仕事や家庭のこと、子育てのことなど…毎日の生活の中でどうしても溜まってしまう「ストレス」
あなたは毎日の生活の中で溜まっていくストレスをどのようにして解消していますか?
ストレスを解消するための方法はたくさんありますが、ストレスの原因というものは人それぞれ違います。
ですから、ストレスのメカニズムや種類を理解し、自分の心身の状態をしっかり把握した上でなければ、自分に合った方法を見つけることはできません。
しかし、逆を言えば、それができれば、無理なくストレスを解消することができるのです。
そこでここでは、ストレスのメカニズムや原因などをパターン分けしながら、あなたに合うストレス解消の方法が見つけられるよう説明していきます。
一般的な方法から医療のプロが勧めるストレス解消法などもお伝えしていきますので、ぜひ自分に合った方法を見つけてくださいね。
ストレスのメカニズムとその思考パターン
現代社会には様々なストレスで溢れています。
仕事や家庭などで人と関わり、当たり前に社会生活を送っていればどんな人でもストレスを感じてしまうものです。
そうした「ストレス」というものを解消することは、人間が生きていく上で最も重要なことだと言っても過言ではありません。
しかし、一言で「ストレス」といってもその感じ方や解消法は人それぞれ違います。
まずは「なぜストレスがたまるのか? 」といったストレスのメカニズムを詳しく知って、どうやってストレスを解消すれば良いかという問題の糸口を探してみましょう。
ストレスのメカニズム
身体が疲れている時や、気持ちがイライラする時などに、私たち人間は「ストレス」が溜まっていると感じます。
仕事中や家事・育児の合間などでそうした言葉を無意識に口にしている人も多いようです。
しかし、そもそも「ストレス」とは一体どのようなものなのか…あなたは理解しているでしょうか?
「ストレス」って何?
元々「ストレス」という言葉は物理学の分野で使われていた言葉です。
例えば、風船を指で押さえる力のように物体の外側からかかる圧力のことを「ストレッサ―」と呼び、ストレッサ―によって歪んだ風船の状態を「ストレス反応」と呼びます。
この状態と同じように心理学の分野でも、心身にかかる外部からの刺激を「ストレッサ―」と呼び、それに反応した心身の状態を「ストレス反応」と呼ぶようになりました。
このように、ストレスとは外部からの様々な刺激によって自分の心身に負荷がかかり、そのことで心身に様々な不調が引き起こされる反応のことを言うのです。
ストレスが引き起こされるメカニズム
いわゆる「ストレッサ―」となる外部刺激には様々なものがあり、大きく分けると以下のようなものがあります。
- 物理的…天候、気候、騒音、大気汚染など環境に関すること全般
- 化学的…薬品、添加物など
- 生物的…過労、栄養不足、病原菌に対する防御など
- 精神的…人間関係、自身の性格、経験によるもの
こうしたストレッサ―を受けると、人間の身体に備わっているホメオスタシス(生体恒常性)が刺激により上手く働かなくなります。
ホメオスタシスとは、どんなことがあっても人間の身体を常に一定の状態に保とうとする働きのことです。
一般的に知られているのは「自律神経」の働きではないでしょうか。
ストレッサ―による刺激が強いと、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
そのため、様々な不調が引き起こされて「ストレス状態」に陥ってしまうのです。
ストレスを感じやすい5つの思考パターンとは?
「ストレス」はこのようなメカニズムで引き起こされているのですが、例えば同じようなストレッサ―を受けてもそれをストレスに感じない人もいます。
この違いは一体何なのでしょうか?
それは、ストレスに対する「思考」の違いです。
外部から来る刺激に対しての反応が過敏で、なおかつネガティブな思考をしてしまう人はストレスを感じやすい人だと言われています。
ストレスを解消することはもちろん大切なことですが、ストレスを溜めないようにすることは根本的な解決になります。
ですから、どんな思考パターンがストレスを溜めやすいのかを理解しておくことは、ストレス解消を考える上でも必要なことなのです。
すぐに落ち込んでしまう思考パターン
ここからは、実際にどんな思考パターンだとストレスとなりやすいのかを見ていきます。
ストレスに対して一番良くない思考パターンは「すぐに落ち込んでしまう」思考です。
自分の言動や行動に対して、すぐ「私は何か悪いことをしていないだろうか? 」と考え、落ち込んでしまうのは良くありません。
こうした思考であれば、むやみに人を傷つけたりすることは少ないかも知れませんが、自分自身はいつも落ち込んでしまいストレスが溜まりやすくなるのです。
ツラいことをいつまでも引きずってしまう思考パターン
ストレスに感じたことを忘れられず、いつまでも引きずってしまう思考パターンの人もストレスが溜まりやすいと言われています。
自分が「嫌だ」と思っている感情そのものがストレッサーとなるので、それをいつまでも自分の中でくり返し考えるということは、それだけ長くストレスを感じていなくてはならないということです。
ストレスに感じるようなことというのは、何度も思い出していつまでも引きずるものではありませんね。
完璧主義な思考パターン
何事もきっちりしないと気が済まない思考パターンも、ストレスになりやすい思考パターンだと言われています。
完璧主義な思考パターンの人は、少しでも物事がうまくいかないとイライラしますし、他人が失敗などしたら更にイライラしてしまう傾向にあると言われているからです。
物事をきっちり進めていくと達成感も大きいですが、それを行う人間は決して完璧な生き物ではありません。
そのことを心に留めておかないと、自分に対しても他人に対しても完璧を求めてしまうため、どうしてもストレスが溜まりやすくなってしまうのです。
自己中心的な思考パターン
様々なストレスの中でも特に人間関係でストレスを感じやすい人が、この「自己中心的」な思考パターンを持つ人です。
人はそれぞれ考え方が違っていて当たり前なのですが、他人の考えを受け入れられず自分の意見ばかりを押し付ける「自己中心的」な考え方をしているとストレスを感じてしまいます。
自分の意見を押し通したい時もあるでしょうが、まずは「自分と他人は考え方が違っていて当たり前」だということを理解することが大切です。
そうすれば、自己中心的な思考パターンに陥らずに済むのです。
他人の意見ばかり聞いてしまう思考パターン
先程とは反対に、他人の意見ばかり聞いてしまう思考パターンの人も、実はストレスを感じやすい思考パターンだと言われています。
自分の意見を押し付ける人とは違って、他人の意見を聞いているのであればトラブルなど起きないので「ストレスは溜まらないのでは? 」と思われるかもしれませんね。
ですが実際にはそうではありません。
他人の意見ばかり聞いてしまう人というのは、実は「自分の意見を言えずにいる」場合があり、そのことによって相当なストレスを感じています。
自分の意見を通し過ぎるのも良くありませんが、他人の意見ばかり聞いて自分の気持ちを言えないのもストレスに感じてしまうものなのです。
ストレスが持つ色々な側面
このように、ストレスというのは私たち人間に対して大きな影響を与え、その思考パターンによっては更にストレスを増幅させてしまうこともあるものだということが分かります。
ですから、多くの人たちが「ストレス」という言葉を聞くと、マイナスのイメージを抱いてしまうのです。
しかし実際は、ストレスが心地良い刺激となって私たちに良い影響をもたらしてくれる場合もあります。
ここでは、ストレスが持つプラスの側面とマイナスの側面についてお伝えしていきます。
プラスに働くストレスとマイナスに働くストレス
ストレスとは、外部から受ける刺激によってもたらされる反応のことを言いますが、外部から受ける刺激というのは必ずしもマイナスに働くものばかりではありません。
例えば、自分の目標や夢などに向かって頑張っている時に感じる疲労感はプラスに働くストレスです。
こうした時に感じる疲労感は、達成感や爽快感にもつながります。
その感情によって自分の目標や夢に向かって頑張る気持ちを刺激してくれたりもしますので、プラスに働くストレスだと言えます。
しかし、同じ疲労感でも働き過ぎだったり人間関係に不安があるなど「嫌な気持ち」を感じている状態の場合には、マイナスに働くストレスとなります。
このように、ストレスというものは単に外部から受ける刺激だけではなく、その時に感じている気持ちや置かれている状況などで変わってくるのです。
ストレスは人それぞれ!
同じストレスでもプラスに働くこともあればマイナスに働くこともあるように、ストレスというのは人それぞれの感じ方によって受ける影響も違ってきます。
先程お伝えした「ストレスを感じやすい思考パターン」を持っているような人は、他の人よりもストレスに敏感に反応しますし、反対にストレスに強い傾向を持っている人もいます。
例えば、何事にもポジティブで物事をくよくよと考えない人や、周囲に信頼できる友人が多くいる人などはストレスに強いと言われているのです。
これらの他にも、本当はストレスを感じているのに自分では意識していなかったり、人によっては「自分はストレスを感じる体質ではない」と思い込んでいる人もいます。
このように、人によってストレスに対する感じ方というのは大きな違いがありますから、自分ではストレスを感じていなくても、自分の変化に注意深く目を向けておくことが大切なのです。
ストレスの種類
ここまでは「ストレス」というものを大きな視点で捉えて、そのメカニズムや感じ方についてお伝えしてきました。
ストレスのメカニズムやストレスの感じ方が理解できたかと思います。
そこでここからは、実際に「ストレス」と呼ばれる外部からの刺激にはどういった種類のものがあるのかについてお伝えしていきましょう。
ストレスには、大きく分けて4つの種類があります。
例えば、あなたが今、心にストレスを抱えているのに、身体に対してのストレス解消法を行っても効果はありませんよね?
ストレスに対して的確な解消法を行うには、まず何よりもストレスの種類を理解しておくことが大切なのです。
心のストレス
多くの人が「ストレスが溜まっている」という言葉を発した時に指している「ストレス」は、心のストレスだと言っても過言ではありません。
そのくらい、現代社会に生きている人の多くが心のストレスを抱えています。
心のストレスは、仕事やプライベートにおける人間関係のコミュニケーションを刺激として受けるストレスのこと。
仕事での人間関係はもちろんのこと、介護や育児によるストレスなども「心のストレス」に当てはまります。
また、特に大きな外部からの刺激は無くても「何となく将来に対して不安を感じる」などという状態も、心のストレスです。
身体のストレス
ストレスというものは、何も「心のストレス」ばかりではありません。
病気やケガ、身体の歪みなど…身体にかかる刺激によってもたらされるストレスも「身体のストレス」としてストレスの種類に当てはまります。
このような身体のストレスは、自分自身が意識していなくても、刺激によって脳がストレスを感じている場合もあるので要注意です。
急激な気候の変化などによって体調を崩す…などということも、気温変化という外部からの刺激による「身体のストレス」だと言われています。
しかし、心のストレスから自律神経のバランスを崩してしまい身体を壊す…などという場合には、身体のストレスではなく、心のストレスを解消しなくては身体の状態も回復しません。
このように、身体のストレスを感じた時には、その根本的な原因がどこにあるのかをきちんと見極めることが必要になります。
科学的ストレス
外部からの人工物や化学物質などによる刺激でもたらされる変化を「科学的ストレス」と言います。
現代社会は生活する上でとても便利になった一方で、この科学的ストレスを原因とする健康不安などが多く聞かれるようになりました。
薬の副作用や食品添加物などはもちろんのこと、日用品に含まれる化学物質なども、知らず知らずのうちにストレス(科学的ストレス)として私たちの心身に大きなストレスをかけているのです。
タバコやアルコールによるストレスや、水道水に含まれている塩素などの薬品も、この科学的ストレスに含まれます。
こうした科学的ストレスは、受けているうちにその刺激が身体に蓄積されて、身体に悪影響を及ぼすことがあるので、ぜひ気を付けたいストレスに一つですね。
環境のストレス
身体のストレスと科学的ストレスの両方の側面を持つ外部からの刺激として「環境のストレス」があります。
身体のストレスの項目で述べた「気温変化」などは、環境のストレスとしての側面を持っていますし、大気汚染などによる影響には環境のストレスの他にも科学的ストレスの側面もあります。
こうした環境のストレスも、自分では気付かないうちにストレッサ―となる刺激を受けていて、心身にストレスが溜まっていることがあるので注意すべきストレスです。
種類別ストレス解消法
このように「ストレス」と一言で言っても、その刺激によって種類が異なるものなのです。
ストレスの種類をしっかり理解した上で、それぞれのストレスには、どういった解消法がより効果的なのかをお教えしていきます。
自分が今抱えているストレスと照らし合わせながら、あなたに合った解消法を模索してみてください。
心のストレスに効果的なストレス解消法
人間関係のコミュニケーションによる刺激を原因として引き起こされる「心のストレス」には、できるだけ心を休ませるようなストレス解消法がオススメです。
また、心のストレスは自律神経のバランスが崩れていることで脳内ホルモンの分泌に変化が起こっていることが原因の場合もあります。
そういうことへの対策も考慮したストレス解消法をお伝えします。
休養する
まずは「休む」ということを優先して行ってみてください。
心のストレスを大きく抱えている人の多くは、仕事や介護・育児などで無理をし過ぎて疲労がたまっているということがあります。
何事も「頑張り過ぎる」性格の人は、どんなストレス解消法を試す前にまず「休養」をしっか取りましょう。
休養するというのは、ただ休んだり眠ったりすれば良いというわけではありません。
いつも抱えている仕事や介護・育児などのことはできる限り忘れて「リラックス」するということです。
自分の趣味や特技などをすることでリラックスをするという人もいるでしょうが、それもまた「休養」にはなりません。
本当に何もせず「休む」ということが、疲労感によるストレスが溜まっている人にとって一番効果的な解消法になるのです。
しっかりと腹式呼吸をする
ストレスが溜まっている人の多くは、常に呼吸が浅いと言われています。
心のストレスが原因で、不安や焦りなどを抱えているいる人というのは、緊張感から自然と呼吸が浅くなる傾向にあるのです。
ですから、そうした場合にはしっかりと腹式呼吸で大きく息を吸ったり吐いたりすることが効果的なストレス解消法になります。
腹式呼吸とは、鼻からゆっくり息を吸ってお腹をふくらませ、息を吐く時はお腹をへこませながら口からゆっくり息を出し切る呼吸法のこと。
こうすることで、自律神経を整えてストレスを解消してくれるのです。
自律神経が整うと心のストレスが解消されていきますから、ぜひ試してみてください。
アロマテラピーを活用する
心のストレス解消に有効な方法として「アロマテラピー」を活用するという方法があります。
アロマテラピーとは、植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)と呼ばれる良い香りのオイルを使って、私たち人間の健康や美容に役立てる自然療法のこと。
アロマテラピーで用いるエッセンシャルオイルには、薬理作用と呼ばれる心身に様々な作用をもたらす成分が入っています。
ですから、心に対して気持ちを落ち着かせてくれたり、不安感を解消してくれるような作用を持つ香りを嗅ぐことで、心のストレスを解消することができます。
エッセンシャルオイルを焚くことができる芳香拡散器などがあれば、気軽に香りを取り入れてストレスを解消してみてくださいね。
脳内ホルモンを味方につける
私たちの脳内には、感情や体調を司る様々な脳内ホルモンがあります。
その中の一つに、別名「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」というホルモンがありますから、このセロトニンの分泌を促すようなことをしてみましょう。
セロトニンは、一定のリズムのある音楽を聴くと分泌が促されると言われています。
また、スキンシップにもセロトニンの分泌を促す作用があると言われているので、自分のパートナーや子ども、可愛いペットなどとのスキンシップも効果的です。
更に食べ物の中でも、チーズなどの乳製品や豆製品、バナナ、肉類などにはセロトニンの分泌を促す作用があると言われています。
こうしたものを積極的に活用してセロトニンの分泌を促しておけば、心のストレスの要因となる不安感などを抑えてリラックスさせてくれるのです。
この機会に、日常生活や食生活を見直してみてはいかがでしょうか?
身体のストレスに効果的なストレス解消法
あなた自身が気付かないうちに抱えてしまっている「身体のストレス」には、どのようなストレス解消法が効果的なのでしょうか?
一番重要なのは、心のストレス解消法でもお伝えした「休む」ということです。
ですが「心を休める」ことと「身体を休める」ことでは、少し注意すべき点が違いますので、その違いをポイントとしてしっかり押さえるようにしましょう。
身体をリラックスさせる
人間の身体というのは、知らず知らずのうちに緊張している時があると言われています。
本来であれば「休む」という行為である睡眠時でも、身体のどこかに力が入っていたりします。
ですから、身体は意識してリラックスさせないと「休める」ことにはなっていないのです。
身体を細かい部位に分けて、意識的に力を抜くようにしてみてください。
頭・首・肩・腕・手首・指…といった風に、上から順番に力を抜くようにするとスムーズにリラックスさせることができます。
身体全体が終わったら、顔も順番に力を抜いていってみてください。
表情筋が休められてリラックスした後は、きっと素敵な表情をすることができるはずですよ。
姿勢に気を付ける
人間の身体は、座り方や立ち方の癖によって歪みが生じていることがあります。
ですから「歪み」という身体のストレスを解消するためには、毎日の生活の中での座り方や立ち方を見直す必要があるのです。
歩く時や座る時には、身体全体に均等に体重がかかる姿勢を意識してみてください。
それだけでも身体の歪みというストレスを解消していくことができます。
まずは、毎日の生活の中で自分ができることを行っていくということが大切なのです。
運動をする
これもまた、毎日の生活の中で気軽に取り入れることができるストレス解消法なのではないでしょうか。
ジョギングやウォーキング、ヨガなどの軽い運動を取り入れることで、身体のストレスの要因となる歪みが改善されます。
また、運動により体内に酸素をしっかり取り込めるので、心のストレス解消にもつながるのです。
運動の時間を作ることが難しい人は、寝る前に簡単なストレッチを行うだけでも十分効果がありますから、早速今日から始めてみましょう。
食べ過ぎないようにする
身体のストレスというのは、何も筋肉疲労や歪みなどによるものばかりではありません。
食事などによる身体のストレスもあります。
身体の働きの中で「消化」というのは、とても負担の大きな働きです。
ですから、必要以上に食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、あなたの胃腸はいつまでも働き続けなくてはならなくなります。
この働きが、身体のストレスとなるのです。
こうした消化による身体のストレスを解消するには「腹八分目」ということを肝に銘じて食事をすることが大切です。
まずは自分が試してみやすい方法で食事を改善すると良いでしょう。
科学的ストレスに効果的なストレス解消法
科学的ストレスを解消するには、私たちの心身に有害な人工物や化学物質などをできるだけ避けるということが一番大切です。
そうした化学物質などが刺激となってストレスがもたらされるのであれば、身体に良い刺激を与えないものをできるだけ避けるしかないのです。
なるべく添加物を多く取らないようにする
私たちが毎日食べている加工食品の中には、たくさんの食品添加物が含まれています。
食品添加物の中には、知らないうちに私たちの身体にストレスとなる化学物質が多く含まれているので、そうした食品をなるべく食べないようにすることが何よりのストレス解消法です。
様々な食品添加物の中でも、特に盲点となるのが「人工甘味料」です。
人工甘味料は、甘いジュースやお菓子だけではなく加工パンなどにも含まれている食品添加物です。
これもまた、過剰に摂取することで私たちの身体に科学的ストレスをもたらしてしまうものなので、できるだけ避けるようにしましょう。
刺激の強い食品などを多く取らないようにする
食品添加物も科学的ストレスになりますが、それと同じように私たちの身体に悪影響をもたらしてしまうものが「刺激の強い食品」です。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインや、唐辛子などの香辛料はもちろんですが、多量の油や砂糖なども良くありません。
また、薬などに含まれる薬理作用のある成分も、過剰に摂取すれば刺激が強過ぎて「科学的ストレス」となることがあります。
このような刺激の強い食品は、交感神経を刺激し過ぎてしまったり、血糖値を急激に上昇させることがあるので注意が必要です。
できるだけ多く取らないように心がけておきましょう。
アルコールやタバコなどは極力控える
アルコールやタバコの過剰摂取も「科学的ストレス」の大きな要因となります。
アルコールは過剰に摂取すると肝臓に負担を掛けてしまいますし、タバコも多く摂取すると血液循環を悪くするなどの悪影響を及ぼします。
「酒は百薬の長」と言いますが、あくまで少しのアルコールが身体に良い作用をもたらすのであって、過剰摂取は良くありません。
またタバコなどは「百害あって一利なし」と言われています。
ですから、アルコールやタバコなどは極力控えるようにしていきましょう。
栄養ドリンクやサプリメントも多く摂り過ぎないようにする
疲労感が強いことでストレスを感じている人の中には、そのストレスを解消するために栄養ドリンクやサプリメントを積極的に摂っている人も少なくありません。
ですが、栄養ドリンクやサプリメントも決して身体にとって良い作用ばかりではありません。
サプリメントの中には化学合成で作られたものも多くあるからです。
また特に、栄養ドリンクには化学物質とともに多くの砂糖やカフェインが含まれています。
こうしたものを過剰に摂取すると科学的ストレスを受けることになってしまうので、摂り過ぎないようにすることが大切です。
「疲れが溜まっているからどうしても摂りたい」という時には、科学的ストレスをより多く受けてしまう栄養ドリンクよりは、添加物の少ない自然食品でできたサプリメントを選ぶ方が良いとされています。
ぜひ覚えておいてくださいね。
環境のストレスに効果的なストレス解消法
急激な気温の変化や環境の影響がストレスとなる「環境のストレス」。
こうしたストレスを解消するには、自分自身ができるだけその環境に順応するように心がけた生活を送ることが大切です。
急激な気温の変化には、その気温変化を感じないような対策をすれば良いですし、大気汚染などの環境の影響は、悪い物質を避けるように心がければ良いのです。
具体的にどのような方法が効果的なのかを詳しくお伝えしていきます。
身体を冷やさないようにする
環境のストレスの中で一番多い「急激な気温変化」に対するストレス解消法は「身体をできるだけ冷やさないようにする」ということです。
それは、冬の寒い時だけではなく夏のような暑い時でもぜひ心がけておくべきことだと言われています。
人間の身体は、冷えを感じると内臓の働きが低下するとともに自律神経のバランスも乱れてきます。
ですから、急激な気温変化に対処できる身体を作るためには「身体を冷やさない」ということが基本となります。
夏の暑い時期に冷房に当たり過ぎたり、冷たいものを摂り過ぎてしまうと、夏でも「冷え性」となってしまいます。
そうなると、夏が過ぎて秋になり外の気温変化が大きくなった時に身体が対応できなくなるのです。
このような環境のストレスに対処するためには、まず「身体を冷やさない」ということを心掛けておきましょう。
内臓の冷えを解消する
冷え性というのは身体の表面だけの問題ではなく、実は身体の内部である「内臓」が冷えている場合があります。
環境のストレスの要因としては、むしろこの「内臓の冷え」が問題となるのです。
食後や寝る前に冷たいものを多く食べてしまうと、内臓の温度が約2℃低下すると言われています。
すると、内臓に負担がかかり消化不良を起こしてしまうのです。
こうしたことの積み重ねが「環境のストレス」として、私たちの心身に大きな負担をかけていきます。
そうならないようにするためには、できるだけ内臓を冷やさないようにすることが大切です。
食後や寝る前に冷たいものを摂り過ぎないようにしていきましょう。
空気が汚れた場所ではマスクをする
海外からの有害化学物質が気流に乗って日本に流れてきており、地域によっては深刻な大気汚染が問題となっています。
こうした有害化学物質こそ、まさに環境のストレスの大きな要因となるものです。
ですから、こうした有害物質を避けるために空気が汚れた場所や地域ではできるだけマスクなどをするようにしましょう。
特に呼吸器に疾患を持っている人にとって、こうした環境のストレスが命取りになることがあります。
マスクをするだけで有害化学物質をかなり軽減することができるので、ぜひ試してみてくださいね。
女性特有のストレスとは?
ここまで述べてきたように、ストレスにはこれだけの種類があり、ストレスの種類に応じたストレス解消法を行うことでストレスを的確に軽減することができるのです。
しかし、ストレスというのはここまで述べてきた4種類だけではありません。
特に女性は、男性とは違ったストレスのたまり方をする場合があるのです。
そんな女性特有のストレスとは、一体どういうストレスなのでしょうか?
女性特有のストレスのたまり方
男性と女性とでは、まずストレスのたまり方が異なると言われています。
なぜなら、男性と女性とでは脳の構造が少しだけ異なるからです。
脳の中には、左脳と右脳を結ぶ「脳梁」と呼ばれる部分があります。
この脳梁が、女性は男性よりも太く構成されているのです。
そのため女性は、右脳で感じたことをすぐ左脳で言葉に変換して認識することができます。
つまり、同じストレスを受けていても男性が認識していないことを女性はより早く認識することができるのです。
そのことから、女性は男性よりもストレスに気付くのが早いと言われています。
また、女性には「月経」と呼ばれる生理機能があります。
月経前後は女性ホルモンのバランスが大きく変動するので、その刺激により心身に大きなストレスを感じる人も多いと言われています。
こうしたことから、女性は男性よりもストレスに敏感であり、またストレスにさらされる機会も多いということが分かります。
「女性特有のストレスのたまり方がある」と言われるのは、こうした理由からなのです。
女性がイライラしないためのストレス解消法3つ
では、そうした女性特有のイライラなどのストレスを解消するにはどういう方法がオススメなのでしょうか?
ここでは、女性がイライラしないようにするためにオススメのストレス解消法をお教えしていきます。
良質な睡眠を取る
先程よりたびたび、ストレス解消には「休む」ことが一番大切だということをお伝えしてきました。
休むために一番必要な時間が「睡眠時間」です。
女性特有のイライラにも、この「睡眠」というストレス解消法がとても効果的だと言われています。
睡眠を取ることで脳を休めることができるため、感じているイライラした気持ちを解消することができますし、眠ることで分泌が促進される成長ホルモンは美容にも良いホルモンなのです。
ですから、ストレスを多く感じている時には普段よりも多く睡眠をとると良いでしょう。
ヨガなどで身体を動かす
身体を動かすこともまた、先程の項目でたびたび述べてきたストレス解消法です。
ただ、女性特有のストレス解消法としてよりオススメしたい運動は「ヨガ」です。
なぜなら、ヨガには身体の歪みを整えたり、呼吸を促す効果の他に、ホルモン分泌を促す効果もあるからです。
ヨガのポーズには、リンパ腺を刺激するものが多くあります。
リンパの流れが良くなるとホルモン分泌が促進され、そのことにより女性特有のイライラの原因とされるPMSや更年期障害も改善されるのです。
ヨガでストレスを解消して、女性としての自分を更に磨いていきましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
お風呂には、身体のストレスを解消するとともに、心のストレス解消にも効果があると言われています。
女性特有のストレスでイライラする時には、同じお風呂でも熱めの温度ではなく、ぬるめの温度でゆっくり浸かるのが効果的です。
ぬるめの温度は、だいたい38~40℃くらいのお湯のこと。
このくらいの温度のお風呂は副交感神経の働きを活発にしてくれるので、気持ちをリラックスさせてくれるのに効果的なのです。
また、副交感神経の働きが活発になることでホルモンの分泌も促されます。
ですから、女性特有のストレスでイライラしている時ほど、ゆっくり時間を作ってお風呂に入るようにしましょう。
医療のプロが勧めるストレス解消法
ここまで色々な視点からみたストレス解消法をお伝えしてきましたが、いかがでしょうか?
あなたが今抱えるストレスに合う解消法は見つかったでしょうか。
まだピンとくるストレス解消法に出会えない…なんて人がいたら、ぜひこちらの項目に注目してみてください。
ここでは、医療のプロであるナースが勧めるストレス解消法をいくつかお伝えしていきます。
ナースが勧めるストレス解消法
医師と並んで医療現場で働くナースも、また医療のプロという立場にいます。
そんなナースが勧めるストレスマネジメントの方法の中に私たちでも気軽に試せるストレス解消法がありますから、まず2つお教えしていきましょう。
たくさん笑う
「笑う」という行為は、私たちの心身に良い効果をもたらすということが医学的にも証明されている行為です。
たくさん笑うと「NK細胞(ナチュラルキラー細胞」と呼ばれる免疫細胞が活性化されます。
そうすることで身体の免疫力がアップするので、ストレス要因などに対抗することができます。
また副交感神経を刺激するため、脳をリラックス状態にしてストレスを解消してくれるのです。
ですから、たまったストレスを解消するには、まず大きな声でたくさん笑ってみましょう。
あえて「別のストレス」をかけてみる
例えば、心のストレスが多いと感じている時には激しい運動を行うことで身体のストレスをかけてみます。
また反対に、運動で身体に大きなストレスを感じた時には、囲碁やオセロなどの脳に「精神的なストレス」をかけてみます。
そうすることで、それまで大きく感じていた一方のストレスを感じにくくすることができるのです。
これもまた、気軽に試してみることができるストレス解消法ですから、ぜひ一度やってみてくださいね。
「涙活」とは?
更により良いストレス解消法だとしてナースが勧める方法に「涙活(るいかつ)」と呼ばれるものがあります。
「涙活」とは、感動する映画や本などを見ることで涙を流してストレスを解消しようとする一連の活動を指します。
私たち人間にとって「泣く」という行為は、思いがけない健康効果をもたらす素晴らしい行為です。
東邦大学名誉教授で脳生理学者の有田秀穂教授は、泣くことによって副交感神経を刺激し、そのことによってストレスが解消されることが研究により分かったと述べています。
この研究では、ストレス解消に特別大きな効果をもたらすのは、悲しいときや感動した時に流す「情動の涙」だと言われているのです。
ですから、ストレス解消のためには感動する映画や本などをたくさん読んで、たくさん涙を流す「涙活」を積極的におこなってみましょう。
ストレスを解消する元気が出ない場合には?
ここまで様々なストレス解消法を試してみても、ストレスが解消されない時や、そもそもストレスを解消するために行動を起こす元気すら出ない…なんて時もあるかも知れません。
こんな状態の人は「ストレスを解消しなくてはならない」という考え方そのものがストレスになっていることも考えられます。
このような状態になってしまっている人は、心身ともに相当疲れており、ストレスが溜まってしまいっている状態です。
最悪の場合、うつ病などの精神疾患に陥ってしまっている可能性もあります。
ですから、このようにストレスを解消する元気すら出ない場合には、自分一人で何とかしようとしないようにしましょう。
信頼できる友人知人や家族、また専門医などに相談するようにしてくださいね。
まとめ
このように、ストレスというものはしっかりと理解して的確な解消法で対策をすれば決して怖いものではありません。
まずは、あなた自身が「なぜストレスを溜めてしまったのか? 」ということをしっかり理解しましょう。
そうすることで、自分が抱えるストレスの種類が分かります。
ストレスの種類が分かれば、今のあなたにとってどんなストレス解消法が合っているかもおのずとわかってくるものです。
万一分からなくても、ここに示してあるストレス解消法を色々試してみれば大丈夫!
その中には、きっとあなたの心を軽くするストレス解消の方法があるはずです。
こちらの内容をぜひ参考に、あなた自身に合ったストレス解消の方法を見つけてみてくださいね。