30代といえば、仕事においても働き盛りで、仕事量が多く、責任も重くなってくる年代。結婚・出産を経た子育て世代が最も多い年代です。
仕事とプライベート、さまざまなシーンにおいて忙しい30代ですから、受けるストレスもそれ相当に多くなってきます。
そんな30代は、どのようなことにストレスを感じ、それをどのような方法で解消するのがよいのでしょうか?
今回は、ストレス度が最も高い30代のストレス解消法についてお伝えします。
30代の主なストレスは「ワークライフバランス」
30代は、結婚・出産・育児を経験することが最も多い年代です。しかし同時に、職場における立場やそれに伴う責任も重くなっていきます。
つまり、プライベートと仕事、その「ワークライフバランス」をどう取っていくかが難しい年代です。
実際、年代別自殺者の統計を見ると、最も多いのが30代。それだけ悩みや不安が多い年代とも言えるでしょう。
では、主なストレスの原因を見ていきましょう。
1.30代は出産・育児で毎日バタバタの日々
結婚して子供が生まれれば、育児中心の生活になります。
女性は産前産後に休暇を取りますが、今や男性でも育児休暇を取ることができる時代です。あなたのまわりでも、育児休暇を取る男性がいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、休暇が明ければ、仕事の感覚を取り戻しながら子供を保育園に送り迎えをしたり、夕飯の支度や家事をこなしながら、子供のこと、自分のこと、家族のことで忙しい毎日の連続です。
子供が保育園、小学校、中学校に入れば入ったで、PTA役員の集まりや運動会などの学校行事、面談や進路相談なども増えていき、仕事とのバランスがうまくとれず、困ってしまうことも増えてきます。
また、思春期ともなれば、程度の大小はあれど、子供と向き合うことの難しさを経験します。
子供が成長することは嬉しいことですが、大変なことも増えてきて、それが原因でストレスや疲れが溜まって、体と心に元気がなくなってしまう人もいます。
2.昇進・昇格、嬉しいけれど悩みでもある
職場において、立場や職責が重くなることは、それだけ自分の努力が認められたということに他なりません。
30代は、昇進・昇格が多い年代。男性にとっても女性にとっても、自分が社会的に認められることは、働く意味でもあり、モチベーションにつながりますので、喜ばしいことのはずです。
ですが、人によっては、それを苦に思ってしまう場合もあります。
職場にストレスを感じている人が、具体的にどのようなことにストレスを感じているかを見ると
- 1位:人間関係がうまくいかない
- 2位:仕事内容に対する不満
という結果が出ています。
昇進、昇格にあわせて、異動や転勤で自分に合わない仕事内容や環境に置かれることもあります。
仕事内容や環境が変わることは、それだけでも大きなストレスになります。
最近では、従業員のメンタルヘルスに力を入れる企業もたくさんありますが、まだまだ行き届かない部分も多いのが現実です。
重篤な病気を発症しやすくなるのも30代から
仕事と家庭のワークライフバランスについて大きな悩みを抱える30代ですが、身体的にも重篤な病気を発症しやすい年代になります。
病気にもいろいろありますが、そのなかにはストレス起因のものも含まれています。
家族がいるほとんどの人は生命保険に加入していると思いますので、入院や治療などある程度の保証があるとは思いますが、それでも病気をすることは、心と体に大きな負担をかけます。
30代から発症しやすい病気には、いったいどんなものがあるのでしょうか?
1.30代から発症しやすい病気
30代からかかりやすくなる病気は、胃腸に関わる病気です。
加齢によって胃腸の働きが弱まると、胃液が減って胃粘膜が荒れやすくなります。
すると、胃もたれ、ぜん動運動が低下することによる便秘などが起こりやすくなります。若いころよりも食べる量が減ったり、揚げ物を避けたくなるのはこのためです。
また、肺の機能も運動量が減ることによって低下します。
少し動いたり階段を上ったりするだけで息切れがしたり、喫煙によって肺の機能が低下すると、体力もどんどん落ちていきます。
仕事や家事育児が中心になることが多い30代は、自分の体のケアをする時間を積極的にとる必要が本当はあるのです。
2.ストレスが原因で発症しやすい病気
ストレス度が高い30代は、ストレスが原因によるストレス疾患を発症しやすい年齢になります。
ストレスから発症するストレス疾患には
- うつ病
- 不安障害
- 慢性頭痛
- 過敏性腸症候群
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 月経不順
- 高血圧
- 心臓病
などがあります。
これらの病気になれば、当然、今まで通りに仕事をこなすこともできなくなります。入院となれば、身体的にも経済的にも大きなダメージを負うことになるでしょう。
うつ病などのストレス疾患で仕事を辞める人が年々増えていますが、その背景には、休職後に職場に復帰しても、うつ病が再発してしまうという問題があります。
うつ病は再発率が高いため、短期間で治し切るのは難しい病気です。
そのため、自分では大丈夫だと思って職場復帰しても、また同じようにストレスで再発してしまい、結局は退職してしまうことも少なくありません。
うつ病は、まじめで几帳面、責任感が強い人ほどなりやすい病気ですので、「休んだ分を取り戻さなくては・・・」という考えにいたる人は要注意です。責任感からついついがんばりすぎてしまい、ムリをして再発してしまう可能性が高いでしょう。
30代にオススメのストレス解消法とは?
仕事と家庭のことを、自分のことをそっちのけでがんばってしまいがちな30代。
ストレスや病気になりやすい年齢とも重なり、重篤な病気へ発展してしまいがちです。
そんな30代向けにオススメのストレス解消法がありますので、一度は試してみるとよいでしょう。
1.適度な有酸素運動を取り入れる
体力も筋肉量も、10代、20代から比べると、ずいぶん衰えています。
そんな30代には、激しすぎない適度な有酸素運動がオススメです。
ヨガやストレッチを5~10分、毎日行うだけでもだいぶ違ってきます。
体のコリをほぐして血行を良くするだけで、体の各機関に酸素と栄養が行き渡り、気分もスッキリします。
適度な運動は「幸せホルモン」であるセロトニンを増やしてくれるので、気分もポジティブになります。
ストレスを受けている状態で激しい運動をすると、さらにストレスが加わって逆効果ですので、あくまでも苦しくない程度の運動をすることがポイントです。
ストレスを受け入れて受け流す「ストレスコントロール」
ストレスなく過ごすことは、現実的にはほぼ不可能です。
社会活動や家庭において、どんな場所にもストレスは存在します。たとえば、何もしないで家にいたとしても、それはそれでストレスになるでしょう。
ですから、ストレスをなくすことができないのなら、ストレスに対する自分の考え方を変えることに注力する必要があります。
ストレスは、向かってきたストレス要因を受け止めた結果、心に溜め込まれて増えていくものです。
ですから、対処するには次の2つを意識して取り組むとよいでしょう。
- 向かってくるストレス要因を受け取らない
- 受け取ったストレス要因をため込まずに流す
まず、向かってくるストレス要因がどの方向からくるものなのか、自分にとってのストレスが何なのかを知ることが肝心です。
たとえば、職場に苦手な人がいる、自分にはどうしてもムリな仕事があるなど。
整理する目的で、自分が普段どんなことにストレスを感じているのかを紙に書き出してみてください。
実は、ほとんどのものが誰かに相談したり、自分の意識を変えることで解決することができます。
自分にとってのストレスを書き出したら、そのストレスを受け取らないで済むように、まずは先輩や上司、同僚に相談してみるとよいでしょう。
それで解決しなければ、そのストレスを受けた理由について考えてみます。
たとえば、人間関係がうまくいかない相手から嫌味なことを言われたら、どうしますか?
「ああ、なんて嫌なことを言う人だろう! 」
と思ってしまうと、その相手の顔を見るのも嫌になり、会うたびにストレスをため込むことになります。
しかし、嫌味を言われたときに
「こんな人の話に付き合う必要が私にあるのだろうか? 」
と考えてみます。
もちろん付き合う必要はありません。
「嫌味を言う人の話は聞く必要がない」
と自分の考えを変えれば、相手から受けるストレスをコントロールすることができるのです。
まとめ
何かと忙しい30代は、ストレスが多い分だけ、仕事やプライベートが最も充実している年代でもあります。
人生の中で一番充実している年代なのに、心労や病気で台無しにしたくないですよね?
メンタルヘルスに対する理解も、ここ数年高まってきています。
自分の心と体を守るためにも、ストレスに対する理解を深めて、すてきな30代を過ごしましょう!