あなたは、怖い夢を見てうなされたり、夜中に驚いて飛び起きてしまう…なんて経験をしたことがありませんか?
一般的に、怖い夢というのは子どもが見るものと誤解されがちですが、実際は大人でも繰り返し怖い夢を見ることがあります。
怖い夢にうなされて目が覚めると当然気持ちはネガティブになりますし、そこから再び眠りにつこうとしても、また怖い夢を見るのではないかという不安で眠れないことが多いでしょう。
ですから、朝の目覚めをスッキリと気持ち良いものにするためにも、怖い夢はできるだけ見たくないものです。
そこで今回は、怖い夢を見ない方法をたくさんお伝えしていきます。
怖い夢を見る原因やその深層心理を探っていき、それを根拠に考えられた対処法です。
そのため、当てはまる原因に対応した方法を試すことできっと効果が得られるでしょう。
あなたに合った方法を見つけて、今夜から怖い夢から卒業しましょう!
怖い夢を見る原因とは?
あなたが友達に「怖い夢を見た」と相談したら、多くの場合「それはストレスがたまっているせいじゃない? 」なんて言われたりします。
それは本当にその通りで、怖い夢を見る原因の一つとして考えられているのが「精神的なストレス」です。
ですが、現代社会で見た場合、多くの人が様々な形でストレスを抱えて生活していますが、ストレスを抱えている人すべてが怖い夢を見ているわけではありません。
この違いはどこにあるのでしょうか?
怖い夢を見る原因を、身体的な原因、精神的な原因、深層心理の角度から探っていきます。
身体的な原因
体調不良によるだるさや症状
体調が悪くて、だるさや他の不快な症状を感じている時には、怖い夢を見てしまう事が多いようです。
体調不良の時に怖い夢を見ることが多い人は、体調の悪さを無視しがちな人が多い傾向にあります。
そして、発熱を伴うような体調不良の場合には、より怖い夢を見やすくなるようです。
また、風邪や花粉症などで鼻づまりの症状がある人は、「溺れる夢」や「首を絞められる夢」を見るケースが多いと言われています。
つまり、現実にある体調不良の症状が夢となって表れるという事ですね。
ですから、体調が悪い時には決して無理をせず、薬を飲んでゆっくり休むなどの対応を取るようにしましょう。
ホルモンバランスの変化
これは特に女性に多いのですが、急激なホルモンバランスの変化により、体調が大きく変化した時に怖い夢を見ることがあるようです。
これもまた、先程と同じように体調不良が夢になって表れるケースです。
中でも、ホルモンバランスが大きく変化する思春期や妊娠中の女性にこのケースが多く、それはおそらく身体の変化に対する不安やイライラした気持ちがより強い時期だからだと考えられます。
原因が把握できれば、不安を起因とした怖い夢を見ることはなくなります。
ホルモンバランスの変化については、生理周期を把握することで気づくことができますので、その変化を意識するだけでもずいぶん変わってきます。
お酒の飲み過ぎ(暴飲暴食)
夜寝つきが悪い人がよく行う「寝酒」という行為。
実は、この「寝る直前の飲酒」も、怖い夢を見てしまう原因だと考えられています。
お酒を飲み過ぎてから眠ると、睡眠リズムである「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のバランスが崩れてしまうため、怖い夢を見やすくなるのです。
アルコールには寝つきを良くする効果があるのは事実ですが、時間が経つと脳を刺激して覚醒させてしまう効果があります。
その影響で、脳がしっかりと休息する「ノンレム睡眠」に入っていくことができず、脳が混乱してしまい、結果として怖い夢を見てしまうのです。
ですから、寝る直前の飲酒はなるべく控え、お酒を飲み過ぎないように心がけましょう。
また、お酒と同じように寝る直前まで食べる行為も、胃腸に負担がかかり、その負担から怖い夢を見てしまうこともあるようです。
怖い夢を見ないようにするためには、暴飲暴食を慎むことが大切という事ですね。
生活習慣の乱れ
現代人はとても多忙なため、どうしても不規則な生活になりがちです。
そんな不規則な生活を長く続けていると「眠りの質」が悪くなるため、怖い夢を見やすくなります。
先程もお伝えしたように、寝る直前まで飲食して栄養バランスが偏った食生活を送っていると、胃腸に負担がかかるため怖い夢を見てしまうことがあります。
また、眠りにつく直前までスマホやパソコン・テレビを見るのも良くありません。
スマホやパソコンの画面から発せられる光が脳を覚醒させるため、睡眠リズムが乱れて怖い夢を見てしまうのです。
そもそも夜遅くまでスマホやパソコンを見ること自体、睡眠不足にもつながります。
このような生活習慣の乱れは、怖い夢を見てしまう原因の一つです。
怖い夢を見ないようにしたいのであれば、この機会に生活習慣を改めるよう心がけていきましょう。
就寝姿勢や寝具・寝室環境
実は、就寝姿勢や寝具・寝室の環境にも怖い夢を見る原因が隠されています。
夢というのは、眠っている間に現実で起こっていることを夢に反映してしまうことがあります。
ですから、毎日眠っている寝具や寝室の環境が悪かったり、変な姿勢で寝てしまっていると、それだけで怖い夢を見てしまうことがあるのです。
例えば、寝具があまりにも重いと「胸の上に幽霊が乗っている夢」を見たり、うつ伏せ寝で息苦しさを感じていると「溺れる夢」を見たりします。
あまりにも毎日怖い夢ばかり見てしまうようなら、まずは寝室の環境を見直してみることから始めても良いかも知れませんね。
精神的・心理的な原因
毎日のストレス
冒頭で少し触れましたが…やはり何といっても「毎日のストレス」は怖い夢を見る最大の原因だと言っても過言ではありません。
ですが、なぜストレスを感じるという状況が同じであるにも関わらず、怖い夢を見てしまう人とそうではない人に別れるのでしょうか?
私たちの脳は、私たちが眠りについて意識がない時にも活動を続け、日中活動した時に受けた不安やストレスを解消しようとします。
実は、この働きが「怖い夢」の正体です。
脳は、起きている時の不安やストレスの要素を夢に持ち込み、追体験をさせることでストレスを解消しようとしてくれているのです。
こうしたストレスの原因に自覚があり、自分の中でもしっかり折り合いがついている人はあまり怖い夢を見ません。
しかし、自分でも気づかないうちにストレスを受けていたり、原因の分からない漠然とした不安を抱えていると、精神的に不安定な状態になるため怖い夢を見てしまうのです。
ですから、まずは、「ストレスや不安の原因をきちんと自覚できるまで明らかにする」ことをしてください。
その上で、自分に合った方法で適度にストレスを解消するようにしましょう。
そうすれば、きっと怖い夢を見ないようになっていきます。
現代社会は「ストレス社会」ですから、毎日のストレスときちんと向き合うことが、怖い夢を見ないようにするために大切なことなのです。
潜在意識からのメッセージ
夢というものは、私たちが普段意識していない「潜在意識」が見せているものでもあります。
つまり、潜在意識からの私たちへのメッセージが「夢」であるとも言えます。
ですから、怖い夢というのは、潜在意識が必要性を感じて、自分のために見せてくれているものかもしれません。
そういった観点での考え方から来たのが「予知夢」や「警告夢」というものです。
つまり、夢の主であるあなたがこのままの生活を送っていると「これから悪いことが起こるかもしれない」というメッセージを、潜在意識が怖い夢を通じて送ってきてくれているのです。
もしそうなら、「怖い夢」だからといって気にしないで、完全スルーしてしまうのは、あまり良くないことかもしれません。
あまりにも繰り返し怖い夢を見続けるような時には、そこに何らかのメッセージが隠されてると疑ってみてください。
単純に「怖い夢」として片づけるのではなく、なぜそのような夢を見たのかを解析してみましょう。
怖い夢を見る時の深層心理とは?
このように、怖い夢と一概に片付けてしまうのではなくその原因を探ることで、自分自身や自分の身の回りでどんな変化があるのかに気付くこともできます。
先程も述べたように、夢というのは日頃は意識することのない潜在意識が見せているものだと考えられているので、その深層心理には何らかのメッセージが隠されていることがあります。
身体的な原因にも当てはまらず、精神的な原因にも心当たりがない時には、ぜひ深層心理に目を向けてみてください。
その際、あなたが見た怖い夢にどんな意味が込められているのか、具体的な解釈の仕方を教えてくれるのが、「夢診断」「夢占い」と呼ばれるものです。
夢診断や夢占いは、20世紀初頭に深層心理学において確立した「夢分析」という技法を基にしたもので、潜在意識の働きを私たちが意識的に把握するための心理技法です。
少し難しい話になりますが、「夢分析」には、ジークムント・フロイトの創始した精神分析学における夢分析と、カール・グスタフ・ユングの分析心理学における夢分析の2種類あり、これら2つの夢分析は、意味も解釈の方法論も全く違っています。
「夢診断」や「夢占い」を調べた時に、同じモチーフでも意味が違っていることがあるのはこのためです。
フロイトの精神分析学における夢分析は、願望や不安の要素が夢の形になったという考え方なので、こちらがあなたの知っている「夢診断」に近いものだと言われています。
例えば、あなたが何者かに追われて捕まってしまうという怖い夢を見たとします。
その場合、夢診断ではあなたが「問題解決のために大切な要素を得る」と考えます。
怖い夢を見る時、その深層心理には、あなたの未来を助けてくれるメッセージが隠されている可能性があります。
こうしたことも理解して、怖い夢を見ない方法を探る一方で、見てしまった時の解釈の仕方も覚えておくと良いですね。
怖い夢を見ない方法
怖い夢を見る原因を詳しく見た結果、怖い夢を見ないようにするためには、身体的な原因や精神的な原因の元を解消すれば良いということがわかりました。
では、具体的にどのようにすればその原因を解消できるのか、怖い夢を見ないようにする方法として有効なものをできるだけたくさんご紹介します。
基礎編
まずは、怖い夢を見ないための基本的な対処法をご紹介します。
寝室の環境や身体的な原因により怖い夢を見てしまう場合は、この基礎編でほぼ解決するはずです。
寝室の環境を整える
できるだけ眠りの質があがるように、寝室の環境を整えましょう。
たとえば、眠りにつく時には、部屋を暗くして光を遮断します。
睡眠中に光を浴びていると脳が刺激されてします、それが原因で怖い夢を見ることもあるからです。
また、可能であれば、寝室の温度や湿度も快適なものに調整してください。
適度な状態に保つことで、睡眠の質をあげることにつながるからです。
寝具を自分に合ったものに変える
まくらやマットレス、掛け布団などの寝具も、この機会に見直してみましょう。
布団があまりにも重いと、寝苦しさが現実とリンクしてしまい、怖い夢を見ることになってしまいます。
ですから、布団はあまり重すぎるものではなく、軽い布団に変えて寝苦しくならないようにします。
寝具による寝苦しさが改善できれば、寝返りがうちやすくなり、心も身体も快適な状態で朝を迎えることができるようになります。
この機会に、寝具全般をチェックして、自分に合ったものに変えてみてはいかがでしょうか?
アロマやお香でリラックスする
寝室でアロマやお香などの良い香りを焚いて、リラックスした状態で眠るのも怖い夢を見ないようにする方法として有効です。
アロマオイルは、自然の植物から抽出された良い香りのエッセンスです。
リラックス効果の得られるものや、深い安眠効果のあるものなどがたくさん種類があります。
自分が好きな香りでリラックスするのももちろん良いですが、リラックス効果が高いと言われるアロマオイルやお香を優先して選んでみてください。
眠りの質があがり、怖い夢を見ることはきっとなくなるはずです。
寝る直前のお酒や食事を控える
寝る直前に飲食をして胃腸に負担を掛けてしまうと、脳が刺激されてしまい、怖い夢を見る原因となります。
特にお酒に含まれるアルコールには脳を覚醒させる働きがあるため、より悪夢を見やすい状況に陥ります。
ですから、寝る直前のお酒や食事は控えるように心がけてください。
また、お酒だけでなく、コーヒーやタバコも寝る直前は控えた方が良いです。
カフェインやニコチンにも、アルコールと同じように脳を覚醒してしまう働きがあるからです。
寝る直前は、あまり刺激の強い飲食物や嗜好品を控えることを基本として、どうしても何か飲みたい時にはホットミルクなどで済ませるようにしてください。
寝る前にマッサージで身体をほぐす(深呼吸)
疲労により身体が疲れていたり、肩こりや筋肉痛などで身体に痛みを感じたまま寝てしまうと、寝苦しさから怖い夢を見てしまう可能性が高くなります。
ですから、それを和らげるために、寝る前にマッサージやストレッチをして、しっかり身体をほぐして寝るようにしてみてください。
その時、ゆっくりと深呼吸をしながらするとより効果が高まります。
腹式呼吸による深呼吸には、自律神経の中の副交感神経を優位にする働きがあります。
副交感神経が優位になると気持ちがリラックスするので、怖い夢を見にくくなります。
身体が疲れていたり、コリが酷い人は、ぜひこの対処法を試してみてくださいね。
応用編
ほとんどの人は、基礎編の内容で十分対処できるはずですが、精神的・心理的な原因により怖い夢を見てしまう場合、これからご紹介する対処法を追加で実施してみてください。
尚、この状態にある人は、「怖い夢」というよりも「悪夢」といった、より深刻な状態に陥っていると考えて良いです。
寝る直前に嫌なことを思い出さないようにする
毎日の生活の中で大きなストレスを感じていると、それが夢とリンクしてしまい「悪夢」となって表れます。
ただ、日常のストレスを減らすことは、ストレス社会と呼ばれるこの現代社会ではとても難しいことかも知れません。
ですが、ストレスを減らすことはできなくても、それを思い出さないようにすることは比較的簡単にできるはずです。
寝る直前だけでも、基礎編でご紹介した対処法を試すなどして気持ちをリラックスさせ、一日の嫌なことを思い出さないように心がけてみてください。
そうすることで、悪夢を見る頻度はきっと減っていくはずです。
意識し過ぎない
また、寝る前に「また悪夢を見たらどうしよう…」と考えすぎてしまうのも良くありません。
寝る直前の思考は、眠ってしまってから見る夢に大きく影響を与えてしまうため「悪夢を見るかも知れない」という不安が現実となってしまう可能性があるからです。
ですから、寝る直前であればあるほど「悪夢」のことを意識し過ぎないように、脳をできるだけリラックスさせるように努めていきましょう。
アロマオイルやヒーリング音楽などを活用して、脳内にリラックスイメージを流しながら眠りにつくなど、試してみましょう。
スリーピンググッズを活用!
世の中には、安眠や良眠のための「スリーピンググッズ」というものが色々あります。
例えば、悪夢だけを捕まえる「ドリームキャッチャー」や、浄化効果のある「パワーストーン」、「お守り」や「ぬいぐるみ」など。
実際にドリームキャッチャーが悪夢を捕まえてくれるのかどうかはさておき、これらを置いておくことで「効果があるかも」という期待を潜在意識に刷り込むことができるという点で、これらには大きな意味があります。
そうした期待は、わずかではありますが脳へポジティブな働きをしてくれます。
そのため「悪夢を見るかも」という思い込みが「もしかすると悪夢を見ないかも」という気持ちに変えてくれるのです。
精神を安定させることが、悪夢を見ないことにつながるということです。
悪夢を反芻しない
そうは言っても、実際に悪夢を見てしまって夜中に飛び起きるようなことになってしまったら・・・どのような対処をすればよいのでしょうか?
このケースの場合、一番大切なのは「見てしまった悪夢を反芻しない」ということです。
怖い夢を見てしまった場合、多くの人は二度寝をした後や翌朝目覚めた後にその夢を思い出してしまいます。
悪夢を思い出すると、鼓動が高鳴り、神経も過敏になっています。
そうすると、再び眠りについても、また悪夢を見てしまいます。
もし、夜中に悪夢を見て飛び起きてしまった時には、一度身体を起こして大きく深呼吸をするなどして気持ちを一回落ち着ける時間を取りましょう。
それが、一度見た悪夢を繰り返し見ないようにするコツです。
夢を見るメカニズム
ここまでは、怖い夢を見る原因と怖い夢をできるだけ見ないようにする対処法についてお伝えしてきましたが…
実際のところ、なぜ人間は怖い夢を見てしまうのか、そのメカニズムは解明されていません。
ですが、「夢を見る」メカニズムから、「怖い夢を見る心理」は推測できるのではと考えています。
レム睡眠とノンレム睡眠
実は、私たちは「毎日夢を見ている」ということをご存知でしょうか?
夢を毎晩見ているけれど、「覚えていない」だけなのです。
夢は眠りの浅い「レム睡眠」の時に見るものなのですが、しっかり眠れている「ノンレム睡眠」の方が長いため、夢を見ても「覚えていない」のです。
私たち人間の睡眠は、大きく分けると「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」にわけられます。
レム睡眠とは、脳が起きていて身体が眠っている睡眠状態のこと。
「レム(REM)」とは「Rapid Eye Movement」のことで、これは日本語に訳すと「速い眼球運動」という意味になります。
レム睡眠時は、脳が覚醒している状態のため、脳の刺激による眼球の高速運動がみられます。そのために、このような名前がつけられています。
また、レム睡眠時は、脳が覚醒しているため、眠りが浅く、夢を見るというのも大きな特徴の一つです。
一方で、ノンレム睡眠とは、身体も脳も最低限しか起きておらず、ほとんど眠っている睡眠状態のことを指します。
身体も脳も大部分が眠っているため、一般的には深い眠りの期間と言われていて、この時は、脳も休んでいるため夢を見ることはあまりありません。
怖い夢を見る心理を読み解く!
私たち人間の睡眠リズムには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があることがわかりました。
この2つは、だいたい90分毎に一定の周期で二つの睡眠リズムを繰り返しています。
そして、私たちが夢の内容を覚えている時は、たいていが「レム睡眠が多かった時」だと言われています。
夢を見ている時間が長ったため、「夢」が意識に残りやすくなったのでしょう。
ですから、一日のストレスが大きく、寝る直前まで脳が覚醒して高ぶっているような時には、眠りが浅くなり、レム睡眠の時間が長くなる、だから、「夢」を見る時間が長くなり、「夢」が意識に残ることが増えてしまうのです。
また、夢は、脳が「記憶の整理」を行っている時に見るという話もあります。
私たち人間の脳には、毎日五感をフル活用して膨大な情報が入ってきます。
そうした記憶を整理している時に見るもの、それを私たちは「夢」として認識していると考えられているのです。
つまり、怖い夢が多く表れるということは、それだけ脳の記憶の中に怖い記憶や不快な記憶、つらい記憶などが多かったということにつながります。
一日の生活の中で嫌な思いをしたり、誰かとケンカをしてつらい思いなどをすると、怖い夢を見てしまうのはこのためです。
私たちの脳が覚えていることがすなわち「心理」ですから、このようなメカニズムがあるために怖い夢を見ているということが推測できます。
ここまでの話をまとめると、怖い夢というものは、眠りが浅くてレム睡眠が多い状態であることと、心理的な不安や不快感がある時に見やすいということになります。
悪夢を見る病気とは
ここまでで、「眠りが浅い状態で心理的な不安感などが強い時に怖い夢を見やすい」ということがわかりましたが、こうした症状を持つ精神的な疾患を抱えている人は、普通の状態にある人以上に悪夢を見やすいようです。
もし、あまりに多く、毎日のように悪夢を見ているのだとしたら、悪夢を見やすい病気を抱えているのかも知れません。
そこで最後に、悪夢を見やすい病気とその治療法をご紹介します。
悪夢を見る病気
無呼吸症候群
無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一定時間止まってしまう疾患です。
呼吸が止まるので身体が息苦しさを感じ、悪夢を繰り返し見てしまうと言われています。
無呼吸症候群は、肥満やアルコールの過剰摂取などの生活習慣病と深いかかわりがある病気です。
生活習慣を見直すとともに、眠っている時に大きないびきをかく人や扁桃肥大を診断されたことがある人は、一度病院を受診してみましょう。
精神疾患
精神的な原因でもお伝えしているように、不安感や不快感が強ければ強いほど悪夢を見やすい状態となります。
そのため、ほとんどの精神疾患が悪夢を引き起こすと考えられています。
なぜなら、精神疾患は基本的に、精神的なつらさを感じるものだからです。
代表的な精神疾患である統合失調症では、主な症状に幻覚や妄想があります。
日中起きている間も幻覚や幻聴で不快な思いをしているのですから、その状態にある脳の記憶は不快な感情が多くを占めます。
そのため、眠りが浅いレム睡眠中に悪夢を見てしまうのです。
また、うつ病でも、無気力で落ち込みが続いている状態が続けば、精神的に絶望を感じてしまい、脳の記憶は不快なもので占められていきます。
更に、うつ病の症状には「眠りが浅い」ことや「不眠」などもあるため、これも悪夢を引き起こす原因となります。
その他にも、パニック障害や社会不安障害、強迫性障害なども同じです。
パニック障害などを抱えた人が必ず持っている過呼吸などのパニック発作が起こった時に感じる「つらい記憶」というものは、強く記憶に残ります。
また、様々な精神疾患の中でも特に悪夢を見やすいものとして「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が挙げられます。
心的外傷後ストレス障害では、トラウマになった出来事のフラッシュバックが繰り返されます。その影響で脳の記憶にその出来事が強く印象付けられるため、それに関連した悪夢を見やすくなります。
また、「悪夢障害」という疾患もあります。
悪夢を高い頻度で見てしまい、それによって本人が「困っている」と感じている状態の場合、「悪夢障害」と診断されます。(うつ病など、他の精神疾患や薬物が原因でないという条件もつきます。)
この悪夢障害は、遺伝的要因もありますが、睡眠状態が不規則で、レム睡眠の割合が多い人がなりやすいと言われています。
悪夢を見る病気の治療法
病気の種類は様々ですが、病気が原因で悪夢を繰り返し見ている時には、どのような方法で治療をしていくのでしょうか?
上記でお伝えした「悪夢障害」の場合、この疾患に対しての特別な治療法はありません。
この場合には、眠りの質をあげるために、レム睡眠を抑制する薬やノンレム睡眠を増加させる抗精神薬が処方されます。
また、他の病気の場合は「悪夢を見る原因」がどこにあるのかを見極めます。
例えば、統合失調症で悪夢を見る場合には、抗精神病薬などで幻覚や妄想を取り除く治療をします。
うつ病であれば、気分の落ち込みや無気力を改善していきながら、悪夢を見る頻度を減らしていきます。
無呼吸症候群の場合には、その原因となる肥満や生活習慣病などを改善して、悪夢を見る頻度を減らしていきます。
いずれにしても、悪夢を見るのは「眠りが浅く」「精神的な不安や不快感が強い」場合です。
ですから、悪夢を見る病気の治療法も、この二点を解消するような治療法になっていきます。
もしあなた自身にこうした症状があると感じられた場合は、ぜひ専門医の診断を受けてみてください。
まとめ
ここまでの内容をしっかり読んでいただければ分かるように、怖い夢を見る時にはその原因をしっかり探って、それに合った対処法をするのが一番です。
「眠り」というのものは、私たちの心身の健康にとってとても重要なものです。
怖い夢を見ない方法を試すとともに、眠りの質をあげるようなことも積極的に試していってみましょう。
私は30年前から、悪夢から目覚めた時にある事を確認します。100%の確率で毎回同じです。学者さんや他の方は知らないのかと不思議に思っております。ナイトスクープにでもと考えましたが恥ずかしいく。