは円滑にコミュニケーションをはかれるようになるはずです。
ナルシストで自意識過剰
ショーウィンドウや、鏡の前を通るたびに、立ち止まって自分の姿をうっとりと見つめている人や、誰も見ていないのに、『あの人がずっと私を見ている』と言っている人は、間違いなく自信家です。
その光景を、周りで見たり聞いたりしている人のほうが、その恥ずかしい勘違い言動に赤面してしまいそうです。
鏡にうつる自分の姿にうっとりしている程度で済めばいいのですが、自信家の人が、『あの人は私に好意をもっている』などと勝手な思い込みを吹聴することで、周囲の人に誤解を与えてしまうケースもあります。
あまりに度がすぎる『自意識過剰タイプの自信家』からは、勘違いされないように、一歩距離をおいてお付き合いするようにしましょう。
人からの注意を嫉妬と捉える
自信家は、自分に過分な自信を持っているため、勘違い発言や周囲を不愉快にさせる発言をすることが非常に多いのが特徴です。
そんな状況を戒めるために、自信家の人に対して、『それは社交辞令だと思うよ』『もう少し立場をわきまえたほうがいいわよ』など、良かれと思ってアドバイスをしても、自信家本人は、それを嫉妬と捉えて相手にしない可能性が高いのです。
相手にしないどころか、『あの人から嫉妬をされている』という勘違いが、ますます彼らの自信を過剰にしていくこともあります。
自信家の人の勘違い発言や、上から目線の言動は、不愉快なものかもしれませんが、下手に注意などせずに、遠巻きに見ているのが得策です。
頼られていると感じると、おせっかいになる
自信家の人に、お世辞や社交辞令は通用しないと思ったほうが良いでしょう。
例えば、『あなたの服、すてきね。どこで買ったの? 』などと言おうものなら、自信家の人は、『憧れられている』、『頼られている』と感じ、あなたの洋服選びに同行し、アドバイスすることを提案してくるかもしれません。
これを厄介だと感じるのであれば、自信家の人に、思ってもいない褒め言葉を投げることはやめておきましょう。
しかし、職場などで、自信家の上司や先輩と、少しでも良い関係を築きたいと思っている場合は、『教えて頂いても宜しいですか? 』、『どうしたら○○さんのようになれますか? 』などと持ち上げて、世話を焼いてもらうというのも、一つの手段ではあります。
まとめ
今回は、自信家と言われる人々の注意すべき特徴や扱い方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
自分に自信を持つことは、決して悪いことではありません。
根拠のある自信であれば、問題はないと思いますし、自分を認めてあげるという感情は、尊いものであるとは思いますが、度が過ぎると、『自分は特別な存在であり、すべて自分が正しい』という偏った考えを持つようになり、良い人間関係を構築したり、継続させたりすることが困難になってしまいます。
この機会に、あなたの周りにいる自信家の人々との関わり方を見直すと同時に、あなた自身にも偏った自己愛がないかどうか振り返ってみることをおすすめします。