ストレスが多い現代社会において、職場や学校などで「人間関係が上手くいかない…」と悩んでいる人はとても多いです。
どんなに能力が優れていても、人間関係が上手くいっていないと、生きていく上で大変になってきます。
職場で同僚や上司と上手くコミュニケ―ションが取れなかったり、学校などでも友達との関係が上手くいかず不登校になってしまうなど…
あなたはどうでしょうか?
人間関係が上手くいかず、生きづらさを感じていたりしないですか?
できれば、人間関係で悩まずに、自分が持っている能力を発揮しながら「自分らしく」生きていきたいものですよね。
そこでここでは、人間関係が上手くいかない原因や特徴をお伝えし、そこから見えてくる改善方法をお教えしていきます。
人間関係が上手くいかない原因や特徴を理解し、自分自身と照らし合わせていくことで、自分の内面や行動をどう変えていけば良いかが明確になります。
それができれば、人間関係のコンプレックスが解消され、友達との関係や仕事、また自分の目標なども見つかり、充実した人生に変わっていきます。
この機会にぜひ、自分の内面を見つめていきましょう。
人間関係が上手くいかない原因
人間関係が上手くいかないと悩んでいる人は本当にたくさんいます。
職場や学校などの現実の世界ではもちろんですが、最近ではインターネットのSNSでの人間関係で揉めることも多いようです。
人間関係が上手くいかずに悩んでいる人というのは、そうなる原因を知らず知らずのうちに自分で作ってしまっている可能性があります。
まずは、人間関係が上手くいっていない人たちが共通して持っている原因を探っていきましょう。
人間関係に対して苦手意識がある
人間関係が上手くいかない人というのは、無意識に人間関係に対する苦手意識を持っている場合があります。
苦手意識というのは過去の経験などが要因となっていることが多く、人に対して苦手意識を持つ人は過去に自分が「苦手」だと感じた記憶や経験から無意識に人を避けてしまいます。
例えば、学生時代にいじめに遭った経験を持っている人は、大人になって会社に勤めるようになっても、人と関わることに不安を感じてしまい仕事も続かない…なんてこともあります。
このように、人間関係に対して無意識のうちに抱いてしまっている苦手意識が、スムーズなコミュニケーションの大きな妨げとなってしまうこともあるのです。
人に心を開けない
人間関係が上手くいかない人は、無意識に人に対して苦手意識を感じているので、自分の心を開くことも苦手です。
こうした人は常に人間関係を不安に思っているので、相手に気を許すことができません。
そのため、人と付き合う時はぎこちなく、他人行儀な感じで振る舞ってしまいます。
そんな感じで接してしまうと、当然、相手もあなたに対して堅苦しさを感じるので、心を開いてくれません。
たとえ、他人行儀な振る舞いをしても、仕事での人間関係であれば成り立ちますが、プライベートな人間関係となるとそうはいきません。
お互いに心を開かなければ、人間関係を築いていくことは難しいです。
常に相手の顔色を伺っている
人に苦手意識を持ち、心も開けないということは、常に相手の顔色を伺っていなければならなくなります。
例えば、過去の経験から来る不安感から、人前で堂々とした態度が取れなくなるのはよくあるケースです。
常に相手の顔色を伺い、相手が「自分をどう見ているのか」が気になってしまうため、堂々とした態度が取れなくなってしまうのです。
そうすると、相手もあなたのそうした態度に不信感を抱いてしまい、人間関係が上手くいかなくなってしまうのです。
自分の意見ばかり通そうとする
人間関係が上手くいかない人の中には、自分の意見ばかりを通そうとするタイプの人もいます。
自分の意見を通そうとするあまり、相手の話に耳を貸さず、それが原因でトラブルとなってしまうのです。
人間関係というのは、文字通り「人と人」との間の関係です。
自分だけで成り立つ関係ではないので、相手の意見を聞かずに自分の意見ばかり押し通そうとすると、当然、人間関係も上手くいかなくなってしまいます。
真面目で融通がきかない
「真面目」ということは、決して悪いことではありません。
しかし、人と関わる時にそうした真面目(=生真面目)なところを強く出してしまうと、スムーズにコミュニケーションを取るのが難しくなってしまいます。
真面目であるがゆえに、自分が正しいと思ったことばかりを相手に押し付けてしまい、相手から嫌がれてしまう場合があります。
人と上手くコミュニケーションをとって円滑に物事を進めたい場合は、真面目で融通がきかないと相手から疎ましがられてしまうので注意が必要です。
空気が読めない
このように、自分の意見ばかり押し付けたり、真面目で自分が正しいと思った事ばかりを強く出してしまうと、相手から「空気が読めない」と思われ敬遠されてしまいます。
本当に空気が読めない人は、周りが自分をどのように見ているのか全く気づかないので、つい行き過ぎた言動や行動をとってしまいます。
また、別に空気が読めていないわけではなくても、先程のように自分の意見ばかり押し付けていると、空気が読めない人だと誤解されてしまうこともあります。
さらに、こうしたタイプの人は「口が軽い」と思われがちなため、人間関係においても相手から軽んじられてしまう傾向にあります。
根に持ちやすい
人間関係が上手くいかない人というのは、性格に少し問題がある場合があります。
その一つが「根に持ちやすい性格」です。
相手とトラブルになった時のネガティブな気持ちをいつまでも引きずり根に持っていると、良好な人間関係を築くことはできません。
スムーズな人間関係を構築していきたいと思った時には、やはり心に余裕を持って相手のことを許せる気持ちを持つことが大切です。
価値観が違う
人間関係が上手くいかない原因には、このように様々な原因があるのですが、そんな中でもトラブルになった時にこじれてしまうのが「価値観の違い」です。
人にはそれぞれ今まで歩んできた人生があり、その過程で形成された価値観があります。
そうした価値観というものは、たとえおかしなものであっても、人から指摘されたからといって簡単に変えられるものではありません。
ですから、こうした価値観の違いからくるものを相手に押し付けたりすると、人間関係が上手くいかなくなってしまいます。
親子関係にトラウマがある
人間関係が上手くいかない人の中には、過去の経験から人に苦手意識を持っている人がいると先程お伝えしましたが、その「過去の経験」というものの中に、「親子関係のトラウマ」を抱えている人が意外と多くいます。
人生の中で最初に接する人間である「親」は、その後の人間関係の構築に欠かせない存在です。
本来であれば、一番信頼できる相手であるはずの親との関係が上手くいかないのですから、親以外の人と良好な人間関係を構築していく方法がわからなくて当然です。
もし人間関係が上手くいかないのであれば、一度自分の親子関係を見直してみる必要があるかもしれません。
自分に自信がない
当然かもしれませんが、自分に自信がない人も人間関係が上手くいかずに悩むことが多いです。
自分に自信がない人の多くは「自分のことが嫌い」です。
自分のことが好きではないのですから、自分を思いやることなどできません。
自分のことを思いやれない人に、他人を思いやることなどできません。
人間関係が上手くいくようにするためには、自分に自信を持ち相手を思いやる心の余裕がないと難しいです。
人間関係が上手くいかない原因は病気?
人間関係が上手くいかないと悩んでいる人の中には、実は「病気」が原因の人もいます。
例えば、人と目を合わせることができなかったり、他人との距離感がつかめず上司や目上の人にも同僚のように接してしまうなど。
このような特徴を持っている人の中には、「発達障がい」などの病気が隠されていることもあります。
このような病気を抱えている場合は、早期発見して、適切な対処をすれば、人間関係も上手くいくようになっていきます。
では、人間関係が上手くいかなくなる症状が現れる病気には、どんなものがあるのでしょうか?
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群とは、対人コミュニケーション能力や社会性などに障がいがある一方、知的障害や言葉の遅れなどがないものを指します。
この病気は何らかの脳機能障害が原因と言われていますが、明確な原因はわかっていません。
アスペルガー症候群を持っている人の特徴として
- 曖昧なコミュニケーションが苦手
- 空気が読めないので不適切な表現をしてしまう
- 相手の気持ちを理解することが苦手
などといったものがあります。
しかし、知的な遅れがない病気のため、周囲から認知されにくい病気です。
人間関係が上手くいかないのは病気の症状のせいなのに、周りから理解されないことに生きづらさを感じている人は少なくありません。
ADHD
アスペルガー症候群と同じ発達障がいの一種に「ADHD」という病気もあります。
ADHDは「注意欠陥・多動性障害」の略称で、不注意性と多動性、そして衝動性の3つ症状が見られる発達障がいです。
この病気を持っていると、年齢や発達に不釣り合いな言動・行動が見られるため、社会的な活動や学業に支障をきたすこともあります。
ADHDは、大きく分けて「多動性・衝動性優勢型」と「不注意優勢型」の2つにわけられます。
多動性や衝動性が強いと、自分の意見ばかり押し通してしまい人の話を聞くことができません。また、不注意性が強いと、いつもぼんやりしていて人の話を聞けないという特徴があります。
いずれにしても、こうした特徴があると、人とのコミュニケーションを円満に進められなくなるため、学校や職場で孤立してしまう人が多いです。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害は人格障害の一種で、感情の起伏が激しく物事の良し悪しを極端に判定したがるといった特徴をもった病気です。
こうした症状を抑えられずに強いイライラ感を感じたり、問題行動を頻繁に起こしてしまったりすると、この病気の診断がつきます。
境界性パーソナリティ障害の人は、感情のコントロールが苦手です。
たとえば、自分の意見が正しいと思うと、相手にもそれをはっきりと認めさせないと気がすまなくなってしまいます。
境界性パーソナリティ障害も発症してしまう原因がはっきりしていない病気ですが、遺伝と環境による原因があると言われています。
特に環境にまつわる要因としては、子どもの頃に受けた虐待や親との愛情関係が上手く築けなかったなど、親子関係のトラウマが大きく関わっていると考えられています。
統合失調症
統合失調症は精神疾患の一種で、脳の様々な働きをまとめることが難しくなる病気です。
幻覚や妄想などの症状が特徴的ですが、気分や行動にそうした影響が及ぶので、日常生活が困難になってしまいます。
特に人間関係においては、相手との会話が幻聴や妄想で自分への悪口に聞こえてしまったりするので、コミュニケーションを取るのがとても難しい病気です。
統合失調症は境界性パーソナリティ障害と違い、環境によって発症することはあっても、元々の病気の原因は脳機能の障害であることがわかっています。
そのため、適切な治療を受けることで症状を改善して社会生活を送っていくこともできます。
うつ病
通常のうつ病も人間関係の形成には妨げとなりますが、特に今注目されているのは「新型うつ病」と呼ばれる病気です。
新型うつ病とは、通常のうつ病とは違って、自分にとってストレスを感じない場所でなら元気に過ごすことができます。
しかし、職場や学校などのストレスを感じる場所ではうつ病のような症状が出てしまいます。
決して仕事をさぼっているわけではないのですが、周囲から誤解を受けてしまうことも多く、人間関係が上手くいきません。
人間関係が上手くいかない人の特徴
人間関係が上手くいかない人は、その人の性質や性格に問題がある場合もありますが、病気による症状が原因の場合もありました。
いずれにしても、人間関係が上手くいかない人はそうなってしまう特徴を持っているようです。
素直すぎる
もちろん「素直である」ということは良いことです。
しかし、あまりに素直すぎて相手から言われたことを全て言葉通りに受け取ってしまっていては人間関係はうまくいきません。
プライベートな人間関係であれば相手の言葉の裏を読み取る必要はあまりないかも知れませんが、職場や学校ではそういうわけにいきません。
例えば、職場で先輩に「デスクが汚れてるね」と言われたとします。
その時に素直すぎる人は、汚れているという事実だけを受け取り「あぁそうですね~」と言って済ませてしまいます。
本当は、先輩から「汚れているから片付けするように」と注意されたのに、その真意をくみ取ることができないのです。
こうしたことは、相手との関係性によってはトラブルのもとになります。
ですから、あまりにも素直すぎると、人間関係が上手くいかなくなることもあるのです。
臆病になり過ぎる
一方、相手の言葉の裏を読み過ぎてしまうと良くありません。
相手が何を考えているのか考えすぎると、相手に対して臆病になり過ぎてしまい、それが言動や行動にも現れます。
そうしたビクビクした態度は相手にとって気持ちの良い態度ではありません。
人間関係に臆病になり過ぎてしまうと、誰とも親しくなれずに孤立していってしまうのです。
被害者意識が強い
このように臆病になり過ぎていることで強まってくる心理が「被害者意識」です。
いつも相手の言葉の裏を読んだり、人の顔色を伺ってしまうと、人を信じることができなくなってしまいます。
人を信じることができないと、相手が自分に対して行った言動や行動を全てネガティブな意味で受け取ってしまうため、「被害者意識」が強くなってしまいます。
「どうせ私なんて…」と、いつも考えていたりはしませんか?
そうした思考がある人は、被害者意識が強い傾向を持っているので注意が必要です。
八方美人
素直すぎても、臆病すぎても、人間関係が上手くいかない…そう悩んでいる人の多くが持っている意識として「誰とでもうまくやろうとする」意識があります。
それはつまり、「八方美人」ということです。
人間関係をうまくしたい意識が強過ぎるあまりに、自分が人から嫌われないように振る舞ってしまうのです。
こうした意識が強いと、当然ですが、誰に対しても「良い顔」をしようとします。
しかし、誰に対しても良い顔をしてしまうと、いずれ「あちらを立てればこちらが立たぬ」状態に陥ってしまうため、周囲のトラブルに巻き込まれてしまい、その主犯格として嫌われてしまいます。
誰にでも良い顔をするあまりに意見がコロコロ変わるようでは、周囲の人たちから信頼されるはずもありません。
人間関係を上手くいくようにしたいのであれば、相手と信頼関係を築くことは必須です。
人の話を聞かない
人間関係が上手くいかない人の多くがそのように自分のことばかり話して人の話を聞きません。
人と会話する時に、その内容がいつも自分にとって興味のある話ばかりとは限りません。興味がなくても、我慢して聞かなければいけない時もあります。
それは相手も同じこと。
あなたの話に興味がないのに聞いてくれている場合もあるのです。
しかし、そんな背景があることも気にしないまま、自分の話ばかりしていたら、相手はあなたのことをどのように見るでしょうか?
「人の話を聞かない」人として嫌な印象を持ってしまうでしょう。
人間関係というのは、すべてにおいて「お互いさま」です。
自分の話を聞いてもらったら相手の話を聞く、そうやって信頼関係を築いていかないと人間関係は上手くいかなくなります。
第一印象で人を判断する
人間関係において「第一印象」は、大きな要素を持っています。
人間の心理には「ハロー効果」と呼ばれる心理現象があり、第一印象で受けたイメージがその後もその人のイメージとして印象づいていくものだからです。
ですから、人は誰でも最初に出会った時の数秒で、その人を判断して「付き合いやすそう」とか「付き合いにくそう」というイメージを抱きます。
人間関係が上手くいかない人というのは、このハロー効果が強く働く傾向にあります。
ほとんどの人を「付き合いにくそう」と判断してしますのです。
第一印象があまり良くない人でも少し良い部分を探すようにしないと、人間関係が上手くいくようにはなれません。
他人を見下している
人間関係が上手くいかない人の中には、自分の意見や考えが絶対に正しいと思い込んでいる人もいます。
そうした人は自分の意見に絶対的な自信があるので、他人の意見を全く取り入れようとしません。
そればかりか自分より他人が劣っていると思い、他人を見下している傾向にあります。
あなたが相手を見下していた場合、そうした考えは必ず態度に現れます。
傲慢なあなたの態度に、相手は嫌な気持ちを抱いてしまい、より人間関係を悪化させてしまいます。
人間関係が上手くいくようにしたければ、他人を見下さずに尊重する気持ちを持つことが大切です。
諦めている
ここまで様々な特徴をあげてきましたが、そもそも「諦めている」人もいます。
もちろん、人間関係だけでなく何事においても言えることですが、人間というのは一度何かに対して苦手意識を抱いてしまうと、それを解消するのはとても難しいことです。
過去の経験から自信を無くしてしまった人は、人間関係を築くことも「どうせ私には無理だ」と諦めてしまいます。
諦めてしまっていては、いつまでたっても人間関係が上手くいくことはありません。
本当に人間関係が上手くいくようになりたいと思っているのであれば、まず何よりも「諦めない気持ち」が必要です。
人間関係が上手くいかない人の心理
ここまでは、人間関係が上手くいかない原因や、そうした人が持つ特徴などについてお伝えしてきました。
原因や特徴から見てもわかるように、人間関係が上手くいかない人というのは大きく分けて2つの心理を持っています。
ここからは、人間関係が上手くいかない人が抱えている心理について、2つの心理的側面から改善方法を考えていきたいと思います。
人間関係が上手くいかない人の心理とは?
人間関係が上手くいかない人に関係する心理というのは「自信」です。
その人が自分のことをどのように認識しているかによって、自分をどのくらい信じられているか、そして自分をどのくらい認められているかが変わってきます。
人間関係が上手くいかない人は、極端に自信があり過ぎるか、反対に極端に自信が無さ過ぎるか、この2つのどちらかであることが多いです。
自分に自信があり過ぎる人は、相手の話を聞かずに自分の意見ばかりを押し通してしまい、相手のことを自分より劣っていると見下してしまうために人間関係が上手くいきません。
また反対に、自信が無さ過ぎる人は、常に人の顔色を伺ってしまい、臆病な態度で人に接するので良好な人間関係を築くことができません。
もしあなたが人間関係が上手くいかずに悩んでいるのであれば、この「自信」に関わる2つの心理をきちんと理解して、どういう考え方をすれば人間関係が上手くいくのかを理解して実践していく必要があります。
人間関係が上手くいくような心理に変える!
自信があり過ぎるばかりに人間関係が上手くいかない人は「自尊心」が高い人、いわゆるプライドが高い人です。
しかし、その裏には弱い自分を隠すために虚勢を張って自分の心を守る「自己防衛」という心理が働いている場合が多々あります。
また、自信が無さ過ぎる人は、自分を認める気持ちである「自己肯定感」や「プライド」が低いため、自分の心がこれ以上傷つかないように、人と関わることを避ける傾向にあります。これもまた、心理的「自己防衛」の働きによるものです。
人間関係が上手くいくような心理に変えていくためには、この「自己防衛」の心理が過剰に働かないようにバランスを取っていく必要があります。
そのためには、誰もが持っている「自信」という心理をできるだけポジティブに、そして偏り過ぎないイメージに変えていかなくてはなりません。
自信のバランスを上手に取っていくには、自分に対するセルフイメージをポジティブにしていくのが一番の近道です。
セルフイメージは、自分の過去の経験から形成されていきます。
例えば、「親子関係のトラウマ」を抱えている場合、セルフイメージはどうしてもネガティブに偏りがちになります。
「自分は親から愛されていない」と認識しているために、自分を信じることができないのです。
そのため、虚勢を張り過ぎてプライド高くなってしまったり、反対に自信が無さ過ぎてネガティブなことばかり言ってしまいます。
人間関係が上手くいくようにしたいのであれば、そうしたセルフイメージを変えて、自分に対して少しでも自信を持てるような心理に変えていきましょう。
自分が何か物事をやり遂げた時には、自分で自分にご褒美をあげるようにすると、少しずつ心理的にもセルフイメージが変わっていきます。
この機会に、自分の心をしっかり見つめてみてください。
人間関係が上手くいかない時の対処法
人間関係が上手くいかない人というのは自分に自信がない人が多く、そんな自分の心を守るために行ってしまう言動や行動のために人間関係が上手くいかなくなってしまっています。
そんな自分を変えるには、心理的なセルフイメージを変えていくとともに、これからお伝えする対処法を試してみてください。
人間関係を上手く形成していくためには、色々なステップを経ていく必要がありますし、それなりにテクニックやコツもあります。
ここでは、そうしたテクニックや対処法を学んでいきましょう。
人をよく観察してみる
人間関係が上手くいかない人ほど、人とコミュニケーションを取ることに対して苦手意識を抱いています。
そうした苦手意識の多くは過去の経験から来ているので、過去の経験が少しでも払拭できれば、人間関係も上手く築いていくことができます。
まず、人と対峙した時にその相手をよく観察してみましょう。
その人は、本当に過去にあなたが経験したように「あなたを傷つける人」でしょうか?
相手をよく観察してみれば、その人がどんな人なのか、少しかもしれませんが見えてくるものです。
その上で、その人と関わるのか、やはり関わらないのか、を決めれば良いのです。
大切なのは、あなたが人と関わることから逃げずに向き合ったということ。
人間関係に苦手意識を持っている自分を認めて、それでも逃げずに向き合うことができれば、それがあなたの自信につながっていきます。
そのためにも、新しい出会いがあった時には相手をよく観察するように努めてみてください。
心を開く努力をする
相手をしっかり観察することができたら、次は相手に対して自分の心を開くように努力してみましょう。
人間関係が上手くいかない人ほど相手に対して心を開くことができません。
あなたが心を開いて相手と接していかないと、それは態度や言葉に現れてきます。
そうなってしまうと、どうしても表面的でよそよそしい態度になってしまい、人間関係を築いていくことはできません。
もちろん、相手もあなたに対して心を開く必要はあります。
しかし、あなたからそれを相手に言って心を開いてもらう…なんてことは人間関係が築けていない段階では不可能です。
相手に心を開いて欲しいと思うのであれば、まずは自分が気持ちを変えて、相手に対して心を開く努力をしましょう。
人の話に耳を傾ける
人間関係が上手くいかない人の特徴として多く見られるのは「人の話を聞かない」というものでした。
やはり、どんなに気持ちを切り替えていても、自分の話ばかりをして相手の話を聞かないというのは良くありません。
相手に心を開いて欲しいと思うのであれば尚更です。
もしあなたが自分の話を聞いてくれる人に出会ったら、その人は自分に心を開いてくれたと感じるのではないでしょうか?
それくらい「人の話に耳を傾ける」ということは人間関係の形成をする上で大切なことなのです。
心理学の世界で、人間関係の中で信頼を築くことを「ラポール」といいますが、そのラポール形成の過程で絶対に必要なことが、この「人の話に耳を傾ける=傾聴」です。
ですから、良好な人間関係を築くためには人の話に耳を傾けるように努めていきましょう。
何事も決めつけない
人の話に耳を傾けることができても、自分の価値観ばかりで判断して相手のことを決めつけてしまっていては人間関係が上手くいくはずもありません。
人間関係が上手くいかない特徴や原因として「自分の意見ばかり通そうとする」というものがありましたが、それが正にそうなのです。
人の話を聞いた時には、どんな内容でも自分の価値観で相手を決めつけないようにしていきましょう。
世の中は自分一人の世界ではありません。
何でも自分の価値観でばかり判断せず、柔軟な考えを持つように心掛けていきましょう。
他人との価値観の違いを認める
世の中は自分一人の価値観だけが正しい世界ではありません。
特に、会社員として生活していく中では周囲の人たちの価値観も一つの意見として認めていかなくては成り立ちません。
ですから、自分の価値観ばかりを相手に押し付けるのではなく、他人との価値観の違いを認める努力をしていきましょう。
価値観は、過去の経験や育った環境などによって形成されるものなので、一人一人違って当然です。
「お互い様」だと思うように心がける
人の話を聞かなかったり、自分の価値観を押し付けてしまう行為は、自分のことしか考えられていないと相手に受け取られます。
また、反対に臆病すぎて人の顔色ばかり伺う行為も、自分を守ることばかり考えていると思われてしまうでしょう。
人間関係は「お互いさま」の関係で成り立っています。
自分が話を聞いてもらったら相手の話を聞く。
相手が心を開いてくれなくても、自分が心を開けば相手も心を開く。
それが「お互いさま」の精神です。
そうした精神を常に心がけておけば、あなたが人間関係を築く上で自分のことばかり優先せずにいられるでしょう。
そうすればきっと、人間関係も上手くいくようになるはずです。
ネガティブからポジティブに!
人間関係が上手くいかない人が抱えている共通の問題は「自信」です。
自信があり過ぎても良くありませんが、自信が無さ過ぎると更に良くありません。
何を言われても、どんな人に出会っても、自分に自信が無い人は全てをネガティブに受け取ってしまいます。
また、ネガティブな思考の人は自分の心に相手を思いやる余裕がないので、人間関係を築いていくことも難しいです。
人間関係が上手くいくようになりたい人は、思考をできるだけネガティブからポジティブに切り替えていく必要があります。
いつもポジティブな考え方を心掛けていれば、相手からどんな対応をされても前向きな気持ちで受け止めていくことができるでしょう。
そうした思考が心の余裕となり、人間関係をスムーズにしてくれます。
自分を好きになる
更に、自分に自信が無い人は「自分のことが嫌い」だと思って生きています。
そんな人は、自分が嫌いなので自分のことを大切にする必要がありません。
自分を大切にできないのに、他人を大切にすることなどできませんし、また「大切にしたい」と思っても、その術がわからないはずです。
ですから、人間関係をスムーズに築いていきたいなら、まずは自分を好きになることから始めていきましょう。
人とコミュニケーションを取る時には相手を思いやることが大切ではありますが、そのためにはまず自分を思いやれないといけません。
人間関係を劇的に改善する実践方法
このように見ていくと、人間関係が上手くいくための方法は、自分に自信を持つことと相手の価値観を認めることが不可欠だということがわかります。
そこで最後に、先程までお伝えした方法と並行して実践すると効果的な方法をお伝えします。
他人との価値観の違いを理解した上でコミュニケーション力を高めていけば、人間関係が劇的に改善していくことをご存知でしょうか?
ここでは、その考え方と実践方法についてお伝えしていきます。
人の価値観の違いとは?
人間関係が上手くいかない原因に「価値観の違い」というものがありました。
価値観の形成には、過去の経験と育った環境が大きく影響しています。
ですから、価値観というのは一人一人違って当たり前のものです。
しかし、その価値観の違いが理解できずに自分の意見を押し付けてしまったり、自分に自信が無いがゆえに歪んだ価値観を持ってしまっていると、人間関係が上手くいきません。
そもそも、人が持つ価値観というのは大きく分けて下記の5つあります。
- 知性(能力)
- 社会(地位)
- 経済力(お金)
- 家族
- 身体
これらの価値観のどれが一番高いのかは、人それぞれ違います。
ですが、人間関係が上手くいかない人は誰もが自分と同じ価値観で物事を見ていると思い込む傾向があり、自分の価値観に合わない人を攻撃したり避けたりしてしまいます。
そうした価値観の違いを認めて尊重し、その上で相手とコミュニケーションが取れるようになれば、人間関係が劇的に改善します。
そのためには、まず「自分と相手との価値観の違い」を理解して、それを認めるように努めていきましょう。
5つのコミュニケーション力改善方法
価値観の違いを認めることができたら、コミュニケーション力を改善していく準備は完了です。
もし今あなたが人間関係が上手くいかない相手がいて悩んでいるとしたら、ここでお伝えする改善方法をぜひ試してみてください。
人間関係が上手くいっていない人を紙に書きだす。
まずは、あなたが人間関係で上手くいっていないと感じる相手を紙に書き出してください。
「紙に書き出す」という行動によって、物事を客観視することができます。
自分が今、どんな人との人間関係で悩んでいるかを客観視することで、冷静にその相手との関係について考えていくことができるのです。
その相手が何に一番高く価値観を置いているのかを知る
次に、紙に書き出した相手が先程お伝えした「5つの価値観」のどれに一番高く価値観を置いているのかを考えてみましょう。
例えば、あなたが苦手だった上司を紙に書いているとします。
その人があなたに対していつも残業を強要するような上司だったとしたら、その人は「経済」や「お金」に一番高く価値観を置いていることがわかるでしょう。
また反対に、いつも仕事を定時で帰るような上司であれば、その人は「家族」に一番高い価値観を置いているのかもしれません。
その人がどんなことを一番大切にしているのかがわかれば、どのようにコミュニケーションを取っていけば良いかがわかってきます。
そのためには、相手の価値観を知ることがとても大切なのです。
その相手に求める行動と価値観をすり合わせていく
相手がどんなことに一番高く価値観を置いているかがわかったら、まずそのことを認めてあげましょう。
人間関係が上手くいくようにするためには、相手の価値観を変えることではなく認めることが不可欠です。
だからといって、あなたが相手の価値観に合わせて自分の価値観を変える必要はありません。
大切なのは、あなたが相手に「どんな行動を求めているか? 」ということです。
その行動と相手の価値観をすり合わせていけば、人間関係でトラブルを起こさずに済みます。
例えば、先程述べた残業を強要する上司に、あなたは残業強要を止めてほしいと願っているとします。
その時に、自分の価値観で意見を述べても相手は理解してくれないでしょう。
ですが、経済やお金が一番だと思っている上司に「残業代が余計にかかる」ということを伝えてみてください。
そうすれば、相手にとってはお金が大切なので、お金が無駄になる残業を強要することは止めるべきかも? と少なくとも検討してくれることでしょう。
ポイントは「相手の価値観に沿って説明する」という部分です。ぜひ試してみてください。
相手に感謝をする
相手を説得することができたら、必ず感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
相手の価値観に沿って説明したのでしょうが、相手もあなたの気持ちを汲み取って考えを合わせてくれたのです。
そのことを感謝し、感謝の気持ちを伝えることで、更に良好な人間関係を長続きさせていくことができます。
相手の価値観に沿って説明していくということは「相手は変えられないけど、自分が変わることで相手も変わってくれる」ということの証拠です。
そうしたことに感謝をすれば、相手もあなたのことを認めてくれるはずです。
人を裁かない
相手に感謝することまでできるようになったら、この人間関係の築き方を習慣化しましょう。
習慣化するために必要な行動は、決してあなた自身が「人を裁かない」ということです。
先程も述べていますが、価値観というのは一人一人違うのですから、他人を自分の価値観で決めつけたり、裁いたりしてはいけません。
誰とでも良好な人間関係を築いていくために一番必要なことです。
まとめ
「人間関係が上手くいかない原因は、他人にあるのではなく、自分の心の中にある」
「相手は変えられないけど、自分が変わることで相手も変えられる」
人間関係が上手くいくようになりたいと思っている人は、ぜひこのことを覚えておいてください。
自分に自信が持てなかったり、自分のことばかり考えてしまったり、自分の気持ちというものを持て余しているうちは、なかなか人間関係が上手くいきません。
この機会に自分の気持ちをポジティブに切り替えて、お伝えした改善方法でコミュニケーション力を身につけていってみてくださいね。