最近の就活ならぬ婚活という言葉が示すように、結婚したいのにできない女性のことがよく話題になります。
もちろん、女性が結婚できるかどうかは、かなりの部分、運が決めているとも言えますが、婚活をつづけるモチベーションを保ち続けるという心理的要素も大切です。
そこで、今回の記事においては、心理学の観点から結婚したいのにできない女性の特徴を解説していきます。
他に優先しなければならないことがある
マズローの欲求5段階説によれば、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲すると考えられています。
結婚したいという気持ちは、マズローの欲求5段階説によれば、第三階層の「社会的欲求」です。
そして、仕事で重大な案件を任されていたり、プライベートで家族の介護などの問題を抱えていたりしている場合において、危機を回避したいという気持ちは第二階層の「安全欲求」です。
理論上、後者の欲求を優先してしまい、結婚したいと言う前者の欲求を充たすために時間やエネルギーを割くことが難しくなってしまうのです。
独身生活の気楽さを楽しんでしまう
人は、時間が経てば多くの利益、損失があると知っていても、目先の利益を選んでしまうという心理傾向があります。
これは認知バイアスの1つで、『現在志向バイアス』と言います。
現在志向バイアスは、評価する対象が「今」か「未来」かで、対象は同じであっても着目する観点が異なるために起るのです。つまり、「未来」はより抽象的な点に着目して、「今」はより具体的な点に着目して判断してしまう。
結婚をしなければ未来に苦しいことになるかもしれないという不安があっても、今の独身生活の気楽さを楽しんでしまうということが考えられます。
まわりにも独身を楽しんでいる女性が多い
ひとは自分の判断や意見の正しさを確認できないときに、身近な他者の判断や意見を参考にします。
これも認知バイアスのひとつで、『集団同調性バイアス』と言います。
まわりにも独身を楽しんでいるひとが多い集団に属している女性は、結婚したいという気持ちがあっても、周囲がそれほど焦っていないことを確認して、自分も何とかなるだろうと考えてしまいがちです。
ですから、本当に結婚したいのなら、環境を変える(付き合う仲間を変える)必要があるでしょう。
過去に男性関係で強烈な失敗を経験している
人は、成功よりも失敗のほうが強く記憶される傾向があります。
これを心理学では、『ツァイガルニク効果』と呼びます。
この効果は、成功することで、目標に向かっていたときの緊張感から開放されるはずが、失敗して止めてしまう事で、緊張感だけが残り続けてしまうために起こるものです。
過去に男性関係で失敗して、強烈な精神的外傷(トラウマ)を負っている女性は、結婚したくても、失敗の記憶がよみがえって、なかなか結婚に踏み切れないということもあります。
減点主義の教育を受けている
子どものころ、「完全にやりなさい」「なんでもきちんとやりなさい」「ミスをしないようにしなさい」「失敗しないようにしなさい」といった減点主義の教育を受けたひとは「不完全であってはならない。完全でならねばならない」と気持ちが駆り立てられるようになります。
これを心理学においては、「完全であれ」のドライバーと言います。
他人に対しても完全さを要求する場合があり、そのため、他人に対しても減点主義になってしまい、他人の欠点やミスが気になります。
それから、相手探す段階でも、「まだ自分は完全ではない。万全の準備が整うまで実行してはいけない」という気がして、第一歩をなかなか踏み出せなくなります。
この考えの女性は、結婚したくても上手く結婚のきっかけをつかめないことが多いです。
自分の感情を表現することが苦手
子どものころ、「感情をまじえず道徳的義務として誰にでも親切にしなさい」といった類のカント主義的な世界市民教育を受ければ、自分の感情は抑えて、周囲を満足させようと駆り立てられるようになります。
これを「他人を喜ばせろ」のドライバーと言います。
このドライバーを持っている女性は、自分が目立ったり、誉められたりされることが居心地悪く、結婚に向けた自分の感情の積極的なアピールが苦手です。
また、「そうでしょう?」「これでいいですか?」など、相手の同意を求める言葉をしばしば使う傾向もあります。
自分の感情を表現することが苦手というのは、往々にして無責任で計算高いと周囲から受け取られることもあり、結果として、結婚が遠のくことになります、
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した内容は、結婚したいのにできない女性の特徴としてよくあげられるものばかりですが、心理学の観点から解説するとまた別のイメージが湧くのではないかと思います。
状況が変えられない場合にも、視点を変えて物事に対する意味づけを変えると、新たな選択肢があることに気づくことができます。
今回の記事で紹介した心理学的な視点をあなたの人生において役立てていただければ幸いです。