『責任転嫁』とは、自分に責任があるのにもかかわらず、その事を認めず、他人に責任をなすりつけることです。
どうしてこのような事が起こるのでしょうか?
それは、人は無意識のうちに、自分を守ろうとする『自己防衛』の心理が働くからです。
しかし、『自己防衛』の心理は誰しもが持っているものでもあります。
責任転嫁する人と、そうでない人との違いは、一体、何なのでしょうか?
今回は、責任転嫁する人の心理や特徴が具体的にどのようなものなのかを7つにわけてお伝えします。
自分が傷つきたくない
責任転嫁する人は、自分が傷つくのを恐れています。
自分に責任があるとわかっていても、それを認めて相手から責めら、自分が傷ついてしまうことを避けたいと思っているのです。
打たれ弱いところがあり、一度傷つくと立ち直るのに時間がかかってしまいます。
そういったことを回避するために、自分を守ろうとする『自己防衛』の心理が働き、自分の責任であることを他人のせいにするのです。
自分に自信がない
自分に自信がなく、いつも心の中では周囲の目や評価などを気にしています。
しかし、自信がないことを周りに悟られたくないために
『自分は間違ったことはしていない』
『私の言っていることは正しい』
というような言動がしてしまうのです。
自分に自信が持てないことを自分自身が認められず、虚勢を張ります。
周りから見ると、当然ながら、えらそうな人、自分勝手な人、といった印象になります。
完璧な人間だと思っている
責任転嫁する人は、自分は何でもこなせる完璧な人間だと過剰評価する特徴を持っています。
間違いや失敗などするはずがないと思っているので、誰かに注意や指摘などされた場合、自分以外の誰かのせいにし、相手を激しく責め立てます。
誰かのせいにできないような場面では、今、自分が置かれている状況や状態のせいにします。
プライドが高い
プライドが高く、自分は特別な存在であると思っています。
そのため
『周りは自分のことをもっと尊敬するべき』
『自分はみんなから崇められるべき存在である』
と思っています。
プライドが高く、周囲から高評価を得ることばかり気にしているため、自分の失敗は決して認めようとしません。
そして、自分は特別な人間だと思っているので、自分の責任であることでも、『自分は正しい、周りが間違っているんだ』と信じ込んでいます。
人から注意されることも嫌うので、注意される前に誰かに責任転嫁し、自分を守ろうとします。
怒られるのが苦手
最近、多くの若者に見られる傾向ですが、『怒られるのが苦手』という特徴が目立っています。
親に溺愛され、甘やかされて育てられた場合などに、責任転嫁する心理が育ちます。
親に叱られた経験がないために、大人になり、社会に出た時、壁にぶち当たります。
周りが自分のことを思って注意してくれたり、怒ってくれたりすることでも、『怒られる』という経験がないため、どうしていいかわからず困惑してしまうのです。
怒られることに恐怖を感じてしまい、それを回避するために、誰かに責任転嫁するのです。
ラクをしたい
自分以外の誰かや状況のせいにしてしまえば、ラクになれます。
自分が責任をとることは勇気のいることでもありますし、精神的にダメージを受ける場合もあります。
しかし、責任転嫁する人は、そういったことに一切自分は関わりたくないと思っているため、責任をとることは面倒なことだと感じてしまうのです。
ラクに生きていきたいと思っているので、自分がミスをしてしまっても、とにかくその状況から逃げたい、自分の責任から逃れたいという『逃避』の心理が働くのです。
そのため、怒られそうになったら上手くそれを交わしたり、その場からいなくなるなど、逃げ足の速さも特徴のひとつです。
そうやってやり過ごしてきたため、言い訳上手でもあり、弁が立つようになります。
自己愛が強い
責任転嫁する人は、『自己愛の強い人』だと言えます。
自分が一番大事であり、ナルシストな一面もあるのです。
自己愛の強い人というのは、誰よりも自分が可愛いので、自分のことを甘やかし、他人のことを気にかけない傾向にあります。
世界は自分を中心に回っていると思っていて
『周りが自分を助けてくれるべき』
『自分が何でも一番』
と思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
周りから見ると、責任転嫁する人は『自分勝手』『傲慢』といった感じの印象を受けますが・・・しかし、その心理は、『自信のなさの裏返し』であったり、『甘やかされて育った』などの背景があったのです。
あなたの周りで、このような責任転嫁する人がいたり、これから出会ったりした場合、今回お伝えした7つの心理と特徴を思い出してください。
そして、これらを踏まえて、そのような人と上手く接するようにして下さいね。
『責任転嫁』に関する解釈の正誤について。
『責任転嫁』の意味とは…。
・自分が負うべき責めを他の者に負わせること。責任を他になすりつけること。
・本来自分が負うべき責任や罪科を、他人の負うべき責任であるとしてなすりつけること。
と、辞書では明記されています。
そこで本題です。
『責任転嫁』とは、これらの意味に故意や誤解等が含有されるかに関わらず
当てはまるものなのでしょうか。
例えば…。
・自身のミスで不都合な事態に至る過程を確認しておらず、自分のせい(直接な原因)ではないと誤解している。
・自身のミスで不都合な事態に至る過程を確認していないが、もしかしたら自分のせい(直接な原因)かも知れないと思っている。
・自身のミスで不都合な事態に至る過程を確認しておきながら忘却し、よって自分のせいではない(自分のせいかも知れない)と思っている。
・自身のミスで不都合な事態に至る過程を確認したが、原因は自分ではなく他によるものであると考えている(自身の行為そのものは正しく受取側が異常という理屈)。よって自分のせいではないと思っている。
つまり、自身が不都合要因を生み出した発端だと頭で理解しておきながら、
怒られたくない、自身の株を下げたくない、相手が気に入らない等の心理的要因から、
結果的に他人に責任をなすりつけようとするのではなく、
本気で「自身に責任はない。相手に原因がある(のではないか)。」という意識を持った上で、
「君が悪い。君の責任だ。」などという発言で相手に責任の所在を押し付けようとする行為に対して、『責任転嫁』という表現を使用する事は適切なのでしょうか。
私としては、責任転嫁といえば、悪意や自己保身の要素を強く感じます。
「私は悪くない、君の責任だ」→何らかの形で自身が原因と自覚→謝罪or謝罪のち後始末。
「私は悪くない、君の責任だ」→何らかの形で自身が原因と自覚→依然として現状維持。
後者に対しては『責任転嫁』という表現はしっくりきます。
よろしければ、ご回答をお願い致します。
コメントありがとうございます。
>『責任転嫁』とは、これらの意味に故意や誤解等が含有されるかに関わらず当てはまるものなのでしょうか
私は、当てはまると考えています。理由がなんであれ結果として他人に責任を負わせたのですから。
>本気で「自身に責任はない。相手に原因がある(のではないか)。」という意識を持った上で、「君が悪い。君の責任だ。」などという発言で相手に責任の所在を押し付けようとする行為に対して、『責任転嫁』という表現を使用する事は適切なのでしょうか。
適切だとは思いますが、もっとしっくりくる言葉(全く違う方向性の言葉)があるような気もします。ただ、「あの人は責任転嫁していることに気がついていない」なんて表現もあると思いますから、当人の状態は関係なく、受け手が責任逃れしていると思えば「責任転嫁」でいいのではないでしょうか?
ご回答ありがとうございます。
おかげで、疑問に対する心のもやもやが
少しながら解消されました。
貴重なご意見として、心に留めておこうと思います。
本当にどうもありがとうございました。