突然、不安と恐怖に襲われ、動悸や息切れがして苦しくなる。
パニック障害という病気をご存知でしょうか?
テレビに出ている有名人でも、このパニック障害に苦しんでいたという話を聞くことがありますよね。
自分では克服やコントロールすることが難しいと言われるパニック障害を持つ人は、ここ数年で急増しているようです。
今や100人に1人はパニック障害を持つと言われ、予備軍も合わせると、さらに多くの人がこのパニック障害に苦しんでいます。
もしかしたら私も・・・
あなたも一度は、そんなふうに感じたことがあるのではないのでしょうか?
パニック障害の原因と克服のポイント
パニック障害の発症には、ストレスや怒りを感じると分泌される脳内神経伝達物質のノルアドレナリンと、興奮を抑えて精神を安定させる脳内神経伝達物質のセロトニンが深く関係しています。
ストレス状態が長く続いたりすると、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニンの分泌が減少し、パニック障害を起こすのです。
つまり、パニック障害を克服するには、このセロトニンの分泌を増やすことが重要となってきます。
では、どうやって、セロトニンの分泌を増やせば良いのでしょうか?
セロトニンを増やしてパニック障害を克服する方法のひとつとして、薬を使う療法があります。
しかし、パニック障害の治療に使用する薬の中には、強い副作用を持つものがあるため、それを考えると、できれば薬に頼らず克服したいと誰もが思うことでしょう。
実は、薬に頼らなくても、食事や日常生活に中に取り入れることで、パニック障害を克服する方法があります。
また、認知行動療法という、パニック障害を引き起こす原因となる不安を取り除く方法で、パニック障害を克服する方法もあります。
精神科医やカウンセラーがカウンセリングをして行うこともありますが、自分で日ごろから簡単に続けられるものもあるのです。
それでは、もっとくわしくパニック障害を克服する方法を見ていきましょう。
食事でセロトニンの分泌をアップする
セロトニンは、食事で摂取して増やすことができます。
セロトニンを増やすために、「トリプトファン」と「ビタミンB6」を多く含む食事を心がけましょう。
トリプトファンは、セロトニンの材料となるもので、ヨーグルト、豆乳、納豆、赤身魚、バナナなどに含まれます。
また、ビタミンB6はセロトニンの合成を助ける働きをし、牛肉、にんにく、きなこ、まぐろなどに含まれます。
この2つをうまく組み合わせて食事に取り入れることで、セロトニンを増やし、パニック障害の原因となる脳内神経伝達物質のバランスを保つことができます。
おすすめのメニューは、豆乳バナナスムージー、まぐろの納豆和え、鶏ひき肉のハンバーグです。
どれも簡単に作ることができるので、さっそくどれかひとつを今日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
朝日を浴びてセロトニンの分泌を活性化する
良く晴れた朝、ベランダなどで寝起きに深呼吸しながら太陽の光を浴びると気持ちが良いですよね?
このように、寝起きに朝日を浴びることで、光が刺激となって、セロトニンの分泌を活性化させることができます。
セロトニンを分泌させるには、2500ルクス以上の光を浴びる必要があります。
晴れの日に外で浴びる太陽の光は、100000ルクス、室内でも2500ルクスありますので、朝起きて部屋のカーテンを開けたときの明るさだけでも、十分セロトニンを分泌させることができます。
しかし、せっかく朝日を浴びても、そのあとまた寝てしまっては、セロトニンが十分に分泌されません。
セロトニンの分泌を活性化させたら、体を動かし活動を始めること。
これが、セロトニンの分泌を増やすポイントです。
規則正しい生活を心がけていれば、自然とセロトニンの分泌量が増え、パニック障害の克服につながるのです。
リズム運動でストレス発散
運動をすることで、セロトニンの分泌量を増やすことができます。
運動の中でも、一定のリズムで同じ動きを繰り返す「リズム運動」が、セロトニンを増やすには、より効果的だということが分かっています。
リズム運動と言うと、一定の速さでのウォーキング、段差の上り下りなどが思い浮かびますが、このほかにも、呼吸やガムを噛むことも、リズム運動のひとつです。
リズム運動を開始すると、セロトニンの分泌が始まり、20~30分後にセロトニン濃度のピークを迎えます。
ただ、30分も運動を続けていると、だんだんと疲れてきますよね?
疲れを感じるようになると、逆にセロトニンは減少していきます。ですから、ほどほどのところでやめてしまって大丈夫です。
また、呼吸法や物を噛むことでもセロトニンは増えますので、日ごろから少し意識するだけで、自然とセロトニンが増え、パニック障害を克服することができます。
そして、運動は、ストレスからパニック障害が出てしまう人にとって、良い気分転換にもなります。
運動をして血行が良くなることで、気分も体調も良くなり、思考もポジティブな方向に向かい、ストレスからくるパニック障害を克服できることもあるのです。
認知行動療法で原因となる不安を取り除く
人がたくさんいる広い場所に行ったり、狭いエレベーターなどに乗ると、パニック障害を発症してしまうことがあります。
これは、特定の場所に対する恐怖からパニック状態になり、動悸がしたり手足が震えたりという症状が出るパニック障害です。
一般的には、広場恐怖症や閉所恐怖症などという言葉でよく知られています。
その場所で怖い目にあったり、恥ずかしい目にあったことが原因となり、発症する恐怖症です。
克服するためには、まず、その不安の対象についてのネガティブなイメージを取り除くためのイメージトレーニングをする必要があります。
広い場所でパニック障害を発症してしまう場合は「広場に危険なものは何もない」とイメージし、広場に対する恐怖感を和らげていくのです。
ある程度、恐怖感が和らいだら、次は、少しずつその場所に近づいていきます。
無理をせず、自分が平常心を保てる範囲で少しずつ近づくのがポイントです。
一歩ずつでも苦手な場所に近づけると、その事実が自信につながり、克服しやすくなります。
少しでも近づくことができたら、次はその場所の近くでお茶をしたり、食事をして、その場所に対して楽しいイメージをつけます。
ここまでできたら、あとはその場所に一歩ずつさらに近づいていき、足を踏み入れるところまでいけば、克服したと言えます。
認知行動療法には、ある程度の時間がかかります。
しかし、自分で行動して克服できたという自信が、その後もさまざまなことに対してポジティブに解決できるようになることにもつながります。
ただ、無理をしてしまうと逆効果となり、パニック障害をさらに悪化させてしまう場合もあります。
精神科医や心理カウンセラーなどの専門家と相談しながら進めた方が、サポートも受けられ、良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今回はパニック障害の原因と、克服方法をお伝えしました。
パニック障害は周りから理解されにくいことから、パニック障害を起こしてしまう本人が自分を責めてしまい、なかなか克服できなかったり、一時的に良くなっても再発してしまうことが多い症状です。
本人にはどうしようもない症状だということを周りが理解して、サポートしてあげることが、一番良い克服方法です。