ロミオとジュリエット効果とは、特定の目的を持っている場合、障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象のことを言います。
心理学者ドリスコール(Driscoll)が、男女のカップルからの調査結果を元に命名しました。恋愛であれば、恋人同士の間に何らかの障害が存在することで、かえってそれが二人の気持ち(恋愛感情)を高めることができるのです。
今回はロミオとジュリエット効果を活用して恋愛を楽しむ方法を紹介いたします。
ひとに言えない恋をする
社内恋愛禁止、校内の不純異性交遊禁といったルールがあるのに、そのルールに触れるひとをつきあうことになってしまうということはあります(年齢差カップルや同性愛なども世間の暗黙のルールに触れるという意味で、同じ扱いをしてもいいかもしれません)。
障害があなたにも相手に対しても好意を持っていないという場合、その障害は二人にとっての共同の敵ということになるので、共同の敵を前にして二人の同志意識は否応なしに高まります。
そういうルール破りの恋愛は辛いことも多いですが、プラス面のロミオとジュリエット効果を楽しむことを心掛けましょう。
共犯関係になる
自分の好きなひとはやっぱり魅力的なひとで、他の同性があなたの恋人のことを好きになってしまったという場合、つまり、他の同性に自分の恋人を略奪愛されそうな場面を考えてみましょう。
その場合においては、その邪魔な同性は、あなたに対しては敵対的な態度をとるわけですが、あなたの恋人に対しては好意的な態度をとるわけです。
略奪愛を阻止するためには、あなたの恋人にその邪魔者からの好意をきっぱり拒絶してもらうということが必要になります。
共犯関係こそが恋愛の最高のスパイスだとある脚本家は言っております。これはロミオとジュリエット効果を言及したものでしょう。
他人からの好意を切り捨てるということによって生まれる共犯関係が、2人は特別に選ばれた2人なんだという運命的な気分を高めてくれます。
自分の市場価値をあげる
ロミオとジュリエット効果は、希少性の原則によって説明されることがあります。つまり、多くのひとたちから需要があるものには、それだけ高い評価で与えられるのです。
もしも、あなたが略奪愛の対象になっているという場合、恋人はあなたの異性としての価値をあらためて高く認識し、あなたのことをもっと大切にしなければいけないと考えるようになるでしょう。
恋は駆け引きとも言います。自分の価値を相手に高く見せるチャンスがあれば、それは逃がすべきではありません。
自由の大切さを認識する
ロミオとジュリエット効果を、人間の自由の欲求の観点から説明する向きもあります。
人には自分の行動を自由に決めたいという心理があり、その自由が脅かされると反発し、自由に執着します。
自由への欲求がロミオとジュリエット効果を高める働きがあるという見解が正しいことを前提にするのならば、過去に他人からの「小さな親切、余計なお世話」な干渉をうけてひどい目にあったという体験談を恋人にして、自由の大切さの認識を強めるのもいいでしょう。
恋人同士の間で自由を大切にするということは、2人の恋愛関係を大切にするということなのですから。
認知的不協和を解消する
ロミオとジュリエット効果を「障害がある以上、別れた方がいい」という気持ちと「好きだから離れたくない」という気持ちの認知的不協和の解消で説明するひともいます。
「どうして、このひとのことが好きなんだろう?」という疑問が湧くからこそ、それを説明するべく、相手のよいところを探そうとし、結果として、恋愛感情が高まることにつながると言うのです。
そういう理解からは、ロミオとジュリエット効果を高めるべく、わざと相手に「どうして、このひとのことが好きなんだろう?」という疑問を持たせるような行為をすることが推奨されます。
たとえば、わざと待ち合わせ時間に遅れてゆくとか、何かと理由をつけて相手を殴りつけてみるとか、そういったことがロミオとジュリエット効果を高める可能性は確かにないとは言えません。
ただし、恋人の側の目線からすれば、あなたと別れるという方向で認知的不協和を解消する選択肢を持っているということは、くれぐれとご注意ください、
まとめ
いかがだったでしょうか?
一口にロミオとジュリエット効果と言っても、その効果の理由については様々な説明の仕方があります。
今回の記事においては、その効果の理由に関する様々な立場をできるかぎり多く紹介する方向で作成しました。
皆様の恋愛において、ご参考にしていただければ幸いです。