仕事・学業・趣味・スポーツといった様々な分野において、真面目にやっているのだけれども、ここ一番勝負をかけなければいけないときに、メンタルが弱くて実力を発揮できないことがあります。
自分のメンタルの弱さに嫌気がさして、メンタルを強くしたいと願う方も世の中には多くいらっしゃいます。
そんなあなたのために、今回の記事においては学問的経験的裏づけのあるメンタルの弱さを克服するための５つのステップを紹介します。
幸福否定の心理を解消する
医療法人社団松井病院等で心理療法を行っていた笠原敏夫さんによれば、人間には幸福否定の心理があると言います。
成功すること自体が未知なものすぎて怖い。失敗し続けているひとにとっては成功するということは異常事態になってしまいます。
心の奥底の異常事態を避けるべく失敗したいと思っている状態では、あなたが成功したいと心の表面でいくら強く願っていても、あなたの身体は無意識に失敗する方向へ動いてしまいます。
失敗を続けているひとのメンタル強化の第一歩は、まず、幸福否定の心理を解消することです。
失敗慣れしている状況を打ち破るべく、これならば成功できるといった適切な自己目標の設定を心掛けることです。
様々な角度から基本を学ぶ
人間に限らず、多くの知性のある動物は、未知のものに対して、本能的に不安と恐怖を抱きます。
ただ、初めて目にするものであっても、基本の組み合わせとして理解できることも実に多いのです。
剣術の小野派一刀流には「一刀即万刀、万刀即一刀」という言葉があります。基本さえしっかり固めていれば様々な状況に対応できるし、本当の基本を身につけるためには様々な角度から学ぶ必要があるということです。
貪欲に多くの他分野も研究してしっかりとした基本の術理を身につけていれば、実践の場において「わからない」という恐怖を感じる場面が少なくなります。
また、多くの「だまし手」に通じるようになれば、人間と言う生き物が簡単で手軽なトリックにだまされて無力化されることも多いことに気がつきます。
その気づきは、不利な状況でも相手を無力化するチャンスをあきらめないという種類のメンタルの強さにつながっていきます。
愛するひとを持つ
未知のものに対する恐怖は、動物の生存本能からくるものですが、それに打ち克つ方法は一つあります。
それは自分の愛する他者、守るべき他者を持つことです。
群れをなして生きる社会的動物には、家族や自分の群れの仲間のために、自分の生命を盾にする利他的遺伝子が組み込まれていると言われます。
利己的遺伝子の生存本能に打ち克つことができるのは、利他的遺伝子による愛するひとを守りたいと言う本能です。
平家物語の頃から、昔の武士が自分の死を覚悟して不利な戦場にとどまって生命を散らしていったという話は数多くあります。
濃厚な人間関係がいったんできてしまうと、利他的遺伝子からくる本能的な命令によって、逃げられなくなってしまうのです。
自分以外に守るものを持たない虎の強さと群れの仲間を守る獅子の強さがあるという話もありますが、未知のものに打ち克つという種類のメンタルの強さに関しては、守るべき相手がいる獅子の方が上回るのです。
不利な状況を跳ね返して勝つ
「君はやればできる」のように、他人からのポジティブな方向の言語的説得があれば、自分の能力を信じる自己効力感が生まれることはよく知られています。
逆に、「どうせ無理だ」のように、他人からのネガティブな方向の言語的説得があれば、自分の能力が信じられなくなってしまいます。
不利と周囲から言われる勝負に挑戦して何とか勝ち残るという成功体験を収めることができれば、他人からのネガティブな方向の言語的説得を気にしないメンタルの強さを身につけることができるでしょう。
自分の臆病さを受け入れる
時間をかけて真摯に知識・技術を蓄積し、十分な実力を持ち、誰もが不可能というような状況でも勝つといった経験をしたとしても、「次は駄目ではないか」という恐怖を振り払えず、自分の臆病さに悩む方もいらっしゃるでしょう。
でも、臆病であるということは、決して、恥ずかしいことではありません。
状況の変化・相手の様子に敏感になれるというのは、野生動物が遠くの敵を察知することができるのと同じように、それは生きるために有用な能力です。
生きていたいから、あなたが現在に生きている世界を愛しているから、あなたは臆病になることができるのです。
臆病であるということは、失いたくないほど愛するものを多く持っているのだ、と『意味のリフレーミング』をし、自分の臆病さを受け入れましょう。
それができれば、あなたのメンタルの安定性は一段と高まります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
仕事・学業・趣味・スポーツといった多くの分野で、メンタルの強さが問われる場面というのが発生します。そんな場面で、この記事の内容を少しでもあなたのお役にたてていただければ幸いです。
