社会的動物である人間は、なかなかひとりでは、生きて暮らしていくことはできません。
日常のビジネスの場面やプライベートの場面でも、個人的にあまりおつきあいをしたくはないけれど、浮世の義理で、どうしてもつきあいを避けることのできない相手というのが必ず出てきます。
そういう嫌々ながらのおつきあいを、どのようにしたら安全に無難に切り抜けることができるものか、多くの人が悩んでおられるでしょう。
今回の記事においては、避けて通れない場合に役に立つ嫌な人との付き合い方のコツを紹介いたします。
社会的儀礼を通じて日頃のコンタクトの機会を増やす
とりもなおさず、お互いの心理的な距離を縮めるためには、日頃のコンタクトの機会を増やすことが第一歩です。
お互いに嫌いあっていたとしても、行き帰りの挨拶など、日常的な社会儀礼でやらないよりもやった方が良いものは、積極的にやりましょう。
日頃からの軽いコンタクトの機会を繰り返すことによって、お互いのことを知りあう機会が増えます。
あなたにとって相手が未知のものでなくなれば、相手に対する不安や恐怖は少なくなっていきます。
また、あなたから積極的に相手に礼を尽くすというかたちでコンタクトを取ろうとする姿を周囲にアピールしておけば、相手がそれを無視したときには、周囲のひとたちはあなたの味方になってくれます。
共通の話題を見つける
自分と相手と共通で好きなものがあれば、それをきっかけにして、相手との会話の機会を増やしていって、相手との心理的距離を縮めることもできます。
サラリーマンが、上司や取引先などの避けて通ることのできない相手の趣味に合わせて、ゴルフやら麻雀、釣り、プロスポーツ観戦を始めるようなことは、昔から珍しいことではありません。
ただ、相手が好きなことは相手の知識が豊富なことも多く、無理に話を合わせようとすると、付け焼刃の知識がかえって相手を怒らせる可能性があることは注意が必要です。
共通の敵を見つけるというのも相手との心理的距離をちぢめるために古典的で有効な手口です。
そういう政治的な立ち回りに嫌悪感を抱く方もいらっしゃるでしょう。でも、あなたがやらなくても、それを意識的にやる人々も世の中には多いです。気がつけば自分が孤立していたという状況にならないようにご注意ください。
前もって困難な状況を想定する
人間関係は『山彦』とも言います。あなたが嫌いだと思っている相手は、多くの場合、相手もあなたのことを嫌っています。
となれば、避けて通れないつきあいの過程で何らかのトラブルが発生する可能性が高いとみておいて良いでしょう。
いかなる分野であれ、経験を積んだ熟練者が、トラブルにうまく対応できることが多いのは、そのトラブルが熟練者にとって未知のものでないからです。
人間は未知のものにぶつかると、不安や恐怖におちいり、緊張のあまり、心も身体も自由に動かすことができなくなります。
日頃から最悪な状況を何種類もイメージトレーニングを繰り返して行っていれば、それが現実化したときにも、ある程度、落ち着いて対処することができます。
間に仲介役を立てる
あなたが、直接、相手と話をできる関係性をつくることができなくても、あなたとも、相手とも、上手に話ができる第三者がいるという場合があります。
そういう場合には、あなたと相手との抗争が本格化しないように、器量のある第三者に仲裁に立ってもらうというのも一つの便法です。
お互いに相手に対して頭を下げるというのは面子が潰れるから願い下げというような状況であっても、それなりの人物に仲介に立ってもらえば、その仲介役の顔を立てるという名目でもって、自分たちの面子をつぶすことなく、お互いに鉾を収めることができます。
相手の人間像のリフレーミングをする
先に紹介した間に仲介役を立てるという方法は、相手に「お前とは直接に話ができない」というメッセージを送りつける効果も必然的に伴ってしまうので、相手が正々堂々の面子を重んじるタイプだとかえって話がこじれることもあります。
そういう面子を重んじるタイプは、一緒にいて息苦しい部分もありますが、いったん仲間になると信頼できる面が多いです。
短所と長所は背中合わせということで、相手の人間像のリフレーミング(見直し)をすると、人間関係がうまく回ることがあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
最後の項目の繰り返しになりますが、本当に、人間の長所と短所は背中合わせです。
相手の良いところを見つけて引き出して、自分の味方にしてしまうのが、無敵になるコツだとも言います。
今回の記事の内容があなたの人生において少しでもお役に立てれば幸いです。