現代社会で、仕事をして生きていくのは非常に辛いものです。
終身雇用制も崩壊し、今やパートやアルバイト、派遣が重宝され、正社員はないがしろにされていると言っても過言ではありません。
派遣の人員などは、正社員である自分よりも仕事ができたりするなど、自信を失ってしまうことも少なくないでしょう。
仕事は、ただでさえ嫌なもので、何もかもをうまくこなすのは、簡単なことではありません。
そんな風に仕事がうまくいかないときは、もう辞めてしまおうかと考えることもあることと思います。
そこで、今回は仕事がうまくいかないときに、どういう方向に進むにせよ、考えるべき大切なことをお伝えします。
仕事はうまくいかないものと考える
心理学的に、最初から自分自身に期待を抱かずにいると、いわゆるショックアブゾーバーになり、実際にうまくいかないときもショックが少なくて済みます。
「自分ならできる、大丈夫」と思うことが、現実とのギャップを生みますので、最初から期待しないことが、仕事がうまくいかないときに有効なのです。
特に働き始めは、希望に燃え、新しい世界に対する自分という人間に期待もするでしょうし、そうしなければいけないとも思うことでしょう。
ですが、なにごとも最初からうまくいくということはあり得ませんし、うまくいかないことが当たり前なのです。
ましてや、仕事となればできなくて当然なのですから、まず自分を過信することを止めましょう。
仕事はどのみち身につく
今はどれだけ仕事ができなくても、続けていれば誰でもやがて身につきます。
もちろん、その時期に個人差はありますが、目的意識など特別なことをしなくても、やっているだけでできるようになるものです。
「継続は力なり」という言葉があるとおり、まずは何が何でも続けていくという意識が必要です。
続かなければ、転職したところで結局は、同じ結果しか生みません。
仕事がうまくいかないのは当たり前であり、才能や自分に合っているということだけでできるものではありません。
代替行為で和らげる
仕事というものは、探せば自分がやるべきことはいくらでも見つかります。
大切なことは、その仕事を探すこと、その仕事をすることを躊躇(ちゅうちょ)しないことです。
例えば、下仕事的なことでも、それをあなたがすることで、仕事ができる人の助けにもなり、できる人の時間の確保を手伝うことができます。
仕事がうまくいかないといっても、それはその業種においての専門的なことであり、下仕事は誰でもできるはずです。
仕事がうまくいかないときに特に強く感じるのは、自分自身に価値がないのではないかということでしょう。
しかし、上の人や、できる人の仕事を助けることも重要な仕事なのです。
代替行為は、心理学的にも効果があるので試してみましょう。
他者と比較はしない
仕事がうまくいかないと感じるとき、多くの人は他者と自分を比較することから始まります。
もちろん、上司や先輩に指摘されたとしても、指摘している人自体が、あなたと他の人を比べた上であなたを見ているのです。
当然のことですが、努力していないから仕事ができないと周りには判断されるでしょう。
しかし、努力の結果、また真剣に取り組んだとしても、比較対象者のほうが優れていれば、あなたは仕事ができないと判断されるのです。
また、自身と他者を比較し、あせる人は、仕事がうまくいかない->結果をすぐに求める->穴のある仕事をする->より評価が下がるのです。
他人は見ずに、一心不乱に自分の仕事につき進みましょう。
自己評価はしない
仕事がうまくいかないと強く感じたり、あせる人の特徴は、自己評価をする人が多いということです。
この世の全てのことは、他者に認められることで量るべきであり、自分で評価して正当だった試しはありません。
心理学の側面から見ても、自分への採点は誰しもが甘くなるものです。
そんな甘い評価では、仕事の吸収においては、ジャマになるだけです。
仕事がうまくいかないと思っている人は、「こんなに努力しているのに」、「自分はできるはずなのに」と甘い採点で判断しています。
正当な評価で現在の自分を見つめ直すことでしか、仕事に対しての向上はあり得ません。
古臭い考えにこそ真実と評価がある
上司や年配の人は、仕事にもいわゆる精神論を持ち出します。
しかし、今やそういう言葉は死語であり、そういう人たちが多かったり、精神論ありきの会社は「ブラック企業」と言う名でひとくくりにされています。
ですが、仕事の評価というものは、結局は上の人間がする場合が多く、「古臭い考え」と一蹴(いっしゅう)することは簡単ですが、それでは評価を受けることは無理です。
器用に仕事をこなしたり、器用に人づきあいの上で立ちまわれない人は、泥臭く仕事をするしかないのです。
例えば、誰よりも早く出社し、下仕事をし、誰よりも遅く帰る。
また、残業や休日出勤もいとわない精神も大切でしょう。
仕事がうまくいかないと思っているかも知れませんが、上の人が最も必要とする人材は「当てになる人」なのです。
そういう意味でも、遅刻しない、休まない、早退しない、残業はする、休日出勤はする、こういう人材ほど求める人材なのです。
器用に仕事をこなしていても、「当てにならない人」の評価は低いものです。
最終的に認められる人間は、誰よりも率先して泥臭い仕事ができる人であり、それでこそ下の人間を持ったときに役立つのです。
人生は仕事だけではない
仕事がうまくいかなくて悩んでいるとき、常にそれで頭をいっぱいにすることは良くありません。
人間には「リセット」も必要なことですし、リフレッシュも必要です。
仕事だけにとらわれると、逆に上手くいきません。
心理学的にも、あまりに1つのことに執着してしまうと、そのことで狭い視野しか持てなくなります。
執着をなくせば、大きく広く見つめ直すことができるのです。
すると、今まで気づかなかったことや、自分や他者をも客観的に冷静に判断することができるのです。
仕事は、自分の人生のためにある附属品であり、人生そのものではありません。
人生は、仕事のためにあるのではないのです。
こうした思考の転換は、とても重要なことです。
仕事がうまくいかないときは、やたらと焦らずに、逆に、余裕を持つことも大切なことですので、自分なりのリフレッシュ方法を考えておきましょう。
人生も仕事もマラソンと同じ
仕事がうまくいかないと悩んでいるとき、そこはまだゴールではありません。
また、スタートが良いからといって、ゴールも良いとは限りません。
中小企業関連の経営者のアンケートなどの統計では、最初から器用で人づきあいも良い人が出世するとは限らないことが判っています。
不器用な人が、出世できないということがないことも判っています。
器用な人は、伸びしろがなく、努力を怠ってしまうケースが多く、不器用な人ほど、努力が終わることがないのです。
これはマラソンと同じであり、人生もまたマラソンです。
何も考えずにスタートダッシュをすれば、後々困ることになるのです。
ペースを守りながらも実直に努力する、これが本当の成功の秘訣なのです。
今、仕事がうまくいかないといって、今後も延々と同じということはあり得ないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、仕事がうまくいかないときに大切なことについてお伝えしました。
多くの人は「今」にとらわれすぎており、過去をふりかえり、未来を想定することがありません。
今がダメなら未来もダメということはあり得ないことなのです。
もちろん、今がダメということにとらわれてしまえば、この先も大きなマイナス要素が働きますので、転換していくことは困難になります。
ですが、変わることはできる、やがて仕事がうまくいくと思っていれば、いずれは自分のものにしていくことができます。
思い込み効果は、心理学でも実証されているものですので、あまりにダメだ! ダメ! だと思わずに、臨むことが大切なのです。