学生の頃にも、その傾向はあったけれど、何とか学生生活はやってこられた…
けれど、色々な職種や年代と関わるために大切なコミュニケーション技術が求められた時、初めて発達障害と診断されることがあります。
人の発達障害も、実は、先天的な特性です。
そのため、発達障害そのものを治すことはできませんが、自分の特性を理解して、社会に適応することは可能です。
では、その社会に出てから気がつく大人の発達障害の特徴について詳しくお伝えします。
空気が読めない
学校では、授業を受けてさえいれば、勉強をしてさえいれば、大目にみてもらえていたことでも、社会に出るとそうはいかなくなります。
なぜなら、マニュアルや業務規程に書いていない、暗黙のルールがあるからです。
お局さんとの関係、組織や部署の風習、本音と建て前、その場の自分がおかれた立場に応じて、自分が取らなければならないルールを読み取ることがうまくできません。
明文化されていないルールが読めない、これが大人の発達障害の特徴です。
メールの書き言葉と話し言葉の区別ができない
社会に出ると、上司や他部署、お得意様への連絡など、メールでの応対が増えます。
普通であれば、一般常識を身につけるとともに、メール特有の言葉の言い回しや表現も覚えていきますが、大人の発達障害と言われる人は、話し言葉と書き言葉の区別をつけることが苦手な傾向にあります。
そのため、うっかり相手先との関係や、適切な言葉遣いを考えずメールを送信してしまい、メールを読んだ相手を怒らせてしまうことがあります。
会話であれば伝わることでも、書き言葉は受け取る側の捉え方を考えて表現しないと、誤解を招くリスクが高いコミュニケーションツールです。
その配慮ができないことも、大人の発達障害の特徴の一つです。
他者視点で物を見ることが苦手
大人の発達障害と言われる人は、自分中心で物事を考える傾向が強いため、相手の視点で物を見ることができない特徴があります。
私たちは、相手の言葉そのもの、文書そのもの、ではなく、その裏にある言葉や思いを読み取って、相手の体験や気持ちを理解しようとします。
けれど、大人の発達障害と言われる人は、共感や相手の言葉の裏にあることが読めないため、「○○さん、いますか? 」と聞かれたら「います」とだけ答えたり、逆に相手の言葉を疑わず、騙されたりしてしまうこともあります。
相手との距離感がつかめない
大人の発達障害と言われる人は、相手との距離感をつかむことを苦手とする特徴もあります。
普通、上司や目上の人と接する時や、同僚や友達といる場合とでは、相手との距離感を変えて接します。
けれど、大人の発達障害と言われる人の中には、誰に対しても、自分が心地よい距離感で近寄ってしまうため、厚かましくとられてしまったり、逆にそっけなく思われてしまうことがあります。
「ちょっと離れてくれる? 」
「いつまでたっても、他人行儀だね」
と言われることが多い方は、要注意かも知れません。
臨機応変ができない
大人の発達障害と言われる人は、決まったことやマニュアルに書いてあることはできるけれど、時間や相手に応じて、臨機応変にやり方を変えることができない特徴もあります。
仕事によっては、この特徴が高い評価を受けることもありますが、人と関わる仕事では、この「臨機応変に対応ができない」ことは、本人を追い詰めることになりかねません。
もちろん、臨機応変に対応ができない事は、大なり小なり、誰でも経験することです。
ただ、大抵の場合、覚えたての仕事は臨機応変どころではないですが、徐々に適応し、自分なりの方法を考え出します。
大人の発達障害と言われる人は、この適応する力が弱いため、臨機応変に対応ができない部分が目立つのかも知れません。
繰り返し説明しても、覚えられない
あなたの周りに、何度説明しても覚えられない部下や同僚の方はいませんか?
実はこれも、大人の発達障害のひとつです。
学生の頃は、自分のペースで覚えたり、自分が好きなことを伸ばすことで何とかクリアできますが、仕事ではそれが通用しません。
興味のないことでも、担当となればこなさなければなりませんし、同時にいくつかの仕事を抱えなければならないこともあります。
けれど、発達障害と呼ばれる人の中には、注意力が持続できない、短期記録(ワーキングメモリー)が小さい人もいます。
覚えるキャパが少ないのに、周囲から好きでもない多くの情報を提供されるため、同じところでミスを繰り返すのです。
転職を繰り返す、熱が冷めやすい
新しいことや、何かに夢中になるパワーはあるけれど、うまくいかないことがあると、急に興味がなくなってしまったり、仕事を放りなげてしまったりすることも、発達障害の特徴のひとつです。
子供の時は、それでも両親や先生が、フォローしてくれて何とかなります。
けれど、大人になって社会に出ると、自分が好きなように行動できる反面、責任は自分が取ることになります。
新しいこと、やってみたいことを求めて転職したけれど、やってみたら自分に合っていなかったから短期間でやめてしまう。
新規プロジェクトを自分の思うようにできると思って手を挙げたけれど、途中で面倒になって仕事が停滞してしまった。
自分自身の行動パターンは子供の頃と同じだけれど、社会に出ると、不適応とレッテルを張られる行動パターン。
これも、大人の発達障害の特徴のひとつです。
まとめ
いかがでしたか?
もしかしたら、自分の中にも、大人の発達障害の特徴を見つけた方もいたかも知れません。
しかし、現在、社会や会社で適応できているのであれば、それほど気にする問題ではありません。
問題は、うまく適応できず、自分も周りの人も困ってしまっている場合です。
そんな時は、一度、臨床内科や精神科を受診してみても良いかもしれません。
いつも、同じことで失敗する、周囲の人と合わせられなくて悩む人は、自分の行動を振り返る時間を取ってみて下さい。
発達障害であっても、自分の行動・思考パターンに気づくことは、周りと上手くやれる方法を見つけるきっかけになります。