道ならぬ恋の行く末は、幸福でないことが多い。
そんなこと、賢明なあなたならすでにご存じですね?
でも不倫を止めることができない。
自分の気持ちのコントロールは時に非常に難しいものです。不倫を止めたいけど、奥様への嫉妬が執着を呼び、どうにもならない…。
もちろんそんな状態のまま関係を続けていくこともできますよね? 本当のところ、あなたはどう考えておられるのでしょうか?
本当に不倫を止める! それがあなたの本音ならば、この記事はきっとお役に立つことでしょう。
嫉妬が起きるカラクリをお伝えしていきます。
肩書き
奥様がいるのに、あなたを愛してくれた彼という人。
夫婦という法的にも世間的にも認められた奥様がいるのに、あなたと背徳の罪を背負ってくれています。
そうまでして、あなたを選んでくれている…この想いはあなたを舞い上がらせますね。同時に、あなたの恋人でありつつ同時に『夫』という肩書のある彼に複雑な思いも抱くでしょう。そう、『夫』がいれば『妻』がいるのですから。
あなたよりも強く彼と結びつく『妻』。
あなた自身の独占欲と合わさり、その肩書きそのものへの嫉妬も生まれます。
『そんな肩書なんて。私たちは純粋な愛で結ばれているのよ。』そのひたむきさに酔うことで、また気持ちは盛り上がります。そして、ちょっと彼ともめればまた『妻』という肩書に嫉妬する…そんなカラクリがここにあるのです。
嫉妬は暴走トラック
彼を好きなら、あるいは彼との関係を保持したいなら、嫉妬は付いて回るもの。
この嫉妬という気持ちは、まるで暴走トラックです。ただ押し殺して我慢していると、持ち主までも振り回す妬みや恨みになってしまうのです。
宇都宮大学教育学部准教授の心理学者・澤田匡人先生によると、妬みは、『人が持っているものを奪いたい! 』という感情、嫉妬は、『自分が持っているものを人に取られてしまうかもしれない』という不安の感情を指すのだそうです。
不倫の場合、自分のものであって自分のものでない彼の存在は、まさに奪いたいものでありながら、失うかもしれない不安なものでもあるわけです。
この状態がいかに苦しく危険なことはおわかりでしょう。
嫉妬がおきるカラクリ
なぜ嫉妬が起きるのか?
心理学的に考えると、嫉妬が起きる根本には、『自信の無さ』があります。あなたがあなたを信じてあげる力です。
ほぼ同時に作用するのが『不安』。『認めてほしい』『安心させてほしい』という気持ちです。
人には誰でも『承認の欲求』というものがあります。
心理学者アブラハム・マズローは、人間の基本的欲求を下から順に、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求の5段階に分類しました。
その中でも『承認の欲求』は、他と違う満たされ方をします。自分で自分を認める自己承認という力で満たされない分を周りに求める(他者承認)のです。
思い当りませんか? 彼との関係性。
彼は、自信の足りないあなたを選んでくれました。あなたは女性として自信がつきました。一緒にいることで、あなたを安心させ認めてくれています。
そして同時に、彼はあなたを妻としないことを選んでいます。このことによってあなたは自信を失い、不安になります。
これはまるでコインの裏表。不倫を続ける限り、あなたが嫉妬心から逃れられないのは当たり前なのです。
比較すること
心理カウンセラー原裕輝先生によると
『嫉妬』という感情は、自分の価値を誰か他の人を基準として比べて計ろうとした時、『負け』を感じておこる感情
なのだそうです。
つまり、あなたが奥様に嫉妬しているということは、すでに奥様に『負け』を感じているのだと考えられます。
また、古今東西、女性は、自分より性的魅力のある女性に嫉妬を抱くのだとか。
自分には持っていない妻の座は、それだけで『魅力』と考えてしまっても仕方ないですね。
情報を知りすぎてしまう事は危険
具体的な心理状態を考えると、大好きな彼の奥様というのは、あなたにとって何かと興味の対象になるのは仕方のない事ですね。
彼がどんな人を選んでいるのか、つい奥様情報を知りたくなるものです。容姿、髪型、趣味、性格、馴れ初め、結婚に至ったエピソード等など。
一方、彼からすると、奥様や家庭の情報は漏らさないようにと思っていても、女性に探られるとついつい話してしまうもののようです。
ところが、これがあなたにとっては、大きな落とし穴となります。
奥様の情報を得て、安心する面もありますが、彼とギクシャクするとこの奥様情報や家庭情報がふと頭をよぎってしまうからです。持っている情報がリアルであればある程、あなたは頭の中で妄想をふくらまし、前項で上げた『比較』を始めてしまいます。
こうなると、嫉妬はあなたの中で嵐になって、あなたを操り始めてしまうのです。
家族の情報も危険
奥様だけでなく、ご自宅の情報や子どもたちの情報も危険です。
お家周りの様子や、お家の中の間取り、子どもたちの性別や年齢、今興味を持っていること。情報が具体的になればなるほど、あなたは手に取るようにそれらの様子を思い浮かべることができるようになります。
彼が家庭にいる時、当然あなたは彼と会っていません。
あなたは、家庭にいる彼と奥様や子どもたちとのやり取りや風景を、得た情報を元にどんどん妄想していきます。そして、次に彼に会った時に妄想通りかどうか聞いてしまう。聞き出した情報が、その次の妄想タイムに拍車をかけていくのです。
たとえ彼が本気で、
『カミさんは、ブスでセンスがなくて、優しくない。最低なやつだよ。』
『家族といる時間はつまらない。』
と言ったとしても、嫉妬に苦しむあなたには、調子の良い嘘にしか聞こえなくなっていくのです。
このマイナスの連鎖は、誰かが傷つくか、不倫という関係を断ち切らない限りは止まらずに拡大していくことでしょう。
それでもあなたは、この不倫、続けますか?
まとめ
いかがでしたか?
現在の結婚という仕組みに否定的な人たちがいるのは、ご存じの通りです。一夫一婦制は、男女の生理と合致していないのだからナンセンスだということですね。
でも、今の日本の現実社会では、結婚はルールです。それも事実ですね。
それをわかった上で始まった不倫。
大人同士の選択です。互いが幸せな気持ちを持てる時間なら、それもありでしょう。
それでも、それがもしあなたの幸せを遠ざけているのであれば、いったん冷静に考え直して見るのは、大切なことではないでしょうか?
あなたを幸せにできるのは、あなたしかいないのですから。