自分を変えたい……もしそう思っているなら、あなたはすでに自分を変えるための第一歩を踏み出しています。あとは、行動するだけです。
行動に移すだけで、新しい自分へと近づいていくことができます。
では、自分を変えるためには、具体的にどんな行動をすれば良いのでしょうか?
多くの人は、ここで頑張ろうと『決意』して、それで終わってしまいますが、それではダメなのです。
自分を変えるための秘訣は、決意を新たにするというような気持ちの切り替えではなく、『環境、人付き合い、習慣』を変えていくことです。
今回は、これらの変化が、いかにあなたが変わっていくために効果的であるかを心理学の観点からもご説明し、変わるために本当に必要なことをお伝えします。
『変わりたい!』と思ったその日にやるべき2つのこと
『思い立ったが吉日』という言葉があるように、あなたが自分を変えたいと思った今日この時こそ、あなたが大きく変わっていくために一番大切な日となります。
自分を変える方法は、大きく2つに別れます。すぐにできるモノと時間がかかるモノです。
まずはあなたがすぐにできて、すぐに行うべき2つのことをご紹介します。
自分の変えたいところを紙に書く
あなたが変わっていくためには、今の自分の何を変えたいのかを知らなければいけません。
変わった後の自分と今の自分を理解し、比較することで、ようやく今の自分に足りないものが見えてきます。
ですので、まずは自分の変えたいと思う部分を紙に書いてみましょう。
あまり深く考えず、気になった部分をどんどん「書き出す」のがポイントです。
例えば、
- 時間にルーズ
- 体型に自信がない
- 飽き性で三日坊主になりがち etc.
こんな感じでどんどん書いていきましょう。
自分の嫌な部分を書いていくので、少し気分が重くなるかもしれませんが、大丈夫です。
ここで書いていることは誰かに見られることはありませんし、ネガティブな気持ちが湧いてきても、それはしっかりと自分と向き合っている証です。むしろ、ちゃんと向き合っている自分に自信を持ってもいいくらいです。
そして、嫌いな部分を書いたら、次はその嫌いな部分とは逆のこと、つまり理想の自分を書き込みましょう。
例えば
- 時間にルーズ→時間に余裕をもって行動する
- 体型に自信がない→納得できるプロモーションを維持している
このような感じで最初に書いた自分の嫌な部分とは反対のことを一緒に書きます。こうすることで自分を変えるためのスタートとゴールが明確になっていきます。
ここで一つ、コツがあります。
それは『変えたい部分を利き腕とは反対の腕で書くこと』です。つまり、汚い字で書いてしまおう、ということです。
汚い字で書くことで、自分の変わりたいという気持ちを改めて認識することができます。こうすることで、ただ紙に書くという行為を強く印象に残すことができます。
スタートとゴールをはっきりさせることは、自分への満足感も感じやすくなります。まずは紙とペンから自分を変えるための一日をスタートさせましょう。
大掃除をする
紙に自分の変えたいところを書けたなら、次に大掃除をしましょう。
自分の変えたい部分を紙に書いてゴールを決めたら、理想の自分が見えてきます。そして、理想の自分にとって必要のないものはどんどん捨てていきましょう。長い間使ってないものも一緒に捨ててしまいましょう。
自分を変えたいと思っても、周囲の環境が変わっていないと、また元の自分と変わらない生活を送ってしまいます。ですから、変わりたいのであれば、まず、住まいの環境を変えてください。
また、部屋のものをとことん減らすことは、普段の掃除にかかる時間を短縮することにも繋がります。それでできた時間を自分を変えていくための時間としてさらに活用するのです。
自分を変えるためにあなたが続けていくべき5つのこと
今度は、時間をかけて継続的に行っていく行動をご紹介します。
早起きをする
「早起きは三文の得」と昔から言われていますが、現代の科学も朝型の方が得であると認めています。
早起きがもたらすポジティブな変化の鍵は、『意志力』にあります。
意志力とは、「自分をコントロールする力」のことです。
意志力は体力と同じように疲れるとすり減っていき、枯渇してしまうと、自分をコントロールすることが難しくなってしまいます。
夜遅くまでテレビを見たりしてしまうのは、仕事の疲れなどであなたの意志力がすり減ってしまい、自分をコントロールすることができなくなってしまっているからです。
この意志力のピークは起床後、つまり、朝目覚めた後が最も意志力を発揮しやすい時間と言われています。
つまり、新しい習慣や困難なことは、意志力が充実している朝の方が行いやすく、逆に夜はチャレンジングなことを行うには不向きな時間になります。
ですから、早起きして、この時間を有効活用しましょう。
尚、早起きのコツは単純で、早く寝ることです。
試しに、普段夜にやっていることを朝やってみるようにしてみてください。
例えば、夜にいつも見ているテレビを録画しておいて朝見るようにするなどです。こうすると、不思議と夜にしていたことが段々やらないようになってきます。
また、可能であればスマートフォンも帰ったら手の届かないところに置いてしまってください。
ついつい手に取ってしまいがちですが、スマートフォンから発する光は睡眠の質を下げてしまい、すぐに眠れなくなってしまいます。
運動をする
仕事や人間関係などで不安に襲われることはよくあることですよね?
運動は、そうした不安という感情を上手に消してくれます。
どのくらい効果があるのかというと、なんと薬を服用するのと同等の効果があるのです。
1997年にパニック障害の患者を対象に薬と運動でどれくらい効果に差があるか実験が行われたのですが、そこで、運動を継続することは薬を服用し続けることと同等の効果があるという驚くべき実験結果が出ています。
運動には上手に不安を解消する効果だけでなく、同時にストレスに対する耐性も高めてくれる効果があります。
ストレスをコントロールできるようになれば、ポジティブになりやすくなり、どんどん変わっていこうという意欲も湧いてきます。
自分を大事にするためにも、ちょっとした運動から始めてみましょう。
初めは散歩からでも構いません。5分ちょっとの散歩であってもリラクゼーション効果がありますので、体力的に余裕を感じるくらいのレベルの運動から体を動かしていきましょう。
細かい贅沢をやめて、自分に大きく投資していく
自分を変えていくためには、時間だけではなく、お金の使い方も見直す必要があります。
自分を変えるためのお金の使い方で大事なことは、『自分に投資する』ことです。
これは、頑張った自分へのご褒美にちょっといいディナーを用意するといったことではなく、理想の自分に近づくための投資を行うということです。
例えば、英語が喋れるようになるのが理想の自分だとします。その場合、英会話学校に通うだとか教材を購入するといったようなことが自分への投資になります。
世界的な富豪の人たちは倹約家であることが多いのですが、それは彼らが浪費から得られるものが無いことを知っているからです。つまり、お金を上手に使うことでプラスの成果を得てきたからこそ世界的な富豪になることができたのです。
もちろん、ご褒美のディナーもモチベーションの維持には効果的ですが、やろうとしていることが自分を変えていくためにプラスになるお金の使い方なのかどうか、必ず考えてから行動する癖をつけていきましょう。
付き合う友人を見直す
チャンスというのは常に初対面の人からもたらされます。いつも通りの友人関係からあなたに大きな変化を与えるようなきっかけは生まれません。
自分を変えるということは考え方も変わるということですが、古くからの付き合いはあなたを今までの考え方に縛ってしまいがちです。
もしもあなたがこれからの自分を変えていきたいと強く望むのなら、今まであったことがないような人と繋がりを持てるように行動してみましょう。
また、繋がりを増やすことと並行して、今までの交友関係を見直す必要もあります。
これは、傷を舐め合うような友人とは距離を置く必要があるということです。
自分を変えていく行為は高みを目指す行為に似ています。そのためには悔しさをバネにしたり、ネガティブな感情をエネルギーに変えていくことがときには必要となってきます。
ですが、愚痴を言い合ったり、ついつい甘えたくなってしまうような友人がいると、ストレスのようなネガティブな感情を力に変えることができません。成長しようとする自分の足を引っ張られる場合もあります。
傷を叩きあって前に進めるような人間関係があなたを大きく変えてくれます。
他人との比較を捨ててしまう
他人と比較しても根本的な自信には繋がりません。
自分を変えることのゴールは、今の自分に納得すること、自信を持てるようになることです。
しかし、他人と比較しているうちは自分を変えるためのゴールにたどり着けません。
なぜなら、他人と比較する行為にはきりがなく、比較対象は出続けますので、ずっと自分に納得できないままになってしまうからです。
根本的な自信を得るためには、過去の自分からの変化を通じて、自分の強みに気付いていくことが大切になっていきます。
自分を変えていく中で、自分にしかない強みを見つけることができれば、それがあなたの本当の自信に繋がります。そのためにも、他人との比較をやめて、自分と向き合う時間を増やしていきましょう。
モチベーションを維持するために必要なことは『習慣にすること』
自分を変えていく中で一番の天敵ともいえるのが、モチベーションを維持することです。
多くの人が勘違いしがちですが、モチベーションの維持は、気持ちの問題ではなく、習慣にできるかどうかにかかっています。
継続するためには、いかに習慣が大事であるかを見ていきましょう!
習慣にすることで気合を入れなくても続けられるようにする
モチベーションは維持することが非常に難しいものです。
というのも、モチベーション自体は最初がピークで、その後は徐々に右肩下がりになるのが人として普通だからです。
最初の内は新鮮な経験などがあなたを後押ししてくれますが、慣れてくるとモチベーションを維持してくれる要素がどんどん減っていってしまいます。
ご褒美のデザートなどは、下がっていくモチベーションをなんとか維持するための苦肉の策とも言えるでしょう。
そして、モチベーションが失われると、続けることが苦しくなってしまいます。
ここで我慢して続けようとすると、より苦しいという感情が強くなってしまい、続けたくないという気持ちが強くなってしまいます。
人は楽な方に流れる習性があるので、その習性に逆らい続けることは大きなエネルギーを使ってしまうことであり、疲れも溜まりやすくなってしまいます。
そこで大事なのが、モチベーションに頼らないようにすることです。
つまり、習慣にして気合を入れなくても自然と出来るようにしてしまうことが重要になってきます。
例えば、毎朝の歯磨きに強い抵抗感を覚えることはほとんどありません。それは習慣になってしまっているので、ほとんど考えることがないからです。
自分を変えていくための行動も、歯磨きと同じように習慣にして、歯を食いしばらなくても続けられるようにするとかなり達成度がアップします。
やる気は手を動かしてから出てくるもの
『やる気が出てからやろう』
こんなふうに思ったこと、一度や二度ではないかもしれません。
やる気というのは心の底から自然と湧き出てくるものだと思われがちですが、実はこれは大きな誤りです。
「作業興奮の原理」というものがあります。
これは、人間のやる気というものは実際に行動してから生まれるという原理です。
脳科学では、ドーパミンがやる気の元とされていますが、このドーパミンは脳の側坐核と呼ばれる部分から分泌されます。
側坐核に刺激を与えることでドーパミンが分泌されるのですが、行動することが側坐核への刺激に繋がります。
つまり、行動することによって、やる気が徐々に湧いてくるのです。
このことからも、モチベーションの維持には習慣が効果的であると言えます。
とりあえず、5分でいいから手を動かせば、自然とやる気は湧いてくるものなので、やる気が出てくるのをひたすら待つのではなく、自然と行動できるように習慣化すれば、やる気もおのずと湧いてくるようになるからです。
66日間小さく続けて習慣を身につける
習慣にするまでにかかる所要時間の議論は今までにさまざまなところで行われてきました。
よく言われるのは21日間続けると習慣になるというものでしたが、最近になってロンドン大学が研究したところ、確実に習慣にすることができる期間は66日であるという事が判明しました。つまり、おおよそ2か月くらいで習慣を一つ身に着けることができるということになります。
66日と聞くと長いなと思うかもしれません。
ですが、今後の人生を左右するような習慣を2か月で確実に身に着けられるのだとしたら、それは十分に価値のあるものだと考えることができます。
1年で5個も自分を大きく変えてくれる習慣を身に着けられるのですから、1年後には全く違う自分になれます。
ただ、ここで一つ気を付けたいことがあります。
それは、最初から大きく始めようとしないことです。
例えば、ダイエットのために最初からジムに通ってハードなトレーニングをするといったことは避けるべきということです。
最初は散歩のように小さくはじめていけば、続けていくうちにランニングに変えてみたり、ジム通いをプラスしたり、自然と大きくしていくことができます。
まずはハードルを低くして簡単に続けられることから始めてみましょう。
1、2日くらいなら間が空いても問題ありません。気楽に構えていきましょう。
挫折したとき、挫折しそうなときの対処法
自分を変えていく途中で、ときには挫折してしまうこともあります。実際は、挫折することの方が多いかもしれません。
ですから、これから挫折とどう付き合っていけばいいのかをご紹介します。
挫折する前に気を付けておくこと・・・簡単に続けられるように工夫しておく
挫折するときは、主に『継続することができなかったとき』であることがとても多いです。
何かを続けようと思っても、悪い条件が重なってしまうなどして長い間できなくなってしまい、習慣が途切れてしまったときに挫折してしまいがちです。
ですので、継続することを第一に考えて、事前に『これなら簡単に続けることができる! 』と思えるようにハードルを下げておくことが大切になってきます。
重要なのは、徐々にステップアップすることではなく、継続することです。
ですので、これでもかと思うくらいに簡単なことから習慣にしていきましょう。
続けていけば自然とステップアップしていきますので、安心してください。
また、上がったハードルを下げるというのも効果的です。
例えば、最初は散歩から始めたダイエットが今ではジムに通えるほどになったとします。ところが、仕事が忙しくなりなかなかジムに通えなくなってしまいました。こういう場合は、無理にジムに通うのではなく、軽いランニングなどにして続けられるように調節するということです。
このように続けられる形に調節して習慣を途切れさせないように工夫することが挫折への対策になります。
挫折したときに一番やってはいけないこと……自分を責めること
習慣というのは一度身に着けばなかなか途切れることはありません。しかし、習慣が途切れる条件はあります。
それは、自己嫌悪したときです。
本来はなかなか途切れないはずの習慣でも、自己嫌悪に陥ってしまうと意志力が削られ、習慣となっていた行動を妨げてしまうことが分かっています。
ですので、万が一続けられない時ができてしまったら、自分を責めるのではなく、どうすればできるのかを考えて、実行に移すようにしましょう。
こうすることで失敗から学んだという成功体験を作ることができ、自己嫌悪に陥らなくて済みます。
変わりたいあなたの背中を押してくれる9つの名言
あなたの背中を押してくれる名言をご紹介します。
サミュエル・スマイルズ/作家
1000回の憧れよりも、1度の挑戦の方がずっと価値がある。
アリストテレス/哲学家
人は物事を繰り返す存在である。従って、優秀さとは行動によって得られる物ではない。習慣になっていなければならないのだ。
ゲーテ/詩人
自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。
イチロー/野球選手
ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道。
ニーチェ/哲学家
世界には、きみ意外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め。
手塚治虫/漫画家
人を信じよ。しかし、その百倍も自らを信じよ。
エイブラハム・リンカーン/政治家
今日できることを、明日に残すな。
ビル・ゲイツ/起業家
問題は未来だ。だから私は、過去を振り返らない。
トーマス・エジソン/発明家
私は失敗したことがない。ただ、1万通りの上手くいかない方法を見つけただけだ。
まとめ
「小さくはじめて、大きく育てる」
最初から自分を大きく変えることはできません。ですが、少しずつなら変わることができます。
少しずつの行動を積み重ねていくことでしか、自分を変えていくことはできません。魔法のように一瞬で何かに変わるようなことなどできません。
自然の木々や花々が、最初はどれも小さな種や苗木から始まるように、あなたも小さな習慣から始める必要があります。
しかし、それはやがて大きな変化へと育てることができます。そして、理想のあなたへと変わっていきます。
変わりたいと願ったあなたは、今この瞬間とても大きな可能性を秘めています。ぜひ今回ご紹介した方法であなたなりの変化を育ててみてください。