ビジネス社会を見ていると、人並み外れた高い能力を持っている人だけが成功しているわけではなさそうです。
たとえば、他人との信頼関係を築くのがうまい人。
あなたも、そう思いませんか?
本人の個人的能力はそれほど高くないのだけれども、周囲に能力のある人が集まってきて、要所要所で手助けをしてもらえる。そういう人も成功します。
今回は、「どうすれば、信頼関係が築けるのか?」という問題について、不安をキーワードにしてお伝えします。
礼儀・マナー・言葉使いといった常識を大切にする
不安には、特定対象のある不安、特定対象のない不安の2種類があります。
前者のことを『心理的不安』、後者を『存在論的不安』と呼びます。
何か自分に対して危険なことをする人かもしれないという不安、心理的不安を持たれた場合、信頼関係を築くことは難しくなります。
心理的不安を相手に持たれないためには、相手に対して悪意を持っていると誤解されることを避けなければなりません。
社会の常識的な礼儀・マナー・言葉使いに通じていないと、あなたは知らず知らずのうちに相手に『悪意を持っている』というメッセージを送ることになります。
相手の側の常識を知ろうとする姿勢を見せる
現代の日本は『多元社会』です。
あなたの周囲の社会における常識的な礼儀・マナー・言葉使いが、よそに行ったときに通じないことがあるのは仕方がないことです。
海外に行くのならば当然ですが、国内でも通じないことがあります。
事前の学習で間に合わせることができれば良いのですが、間に合わせることができないと判断した場合には、自分が相手から常識をわきまえていない人間だと見られることを覚悟しましょう。
お互いの常識が食い違っても、自分の置かれた現状を把握して、相手の側の常識を知ろうとする姿勢を見せることが、相手の心理的不安を解消し、信頼関係の構築につながります。
他人から好感を持たれる笑顔を武器にする
人は笑顔の相手を見ると、血行がよくなって体温が上昇することが科学的に証明されています。
逆に、しかめっ面の人を見た場合は、胃液の分泌が少なくなり、攻撃的な感情になりやすい傾向があります。
笑顔のポイントは、上の前歯を8本以上見えるようにすること。
歯が見えないと「心の内を隠している」と思われてしまうので、笑顔のときは、上の前歯を8本以上見えるように意識しましょう。
とりもなおさず、相手に敵意をもっていないことを示し、信頼関係を構築するためには、笑顔が武器になります。
自慢話・武勇伝はタイミングを選ぶ
能力のある人が頼もしいことは間違いありませんけれども、何かの拍子にその人が敵にまわったら厄介になるという考えは、誰もが想像するものです。
この人は敵に回らないだろうと信用してもらえる程度の友好関係ができあがらない間は、自分の能力の高さを誇る自慢話・武勇伝をすることは控えましょう。
危険視されて相手の心理的不安を呼び込み、信頼関係を容易に築けなくなります。
嘘をついたかたちになることを避ける
この人は裏切らないと思わせるような信頼関係を構築するためには、嘘が最大の敵になります。
それは、『当たり前』と思われるでしょう。
しかし、人間は嘘をつくつもりがなくても、前もって思考が整理されていないと、行動の一貫性がなくなり、本人が嘘をつくつもりがなくても、結果的に嘘をついた形になってしまうことが多くあります。
自分の行動における優先順位を、他人にある程度明確に説明できるように、思考を整理しておくことが、そのような事態を避けるためには有効です。
わかりやすいステレオタイプを演じる
わからないものに対する存在論的不安を回避して、信頼関係を構築するには、わかりやすいステレオタイプを演じる事が、おすすめです。
相手は、あなたをわからないこと自体が不安の原因です。
それならば、いっそ、相手にわかりやすいステレオタイプを演じるということも1つの手段となるのです。
本来の自分は、ある程度の信頼関係が構築できてから、少しずつ見せていくというのも良いでしょう。
相手と自分とのの共通点を見つけて強調する
お互いの常識が違い過ぎて、相手にとってのステレオタイプを演じきれない場合もあるでしょう。
そんなときには、相手と自分との共通点を見つけて、それらを強調することで、相手の存在論的な不安を解消し、信頼関係を構築しましよう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
人と人との信頼関係というのは、”人間関係を構築する時期においては”、きわめてデリケートなもので、ちょっとしたことで壊れてします。
今回は、ちょっとネガティブですが、そんなことを考えて、つきあいを持ち始めた相手に不安を持たせないという観点から、信頼関係を構築する方法をお伝えしました。
防御をしっかり固めて、ここぞという攻勢のチャンスを逃さないようにしてください。