現代において、情緒不安定な人というのは決して少なくありません。
ただ、理由もなく情緒不安定ということは少なく、何らかの理由が存在します。
その理由によって追いつめられ、自分でも知らぬ間に情緒不安定におちいっているのです。
そして、情緒不安定になることで、不安要素とリンクし、サイクルとなって重症化します。
情緒不安定は、基本的に精神疾患です。情緒不安定性人格障害というのが、その疾患の呼び方です。
これが悪化すると、理性的な思考ができなくなっていきます。
それがやがて、うつ病や社会不適応障害などにつながっていきます。
今回は、情緒不安定になっている原因と対策について解説していきます。
ホルモンバランスの乱れ
情緒不安定は、ホルモンのバランスが乱れることによって起きることがあります。
女性ホルモンの場合、その乱れによって脳内のセロトニンの分泌も同時に乱れます。
セロトニンは人間の精神の安定を図る物質で、これの分泌が安定しないと精神も安定しません。
これは、男女共に現れる症状ですが、特に女性に顕著です。
これ自体は、医師の処方箋で女性ホルモン剤や精神安定剤を処方してもらうことで改善します。
対人関係の不安感
情緒不安定は、対人関係の不安感からも起きます。
特に異性関係などによって起きるケースが最も多いと言えます。
他者から見るとナンセンスに思えるような不安でも、本人にとっては真剣です。
不安になるべき明確な理由がなくても、情緒不安定な人は不安になり、イライラするのです。そして、ありもしない対人問題で落ち込んでしまうのです。
ストレスが持続的にかかる場合
情緒不安定の原因は、持続的なストレスが原因になることもあります。
ストレスは、多くの心理的負担や、身体的疾患として表に出てくるものです。
その1つとして、情緒不安定になる場合があります。
ストレスは外的要因によるものですが、そのストレスを解消することは基本的に困難です。
なぜなら、多くの場合、ストレスは通常の生活からくるものだからです。
仕事や人間関係、そういったことからストレスがきますので、今の生活を止めない限り、ストレスはなくなりません。
ストレスが消えない限り、中々情緒不安定な状態から抜け出せません。
将来への不安感焦燥感
情緒不安定は、将来への不安感や焦燥感からきます。
現代社会は、先の見えない状況が非常に多く、どうしても色々な不安と戦って生きなければいけません。
解決できない問題でもある将来への不安は、切れまなくおそってきます。
息つくひまもないほどの不安感は、情緒不安定を引き起こします。
こういった理由で引き起こされる情緒不安定は、悪化するとうつ病やパニック障害を引き起こすこともあります。
幼少期に受けたトラウマ
情緒不安定の原因の1つとして、幼少期に受けた出来事がトラウマになっている場合もあります。
それでも、小学生まではそこまで情緒不安定だと気づくほどの症状が出ないことがほとんどです。
思春期辺りから、この影響が強く出てきます。
成長と共に、トラウマ自体は無意識下に追いやられますが、これが原因で自分でも判らない内にイライラしたりします。
幼少期に受けたトラウマが虐待などからくる場合は、イライラだけではなく、悲壮感やボーっとすることもあります。
心の安定に著しく欠け、1日の中でも情緒や感情が大きく変化します。
身体的な不健康からくるもの
情緒不安定な人は、身体的に健康ではないことからきている場合も多くあります。
身体が普段から健康的でない場合、精神的なダメージも大きくなるのです。
精神的に落ち込むと、さらに身体に影響を及ぼします。
一旦、悪循環におちいると、中々改善することが難しくなります。
当然、心身ともに自分が思ったとおりにならないことは、精神安定に大きな影響を及ぼします。
慢性的に不健康な人は、常に情緒不安定になるのです。
睡眠障害によるもの
情緒不安定の原因の1つとして、睡眠障害が挙げられます。
最近の世の中は、24時間全ての物事が稼働しているため、人の生活も乱れやすくなっています。
一度、睡眠が乱れると、中々元に戻すことができません。
また、良質なキチンとした睡眠を取らなければ、人の精神は安定しないものです。
寝る時間、睡眠の長さと深さ、寝ている時の環境など、正しい睡眠をとらなければいけません。
睡眠の安定がないと、情緒不安定になってきます。
精神疾患の治療においても、睡眠は最重要事項とされています。
睡眠は、それほど人間にとって重要なことなのです。
情緒不安定を改善策
情緒不安定は悪化していくもので、重度の場合は専門家の治療が必要になります。
しかし、軽度の場合は、自分自身である程度改善していくことが可能です。
改善策は、次の10項目です。
- 規則正しい生活に変えましょう。
- 睡眠時間を最低7時間以上にします。就寝時間は遅くても23時にしましょう。
- バランスのとれた食事をしましょう。特に糖分と脂質の摂りすぎに注意します。
- 日記を書きましょう。自分自身の自覚のためです。
- 運動をしましょう。ストレッチなどで軽く汗がにじむ程度で充分です。
- できる限り入浴しましょう。ぬるめのお湯でゆっくり入ることが理想的です。
- アロマテラピーなどで部屋を落ち着く部屋に変えましょう。
- 腹式呼吸をおぼえましょう。ゆっくり鼻から息を吸います。その際にお腹を膨らせます。限界まできたら、今度は口からゆっくり息を吐き出します。その時にお腹をへこませましょう。これを、約10分ほど繰り返します。
- 腹式呼吸をおぼえましょう。ゆっくり鼻から息を吸います。その際にお腹を膨らせます。限界まできたら、今度は口からゆっくり息を吐き出します。その時にお腹をへこませましょう。これを、約10分ほど繰り返します。
- 枕などを口に当てて大声を出してみましょう。気が済むまで声を出しましょう。
段階としてこれらに慣れたら、頭を空っぽにすることもおぼえていけたら理想的と言えます。
ただし、全ての症状にセルフケアが合致するとは限りませんので、気軽に心療内科やセラピーを受けてみることも考えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、情緒不安定の原因と対策について説明してきました。
情緒不安定になるのには、色々な理由があることがおわかりいただけたと思います。
外的要因の場合であれば、意外と問題の解決によって簡単に改善される場合があります。
しかし、内的要因の場合、情緒不安定になっている自覚すらない場合があります。
人に指摘された場合は素直に受け入れ、改善に努めることが望ましいでしょう。