以前、中学校卒の学歴で頑張っている男性が次のように愚痴っていいました。
「俺は車の運転には自信があり、誰にも負けない。でも、今度面接を受けたところは高校卒しか採用しない。みんなが高校に行っている3年間、こっちはみっちり運転の経験を積んできているというのに。運転手なら運転がうまい方がいいに決まっているのに納得いかない」
さて、あなたはこの人の言い分にどんな考えを持ちますか。
「一般的に高校くらい卒業していないなら、それは無理だよ」と思いますか。「そうだそうだ、運転さえうまければ学歴なんてどうでもいい」と思いますか。
社会生活を営んでいくうえで私たちは数多くの人々と出会い、接していかなければなりません。職場でも個人的な付き合いでも、「自分が正しく評価されていない」「裸の自分を認めてほしい」と感じることは度々あります。
評価してくれない相手を責めたくもなりますが、心理学的に人間とはそのような考えを持ちやすいものだとしたら、不平不満を言うよりもその心理をうまく活用していく方が得策ではないでしょうか。
ハロー効果に影響を与えるのは第1印象です。人を外観で評価する割合は55%とも言われています。そこで、以下の点に気を付けましょう。
ハロー効果とは
心理学で使うハローとは、神仏の背後に光り輝く「後光」「光背」のことです。
何の変哲もない普通の人形の後ろに光背を付けると、途端にありがたい神仏に見えてきます。コマーシャルに有名な芸能人が多用されるのもこの効果の一つと言えます。「あの人が使っているからよいものに違いない」と思わせてしまうのです。
このように、本質そのものではなく付随するものの価値観に惑わされて、価値が高まることを「ハロー効果」と云います。日本語ではよく「光背効果」と言われています。
ハロー効果には「学歴」「家柄」と言うものも大きく影響してきますが、活用術でそれを乗り越えることができます。
身だしなみに気をつける
高価なものでなくても清潔でさっぱりした服を身につけましょう。見かけより中身と言う訳にはなりません。
ハロー効果はマイナスの効果もあります。汚い服装で悪い印象を与えたらマイナスに作用します。
言葉使いを丁寧に
相手と場所に応じた言葉使いをしましょう。親しくした方が良いからとぞんざいな口の利き方は悪い印象を与えてしまいます。
慇懃無礼な言葉は言語道断ですが、その場に応じた話し方を身につけましょう。
表情を明るくする
あなたはむっつり暗い表情の人といつまでも向き合っていたいですか。
卑屈にならず、自信をもち、ポジティブに明るい表情を心掛けましょう。
しぐさを豊かに
心理学にはミラー効果と言うものがあります。
会話の途中に頷きかえす、相手と同じ姿勢をとるなど、言葉や表情に加えてしぐさも豊かにしましょう。
約束の時間を守る
会合に遅れただけで「ルーズな人間」と烙印を押されてしまいます。マイナスのハロー効果です。
相手の家庭を訪問する時は、相手の準備のこともありますので早すぎず、5分前を心掛けましょう。
話題を豊富に
初対面の時にむっつりしていては、会話も途切れがちで「なんて不愛想なの」と悪く評価されるかもしれません。
相槌を打つ程度には会話についていく努力は怠れません。それにはニュースを見る、いろんな分野の本を読むことが効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
冒頭の男性のことを振り返ってみましょう。交通安全表彰の履歴など、運転に関する多くの評価や資格を取ることは、プラスのハロー効果につながります。
肩書や資格も大きな武器になります。学歴を乗り越える努力が必要です。