ペーシングとは、相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせることです。
相手とペーシングを行っていくと、聞き手と話し手の中に一体感が生まれてきて、話し手は安心して話をすることができるようになります。
それによって、相手とのラポール（信頼関係）を築くことができます。
そして、ペーシングには、マッチング、チューニング、ミラーリングの３つの領域が存在していると言われます。
今回の記事においては、その３つの領域の分類に従って、ペーシングを実践してコミュニケーション能力をアップする方法を紹介します。
マッチングの領域のペーシングを実践する
マッチングとは、相手と話し方を合わせる話し方によるペーシング方法です。相手の話し方のスピード、高低、口調に合わせることがポイントです。
子供に話をするとき、「会社がちゅぶれてしまって‥」というように、子供の用語を使ってゆっくり喋ることは典型的なマッチングの例です。
方言に合わせることは相手の親近感をかきたてるために効果的です。企業の営業にあたって、地元の人材の採用することは、地元の共通の話題があるということ以外でも、マッチングがうまくいく可能性が高いということです。地元の人材でなくても、方言を使おるようになることは、営業の成績に結びつくでしょう。
また、大学によっては、学校文化というものがあり、それによって話し方に影響が生じることがあります。取引先や役所のひとたちと同じ大学の出身者というのは、マッチングの観点からしても、コミュニケーションを取るのに有利なケースもありえます。
最後に、性差について、女性客に対して女性のスタッフをあてる、男性客に対して男性のスタッフをあてる、ということもマッチングの観点からすれば、合理的です。異性の客に接するときは、異性の話し方の一般的特徴などを頭にいれて、マッチングを実践できれば、
コミュニケーション能力は格段に上昇します。
ミラーリングの領域のペーシングを実践する
ミラーリングとは、相手と話し方以外の身体的な動作をあわせるペーシング方法です。をもたれます。同じ動作でリズムを合わせることです。あまりの猿真似は不自然ですが、タイミングを調整することは重要になります。
相手の動作を真似ることで一体感・親近感を持ってもらうと言っても、相手が右手を挙げたから自分も上げる、などといったような「何から何まで真似る」というわけでは、勿論、違います。
真似るのは、概ね、似ていて不思議ではない部分を真似ましょう。 例えば、ファッションの傾向や、文体、メールのやり取りの際の文章量やイラストの割合、返信時間等などが主要なものとなります。
それらを真似るためには、かなりの事前に調査が必要になることもありますが、「真似たのではなくたまたま偶然に重なった」と相手に受け取ってもらえなければ、かえって逆効果を招くおそれがあることは十分ご注意ください。
チューニングの領域のペーシングを実践する
チューニングとは、感情や気分の状態、フィーリング、思考方法やムードといった心の周波数を合わせるペーシングの方法です。
相手が喜んでいるときは、一緒になって喜び、相手が悲しんでいるときは一緒になって悲しむというチューニングは、あなたと相手のコミュニケーションを促進させます。
チューニングに対して、相手が怒ってクレームをつけてきているときに一緒になって怒っていては話がまとまらなくなるという批判があります。
しかし、相手と一緒に怒ってやりながら、怒りの原因となっている責任の所在を明確化するという作業は、往々にして、可能です。
責任の所在を明確化することができたら、その責任をどのように追及するべきか、具体的な方策の細かい問題に話を誘導していって、相手の怒りを少しずつクールダウンさせるのがよいでしょう。
それでも、相手の怒りが収まらないようならば、責任の所在を明確化する話の流れを繰り返すことで、怒りのエネルギーを消耗させるのです。
相手が怒っているのに、自分だけが冷静な態度を取ろうとするのは、ペーシングの観点からすると、あまり賢明とは言えません。
相手は馬鹿にされたように感じ、怒っている気持ちをわからせようとして、さらに声を張り上げ、テンションが上がり、ますます怒りを増幅させることになるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか？
今回の記事の作成においては、ペーシングのマッチング、チューニング、ミラーリングの３つの領域の分類を意識して、作成しました。
ペーシングの技術をあなたの日常のコミュニケーション能力の向上に結びつけ、相手との信頼関係の形成に役立てていただければ、うれしく思います。
