お誘いを受けるのは嬉しいものです。
しかし、それも…
本音はズバリ、相手による! ですよね?
ちょっと苦手な人に誘われた、面子が微妙、強引なアプローチを断りきれず……こんなさまざまな理由で「ありがたいけど、遠慮したい」お誘いというのは存在するものです。
とはいえ、最初からばっさり切り捨てるのはエレガントな女性のすることではありません。
また、下手なお誘いの断り方をしてしまうと、巡りめぐって本命のお誘いすら遠ざけてしまう可能性もでてきます。
そこで今回は、わだかまりを残さないお誘いの断り方をお伝えします。
「ありがとう、でも」を使いこなす
お誘いの断り方にも一定のマナーがあります。
「脈がないならはっきり断ってほしい」とよく言われますが、真に受けて、バッサリとお誘いをお断りしたら、逆恨みされたなんていうケースもあります。
そこで、こちらの罪悪感を軽減しつつ、相手にもやんわり拒否を示す方法の初歩中の初歩となるお誘いの断り方が「いったん受けて、後ほど早めにキャンセル」です。
例えば「ありがとうございます、予定を確認してみますね」と伝え、少し置いてから「申し訳ありません、その日は都合が悪くて(もしくは先に予定が入っていて、などでも良いですね)」とお断りする。これなら、相手に拒否の印象を強く与えることなく回避できます。
最初に受け入れる事で「あなたの気持ちは嬉しい」という意思表示(たとえ、それが社交辞令でも)を示せるからです。
ただでさえ断られるという事実は、心にダメージをくらうもの。
それなのに、もし「気乗りしないので」なんて頭ごなしに拒否されれば、誰だって気まずさを感じると共にカチンときますよね?
同じお断りでも「あなたの心遣いは嬉しいですよ」という言動を見せれば、多少なりとも相手の心に与えるショックを緩和してくれます。
断ると決めたら早めに伝える
気の乗らないお誘いの断り方でやってはいけないのが「時間をかける事」です。
特に、いったん受けて後で断る、という場合は、時間があけばあくほど相手は約束を確実なものとして認識します。そのため、ドタキャンは、一気に心象を悪くします。
「検討してみますね」と伝えた場合は、早めにきっぱりとお断りしましょう。
言いにくいかもしれませんが、早めに申し出れば、状況次第で相手は別の人を誘えたり、気持ちに整理をつけたりできるのです。結果的に、相手に優しいお誘いの断り方ができる事になります。
言い方にさえ気をつければ、相手にもそれほど気まずい思いをさせずにすみます。
あいまいにしておく方が、かえって相手に無慈悲な仕打ちをしているケースもある事を肝に銘じておきましょう。
「先約があって……」は、なかなか使える常套句
お誘いの断り方に必要不可欠なのは「理由」です。
いろいろな言い訳を考えるハメになりますが、体調や家の都合などを毎回の理由にすると、後日アレコレ詮索されたり、心配されたりで、後ろめたくなったり、約束を断った日に偶然出会ってしまい気まずくなったり、とリスクがつきまといます。
当日の急なお誘いなら「急な事なので都合がつかない」で、切り抜けられる確率も高くなりますが、予定まで間があるようなら、下手に詳細な嘘をつくよりも「先約がある」とだけ伝えたほうがはるかに無難です。
「残念ですが、その日は先約があって……」と言えばたいてい引き下がってくれますし、万が一、根掘り葉掘り聞き出そうとするなら「そこはちょっと」で言葉を濁してしまえば良いのです。
そこまでいけば、今度はプライベートにズケズケ入ってくる方が非常識でしょう。
具体的な嘘はかえって嘘くさくなる
上手なお誘いの断り方のコツは「嘘をうまく使う事」です。
やってしまいがちなのが、断る理由を細かに相手に説明してしまう事。
人間、罪悪感ややましさにかられると、断わる理由や自分の言動に正当性を持たせようとして、具体的な嘘をつきがちになります。
しかし、妙に具体的な嘘をつかれればつかれるほど、相手は逆に信憑性を疑うものなのです。
「ごめんなさい、その日は用事があって」と言われれば「そうですか」と引き下がれますが、「ごめんなさい、行きたいのですが、その日は家族と用事があって、実は外出することになっているんですよ。○○に行くんです。あそこは××の評判が良くて、前々からみんなで行こうなんて話が出ていてそれが……」なんて延々言われたら、あなたも自分の誘いを断った相手に対して、イラッとするのではないでしょうか?
嘘は、使い方を誤ると「いっそ、行く気がないと断られた方がまだマシだ」と思うほどに心象を悪くしてしまいます。
墓穴を掘らぬよう、余計な事は言わないようにしましょう。
……ちなみに1つ
嘘をうまく使いこなそうと思うなら「嘘の中にほんの少しだけ真実を混ぜこむ」と良いです。ただ、さじ加減に気をつけてくださいね。
言葉の冷たさや鋭さは、言葉の温かさややわらかさでカバーする
気の乗らないお誘いの断り方は、いかに「相手に与える不快な感情を抑えつつ、自分の要求をきっちり通すか」にかかっています。
そこで重要となってくるのが、言葉の力です。
「申し訳ないのですが」
「せっかくお誘いいただいたのですが」
「お気持ちは嬉しいのですが、あいにく」
……日本語とは、なんて素敵なのでしょう。
ざっと考えただけでも、これだけの「緩衝材となりうる前置き」があふれています。
人間は、基本的に、否定的な行為を与えるに相手に対して、同じように否定的な気持ちを抱くものです。また、本音を打ち明けるのも良し悪しがあり、真実を言ってしまったがために、角が立ってしまう場合もけして少なくありません。
そんな時、こういった前置きを入れるだけでも表現がやわらぎます。
相手の気持ちをクールダウンさせ、関係を円満に保ちつつ「気が乗らない」自分の気持ちをはっきりと表す事ができます。
言葉は、使い方次第で凶器にも武器にもなるのです。
お断りは「簡潔明瞭」が鉄則
お誘いの断り方だけに限らず、用件を伝える際は「簡潔明瞭」が基本です。
曖昧な言葉では相手に意図が伝わりませんし、長い言い訳はかえって相手を不愉快にさせてしまいます。
これは、メールや電話でも同じ事。
特に電話は、よっぽど盛り上がっている世間話や重要な打ち合わせでもない限り、3分が限界。それ以上は、無駄に長いと受け取られてしまいがちです。
今、伝えなくてはならない事をきちんと整理して明確に伝え、はしょっても良い部分は「後日会った時に事情を説明する」「直筆のお詫び状を送る」などの対応をとるようにしましょう。
お誘いの断り方は、どれだけ要点をまとめられるかにもかかっています。
相手に話をする前に、自分の考えをちゃんと整理しておきましょう。
必要以上の低姿勢はかえって相手を不愉快にさせる
お誘いの断り方をいくら考えても、やっぱり「断る」という行動自体が持つ、やましさや罪悪感などはゼロにはなりません。
しかし、無駄に何度も何度も謝ったり、低姿勢で接したりしている姿は、相手からすれば、かえってうっとおしく感じるものです。
自分は、誠心誠意の姿勢をあらわしているつもりかもしれませんが、必要以上にへりくだればへりくだるほど、その根底にある「悪者になりたくない」「悪く思われたくない」という考えが透けてみえるため、相手の嫌悪感をあおる形になってしまいます。
「今回は残念だったけれど、今度また誘ってください」「次はぜひ」というポジティブな言葉を添えて、きちんとしたお誘いの断り方をしたのなら、あとは普通にしていて良いのです。気にしすぎる必要性は、どこにもありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
TPOにあわせたお誘いの断り方をマスターして、うまくストレスを軽減していきましょう。
とはいえ、毎回お誘いを断り続けていると、そのうち「あの人は誘っても無駄だから」といううわさが広まり、誘ってほしい人からのチャンスも逃してしまいかねません。
ちょっとでも「まぁ行ってもいいかな」と思えるお誘いなら、受けてみるのも一つの手。あんがい有意義な時間になるかもしれません。
お断りとおつきあいのバランスをうまく取るのもまた、エレガントな女性があざやかに生きる秘訣と心得ておきましょう。