近年、対人コミュニケーションをストレスに感じる人が多くなってきています。
周囲の人たちに気遣いができる人ほど、自分を抑え込んでしまうため、より大きなストレスを抱えてしまうと言われています。
ストレスがたまってくると、誰とも話したくない気持ちに陥ってしまうこともあるようです。
そのような状態が長く続いてしまうと、精神的に深刻な症状を引き起こす可能性も高くなるため、できるだけ早めに改善しておく必要があります。
そこで今回は、重大な心の問題を引き起こす前に、誰とも話したくないと感じる心理状態やそうなってしまう理由を検証して、そこから引き出された対処法をご紹介します。
また、万一「うつ病」などのような重大な状態に陥ってしまった時の改善方法も合わせてお伝えしていきます。
こうした対処法や改善方法を知っておくだけでも気持ちが楽になりますよ。
誰とも話したくない気持ちになる理由とは?
現代社会において、「ストレス」というのは、様々な理由により誰もが抱えてしまうものです。
特に、対人コミュニケーションのストレスは、学校や会社などの集団生活の中ではある程度仕方がないと割り切って考えることも必要なのかも知れません。
しかし、真面目で頑張り屋さんな人ほど「周りの空気を乱さないように」気を使いすぎてしまうのではないでしょうか。
そうしたことを続けていると、次第に心が疲れてしまい、誰とも話したくない気持ちに陥ってしまうこともあるようです。
そこでここでは、まず、誰とも話したくない気持ちになってしまう理由を考えていきましょう。
誰とも話したくない気持ちってどんな時?
誰とも話したくない気持ちになる理由の一つに「ストレス」があります。
ここでいうストレスとは、特に「対人コミュニケーション」のことです。
学校や会社などでの人間関係において、自分の気持ちを伝えるということはとてもエネルギーを使うことです。
相手にできるだけ不快な思いをさせずに自分の気持ちも伝えていかないと、良好な人間関係を築いていくことはなかなか難しいのが現状です。
しかし、真面目で周囲に気を遣う傾向にある人ほど「空気を乱したくない」「相手と揉めたくない」と思うため、自分の気持ちを伝えることを我慢してしまいます。
そうした状態が続くと、徐々に対人コミュニケーションそのものが面倒になってしまい、誰とも話したくない気持ちになります。
誰とも話したくない理由
では、こうした誰とも話したくない気持ちをさらに突き詰めて考えてみましょう。
例えば…今あなたが、誰とも話したくないと思っているとします。
その理由が、先程述べたように「人間関係のストレス」によるものだとしたら、あなたは「人と関わることが嫌だ」と思っているから誰とも話したくない気持ちになっているのではないでしょうか?
そこで考えてみてください。
なぜ、人と関わることが嫌なのでしょうか?
面倒くさいという漠然とした答えではなく、具体的にどんなことが嫌なのかを考えてみてください。
相手の顔色や周囲の空気が気になり、気を使うから嫌なのでしょうか?
それとも、自分の気持ちを伝えた時に相手から批判や否定をされるのが嫌なのでしょうか?
または、自分と相手を比べると劣等感を感じるから嫌なのでしょうか?
このように、どんな理由で誰とも話したくない気持ちになってしまったのかを考えていくと、おのずと一つの答えが見えてきます。
それは、あなた自身の心が自分軸ではなく、「他人軸」になってしまっているということ。
つまり、あまりにも自分以外の存在である「他人」を意識し過ぎてしまうため、批判や劣等感を抱いてしまうことが嫌なのです。
この他人軸を「自分軸」に戻していけば、人と関わる気持ちが変わっていくため、誰とも話したくない気持ちも自然と変わっていきます。
誰とも話したくない時の心理
さらに、掘り下げて考えてみましょう。
対人コミュニケーションにおいて他人を意識し過ぎてしまうのは、自分の中に「ある心理」があるからだと考えられています。
それは「不安感」という心理です。
不安とは、何かに対して心配に思ったり恐怖を感じたりする心理状態のことです。
ここでの場合は、人と関わることで「自分が否定されるのではないか? 」「自分は相手より劣っているのではないか? 」という不安です。
この不安感により、人と関わることが嫌になり、誰とも話したくない気持ちに陥ってしまいます。
こうした不安感を解消すると、人と関わることが嫌でなくなっていくため、自然とその気持ちも和らいでいきます。
誰とも話したくない時の対処法
このように、誰とも話したくない時には、多くの場合が「人と関わることが嫌だ」という理由を持っていることがわかります。
さらに、そうした気持ちを変えるのは「他人軸ではなく自分軸に変わる」ことと「不安感を解消する」ことがカギとなるようですね。
そこでここでは、そうした検証を踏まえた上で、誰とも話したくない時の対処法をご紹介します。
誰とも話したくない時の対処法16個
極力外出をしない
実際に、誰とも話したくない時には、まず気持ちを落ち着けることが大切です。
誰とも話したくないほどの気持ちになっているということは、抱えている不安感がより大きくなり、人の目もいつも以上に気になってしまっている状態です。
ですから、まずは少し気持ちを落ち着けてから問題解決について考えていく方が良いでしょう。
そのためには、極力外出をせず、外部との接触を断つ、という時間も必要です。
一人になって、気持ちを落ち着ける時間を作ってみましょう。
通信機器の電源を切る
極力外出をしないということは、当然ながらずっと自宅や自室に引きこもることになります。
ですが、現代社会はインターネットや携帯電話などの情報網が完備された「情報社会」です。
外部との接触を断ちたいと思っても、携帯電話に電話やメールが来たり、ついついSNSなどを見てしまいがちです。
そういったことをしてしまうと、外部との接触を断つために外出を避けているにも関わらず、人と関わりを持つことになってしまいます。
また、SNSなどはインターネット上での対人コミュニケーションの場ですから、結局、周りがどんな投稿をしているのか…と、人の目を気にしてしまうことになります。
ですから、そういった事態にならないように、思い切ってパソコンや携帯電話などの通信機器は電源を切ってしまいましょう。
ずっと携帯電話に依存してきたような人にとっては勇気のいることかも知れませんが、人との関わりにつきものの煩わしさから解放されるので、意外とすっきりします。
周囲に「体調が悪い」と伝える
このようにして、できるだけ誰とも話さない環境づくりをしてみても、引きこもっているあなたを心配して人が訪ねてくるかも知れません。
また、誰とも話したくないと思っていても仕事や学校を休めない人もいます。
そんな時には、特に体調が悪くなくても「体調が悪い」と周囲に伝えておくと良いでしょう。
多くの場合、体調が悪いという人に対して、積極的に話しかけようとする人はいません。
あなた自身も、マスクをして外出をするなどして「体調が悪い」フリをするというのも効果的です。
こうしておけば、あなたに対して周囲が積極的に話しかけてくることは少なくなるので、どうしても誰とも話したくない時にはぜひ試してみてくださいね。
体調を整える
あなたが今、誰とも話したくない気持ちになっている理由として、本当に体調が悪いことが関係している場合があります。
人間の身体と心の間には非常に深い関係があり、ちょっとした体調の不調が原因で、精神や思考がネガティブになってしまうこともあります。
ですから、下記のようなことを試して体調を整えるようにすると、次第に気持ちが明るくなり人と関われるようになっていきます。
身体を温める
人は身体が冷えていると、思考がネガティブになり、抑うつ感などが生じやすくなると言われています。
また、身体が冷えていると、自律神経の働きが鈍くなり、脳内ホルモンが分泌されにくくなります。
そうすると、自然と気持ちがネガティブになり、誰とも話したくないと思ってしまいます。
ですから、誰とも話したくない気持ちになっている人の中で、自分は冷え性だという自覚がある人は、できるだけ身体を温めるようにしましょう。
身体を温める効果があるショウガなどを積極的に食事に取り入れたり、入浴時にはしっかり湯船につかるなどして、できるだけ身体を温めてください。
ストレッチやウォーキングなどの適度な運動も、血行を促進して身体を温める効果があります。
食事に気を付ける
身体を温めると、自律神経の中の副交感神経が優位に働き、気持ちがリラックスします。
また、脳内ホルモンの一つである「セロトニン」の分泌が促されて、幸福感をもたらしてくれるとも言われています。
ですから、身体を温める効果がある食品を積極的に食べていきましょう。
身体を温める効果のある食品には、ショウガの他にも、根菜や香辛料、カカオ豆などがあります。
ただ、カフェインの含まれている物、たとえば、コーヒーなどには身体を冷やしてしまう作用があると言われていますので、避けましょう。
生活リズムを整える
体調を整えるためには、生活リズムを見直すことも必要となってきます。
せっかく身体を温める食生活を心がけていても、不規則な生活リズムのままでは効果も半減してしまいます。
生活リズムを整えると、自律神経のバランスが整い、精神状態を安定させることができると言われています。
自律神経のバランスを整える方法は複数ありますが、一番手っ取り早い方法は「朝日を浴びる」ことです。
人間の身体には、太陽光を浴びることで別名「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」の分泌が促進される機能があります。
また、太陽光には、ビタミンDの生成を促進する働きもあるため、免疫力もアップします。
生活リズムを整えることで体調不良が改善すると、少しずつではありますが、誰とも話したくない気持ちも和らいでいきます。
ホルモンバランスを整える
特に、女性の場合は「ホルモンバランスの乱れ」による気持ちの変動が起こりやすいと言われています。
女性の身体は、生理周期によって、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが変動します。その影響で、精神的に不安定になることがあります。
これは、女性特有の症状で「生理前症候群(PMS)」と呼ばれる症状の一つです。
また、更年期にさしかかる40歳前後の年代でも、エストロゲンの分泌が急に減少することがあり、精神的に不安定になることもあります。
こうした状態の時に、気分が落ち込み、誰とも話したくない気持ちになることもあります。
ですから、女性の場合は、体調に気を付けるとともに、ホルモンバランスを整えることにも気を配っていく必要があります。
女性ホルモンのバランスが乱れていると感じた場合は、専門医で女性ホルモン補充療法を受けるなどしてみてください。
そうすることで、気持ちが軽くなることがあります。
また、女性ホルモンに似た作用があるアロマやハーブも対策のひとつの手段となります。
クラリセージやゼラニウムなどのアロマやハーブには、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をする成分が含まれています。
こうしたものをセルフケアに取り入れながら、生活リズムを整えるとともにホルモンバランスも整えていくこともできます。
特に自律神経のバランスを整える
こうした方法を見ていくと、誰とも話したくない気持ちを改善するために共通しているのは「自律神経のバランス」だということが分かってきました。
自律神経には、リフレッシュ状態の時に優位になる交感神経と、リラックス状態の時に優位になる副交感神経があります。
普通の状態であれば、仕事や学校に行っている時には交感神経が優位になり、自宅に帰って休む時には副交感神経が優位になるようにバランス調整されています。
しかし、ストレスや生活リズムの乱れなどが原因で、自律神経のバランスが崩れてしまうと、精神状態にも悪影響を及ぼします。
特に、気持ちが落ち込み、誰とも話したくないといった不安定な状態になってしまっている時には、自律神経のバランスが乱れている可能性が高いです。
昨今はストレスを抱えた人がとても多く、常に交感神経が優位になってしまい、リラックスできない人が急増しているとも言われています。
ですから、体調を整える時には、特に自律神経のバランスを意識することが重要です。
気分転換を図る
体調を整えることを日常的に心がけていても、やっぱり誰とも話したくない気持ちになってしまう時もあるでしょう。
そんな時には、自宅や自室を出て、一人でどこかへ外出をし、気分転換を図るのがオススメです。
車があるなら、一人でドライブに行ってみても良いですし、そうでないなら、近場にある静かな場所へ足を運ぶのも良いでしょう。
図書館で静かに読書をするのも良いですし、一人で映画を観に行くのも良いでしょう。
また、夜であれば、静かなバーへ行って美味しいお酒を飲んで時間を過ごすのも良いでしょう。
あなたに合った方法で気分転換を図って、気持ちを和らげましょう。
一人でしかできないことをやってみる
こんな時だからこそ、一人でしかできないことに思い切ってチャレンジしてみるのも良いです。
例えば、以前からやってみようと思っていたけどなかなか手が出せずにいた趣味など、気分転換も兼ねてこの機会にぜひチャレンジしてみてください。
新しい世界が広がることで気持ちが変わり、誰とも話したくない気持ちも改善していく可能性があります。
こんな時だからこそ、自分の可能性を信じて、一人でしかできないことにもチャレンジしてみましょう。
思考や感情を整理する
ここまでしても、誰とも話したくない気持ちが続いている場合には、一旦、あなたが今どのような状態に置かれているのかを客観的に認識し直す必要があるかもしれません。
「なぜ、誰とも話したくないのか」再度、整理してみましょう。
そのために効果的な方法が「紙とペン」を使う方法です。
まず、紙に自分が今どのような気持ちを抱えているのかを書き出します。
その後に、「なぜそのような気持ちなのか? 」という理由を書いていきます。
こうすることで、自分の心を視覚化して認識することができるのです。
まずは、自分の気持ちや感情をしっかり整理するところから始めていきましょう。
他人軸を自分軸に変えるには?
自分の感情を客観視することができるようになると、何が問題なのかがおのずとわかってきます。
例えば、あなたを誰とも話したくない気持ちにさせてしまっている理由が「人からの批判や否定が気になる」という場合には、他人を意識し過ぎてしまう「他人軸」が原因であると考えられます。
他人に言われるがまま生活を送っているわけではないので、当然、自分の意思で、「自分軸」で生きているように感じているかもしれませんが、実はそうできている人はそれほど多くありません。
周囲の空気を乱さないように気を遣うあまり、他人の意見を意識し過ぎる「他人軸」になっている人は、結構多くいます。
他人軸に陥ってしまうタイプの人は、とても真面目で気配り上手、そして子どもの頃に親から厳しく育てられた経験を持つ人が多いと言われています。
なぜなら、他人軸というのは、いわゆる「こうあるべき」というルールのようなもので、幼少期に親から厳しくルールを示されて育った人は、いつの間にか他人軸で生活することが当たり前になってしまっているからです。
そうなると、自分の意思を他人に伝える時にも相手の顔色を伺ってしまい、気を使いすぎて心が疲れてしまいます。
そんな状態が続き、誰とも話したくない気持ちに陥ってしまいます。
このような問題は、「他人軸」を「自分軸」に変えていくことで解決することができます。
他人軸を自分軸に変えるためには、まず自分の許容範囲を広げていくことから始めてみましょう。
今まで自分が持っていた「こうあるべき」というルールをゆるめて、自分を許してあげるようにしてみてください。
そうすると、自分の感情が少しずつ芽生えてきます。
今までは我慢して他人に合わせてきたことも、本当は嫌だったと思えるようになるのです。
しかし、他人軸から自分軸に変える過程では、今までのルールに従えない自分に対して「自分はなんてダメなんだ」と思ってしまうこともあります。
そんな時にも、自分を許してあげることを忘れずに行いましょう。
他人軸を自分軸に変えるカギは「自分を許す」という気持ちです。
不安感を解消するには?
また、感情や思考が他人軸になってしまっている人ほど「不安感」が強いと言われています。
他人軸になっている人は、常に人の目を気にする傾向にあります。
そうすると、いつも人が自分に対して「何を言うのか」「何をするのか」が気になり、不安になってしまいます。
そんな不安感を常に抱えているため、ストレスや体調不良などが重なると、ますます不安感を強めてしまい、誰とも話したくない気持ちに陥ってしまいます。
では、どうすれば、この不安感を解消することができるのでしょうか?
不安感を解消するには、「なぜ、自分が今不安なのかをできるだけ我慢せずに吐き出す」ようにしてみてください。
先程お伝えした紙に書き出す方法でも良いですし、言葉にならない不安感を抱えているなら、感情のままに思い切り泣き叫ぶのも良いでしょう。
そうすることによって不安な気持ちが和らぎ、思考も不安にだけ支配されないようになります。
そうやって気持ちが少し落ち着いたら、改めて自分の気持ちを見つめ直していけば良いのです。
都度、不安感を解消して、少しずつ自分の心を取り戻していきましょう。
話したいと思える人に話す
誰とも話したくないと思っていたとしても、本当は誰かに気持ちを聞いて欲しかったりする時があります。
つまり、誰とも話したくないのではなく、実は、「自分が嫌いな人と話したくない」だけなのかも知れません。
また、あまりにも周囲に気を使いすぎてしまい、不安な気持ちさえ話せなくなってしまっている可能性もあります。
ですから、あなたが自分の気持ちを話してもいいと思える人がいたら、思い切って自分の心の内を話してみましょう。
そうすることで良い気分転換になり、自分の本心に気が付くきっかけになるかも知れません。
ですが、これはあくまで「話したい」と思える人がいた場合です。
そう思える人がいない場合は、無理はしないでください。
専門科のところへ行く
ここまでお伝えした様々な対処法を試してみても、誰とも話したくない状態が長期間にわたって続く場合には、何らかの精神疾患にかかっている恐れがあります。
例えば、うつ病には気分障害という症状があり、気分が極端に落ち込み、誰とも話したくなくなることがあるようです。
また、女性の場合には、ホルモンバランスの変化によって、精神が影響を受ける「生理前症候群(PMS)」の可能性も考えられます。
さらには、自閉症スペクトラムやスキゾイドパーソナリティ障害のような発達障害を抱えている場合にも、誰とも話したくないような気持ちの落ち込みがあると言われています。
もし、このような精神疾患に思い当たる節があった場合には、精神科や婦人科などの専門医を受診するようにしましょう。
特に人間関係が煩わしい時の対処法
ここまでお伝えしてきたことを読んでいただくとわかるように、誰とも話したくない時には、人間関係の煩わしさが大きく関係しています。
私たち人間は、お互いが関わることで、様々な感情を持ち、その感情によって極度にストレスを感じたり、ネガティブな気持ちに陥ってしまうことがあります。
では、特に人間関係が煩わしいと感じてしまうときには、どう対処すればよいのでしょうか?
この時に一番大切なのは、あえて「人と無理して関わろうとしない」ことです。
人と関われない自分をダメだと思わずに、「人と関わらなくてもいい」と自分を許してあげてください。
自分を許し、自分の気持ちを大切にすることができれば、誰とも話したくないといった気持ちも改善していきます。
自分自身との信頼関係を築いて気持ちを改善するには?
自分の気持ちを和らげることができたら、次は、自分自身との信頼関係を築いていきましょう。
必要以上に人間関係が気になる時というのは、思考や感情が「他人軸」になってしまっている可能性が高いです。
心のどこかで「自分よりも他人の方が正しいのではないか」と思ってしまっているため、自分で自分を信頼することができません。
他人とより良い信頼関係を築くためには、まず自分との信頼関係を築かなくてはいけません。
自分のことが信じられない人は、他人のことも信じられません。
自分を認める「自己肯定感」を高めることで、自分自身との信頼関係を築いていくことができます。
どんなに自分が失敗しても、他人から批判されることがあっても、自分だけは自分のことを認めてあげましょう。
そうすることができれば、今抱える誰とも話したくないといった気持ちを改善することにもつながっていきます。
自分を大切にすることを心がけて、自分自身との信頼関係を築くのです。
誰とも話したくない時は「うつ」かも?
誰とも話したくないといった気持ちそのものは特に病気ではありませんが、病気になる一歩手前の可能性があります。
特に、こうした気分障害と呼ばれる症状が現れる時には「うつ病」の恐れがあります。
うつ病は、真面目で頑張り屋さんであればあるほど、かかりやすい病気だと言われています。
そこでここでは、うつ病について詳しくお伝えしていきます。
つらい気持ちを我慢していても症状を悪化させるだけなので、これからお伝えすることを参考にしながら対処していきましょう。
うつ病とは?
うつ病とは、憂うつな気分や食欲、意欲などの低下、不眠などの心理的な症状が続くだけではなく、様々な身体的な自覚症状を伴うこともある状態のことです。
うつ病という病気は、環境の変化やストレス、ホルモンバランスの変化など、様々な要因が重なり合って引き起こされると考えられています。
生まれ持った性格が真面目で繊細な人ほど、こうした変化に対してストレスを感じやすい傾向にあると言われており、少しでも疑いがあれば、できるだけ早く専門医の診断を受けた方が大事に至らなくて済みます。
うつ病の症状というのは、人によって表れ方に個人差があると言われていますが、代表的な症状は下記に挙げられているものです。
【精神的な症状】
- 気分が落ち込み憂うつである。
- 気持ちが晴れず、すっきりしない。
- 悲しい、さびしい、むなしい、泣けてくる。
- 不安感が強い。
- イライラする、焦る、いたたまれなくなる。
- 感情が抑えられない、または、感情がわいてこない。
- 死や自殺について考える、死にたくなる、自殺の方法について調べる。
- 考えがまとまらず、決断できない。
- 勉強や仕事や家事に集中できず、ミスが多くなった。
- 誰とも話したくない、会いたくない。
- 外出する気持ちになれない。
- 少しでも不幸なことがあると、すべて不幸だと感じる。
【身体的な症状】
- 朝早く目がさめる、夜中に睡眠途中で目がさめる。
- 寝つけない、または、眠りが浅い。
- 疲れがとれない、疲労感が続く、体がだるい。
- 食欲や性欲が低下する、体重減少がある。
- 頭痛、腰痛、頭重感、肩こり、首の痛みがある。
- めまい、立ちくらみ、耳鳴りがする。
- 息苦しい、胸が圧迫される、声が出にくい、胸が苦しい、動悸、息切れ
- 手足がしびれる、力が入らない。
- 吐き気、腹痛、便秘
引用元:http://iyashi.find21.net/utsu/u34keika.html
こうした精神的な症状、または身体的な症状のすべてが現れるわけではありませんが、うつ病を患う人の多くに誰とも話したくないといった気分障害の症状が現れると言われています。
ですから、あまりに長くこうした気持ちが続く場合には、早く専門医を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
「うつかも?」チェック
そこでぜひやってみていただきたいのが「うつかも?」チェックです。
もし今の自分の状態が「うつ病かも?」と思っている人がいたら、ぜひ一度やってみてください。
「うつかも?」チェック
《気分について》
- 気持ちがどんよりと沈み込んでいる。
- 「憂うつだ」「悲しい」「何の希望もない」「落ち込んでいる」
- 何もしていないのに、意味もなく「涙があふれ出してくる」
- 「疲れ切った」そんな気がする。
- 午前中は調子が悪く、午後から夕方にかけて改善してくる。
- 身体の痛みや倦怠感を感じる。
《興味や意欲について》
- 何に対しても興味がわかない。おもしろくない。
- 何かをしようという気持ちになれない。
- 友達と会いたくない。 会ってもおもしろくないし、笑える気がしない。
- 色々なことがうっとうしい。 性的な関心や欲求もない。
- 自分の世界に引きこもってしまう。
《摂食障害について》
- 食欲がない。
- 食欲をコントロールできない。
- 「食べなくてはいけない」という脅迫観念を感じる。
- 特定の食べ物ばかりがほしくなる。(食べてしまう。)
- 過食嘔吐を繰り返してしまう。
《睡眠障害(不眠または睡眠過多)について》
- 寝つきが悪い。
- 夜中に目が覚めて寝つけなくなる。(午前3時頃になると突然目が覚める。)
- 朝早く突然目が覚めてしまう。
- 悪夢にうなされる。
- 昼夜が逆転してしまっている。
《運動障害(強い焦燥感運動の制止)について》
- 周りの人から身体の動きが鈍くなったと言われる。
- 誰とも話をしたくない。
- 声が小さいとよく言われる。
- じっと座っていられない。
- 常にソワソワしている。
- イライラして、落ち着いていられない。
《疲れやすさや気力の減退について》
- あまり体を動かしていないのに、ひどく疲れる。
- ひどく身体が重たい。
- 気力がなく、何もする気になれない。
- 一日中寝ていることが多い。
- やらないといけないことはわかっているのに、体が動かない。
《強い罪責感について》
- 過去の些細な出来事を思い出しては、あれこれ悩んでしまう。
- ひとつのことをくよくよ考え込んでしまう。
- 自分に自信がなく、何度もほかの人に確認をしてしまう。
- うまくいかないのは、すべて自分の責任だと感じる。
- 自分を責めてばかりいる。
《思考力や集中力の低下について》
- 注意が散漫になって、ミスばかりしてしまう。
- 何をしても集中できない。
- 物事を決断できない。
- 自分が何をしているのか、または、何がしたいのかがわからなくなることがある。
- 大したことでないのに、あれこれ考えて何も決められなくなる。
- 重要なことなのに、すぐに忘れてしまう。
《自殺願望について》
- 気持ちが沈み込んで、つらくてたまらない
- 自分の気持ちを抑えられない。
- 自分には価値がない、生きていても意味がないと感じる。
- 誰にもわかってもらえず、いいようもない孤独感に襲われる。
- 死んだ方がましだとよく考える。
以上の項目のうち、あなたはどのくらい当てはまりましたか?
これらそれぞれの項目のうち、半分でも当てはまることがあれば、「うつ病」を患っている可能性があります。
また、特に興味や意欲が低下していたり、自殺願望が強くなっている時には注意が必要です。
一刻も早く、専門医の治療を受けるようにしてください。
うつの症状を根本から解消するには?
「うつかも?」チェックに挙げられている症状は、すべてうつ病の代表的な症状です。
うつ病と診断されたら、投薬治療やカウンセリングなどが行われますが、それでも根本的な改善につながらないことも多いと言われています。
例えば、抗うつ剤などは、一時的に症状を抑えるだけで、根本原因を改善することにはなりません。
では、うつ病の症状を根本から解消するために必要なことは一体何なのでしょうか?
それは「感情の抑圧を解放する」ということです。
誰とも話したくない状態も、自分を抑えて他人のことばかり気にしてしまっていたり、そうした不安感に心を支配されることから引き起こされるものです。
ですから、そうした自分の感情を思い切り解放して、すっきりすることが一番なのです。
今まで抑圧してきているので、自分の感情を開放することを非常に難しいと感じる人は多いと思います。
ただ、そうすることが、うつの症状を根本から解消し、うつ病から解放される第一歩です。
まとめ
ここまでお伝えしてきたように誰とも話したくない状態に陥ってしまった時には、まず周囲との人間関係を見つめ直していく必要があります。
そうすることで「なぜ、自分が今誰とも話したくない」と思っているのかが明確になります。
そして、それと同時に、自分自身の価値観を大切にして不安感を解消するように心がけてみましょう。
それでも誰とも話したくない気持ちが改善しない時には、うつ病を患っている可能性があります。
気になる人は、ぜひ精神疾患の専門医を受診するようにしてみてくださいね。
最近まさにそんなかんじです。うつ病とか、自分には関係ないと思っていたのに
最近ずっとそんな感じです。うつ病だと診断されています。なかなか治らないものだなと感じています。治りたい気持ちはあるのに。