あなたの周りに『気配り上手』な人はいますか?
ここで言う『気配り上手』とは、本当の意味での『気配り上手』です。
混同されがちですが、「気配り」と「気遣い」は違います。
「気遣い」は、相手にも気を遣わせてしまう、ただの自己満足です。
「気配り」は、相手に気を配られているのだということさえも気づかせない、思いやりなのです。
ここに違いがあるのです。
本当の気配り上手になるためのポイントを押さえて、あなたも今日から気配りマスターになっちゃいましょう!
余裕を持つ
まず、気配り上手になるには、自分自身に余裕があることが大切です。
たとえば、やることがたくさんあって忙しくしているときには、目の前のことに一生懸命に集中します。
そういう時に、他人に気配りをと言われても、困ってしまいますよね?
気配りをするためには、他人を思いやる余裕が必要なのです。
周りをよく見る
あなたも、こんな経験はないでしょうか?
頭の中で仕事の優先順位を考えて、次々にこなしていきます。
そして、いろいろなことを考えながら仕事を進めていく最中、いきなり同僚から「これここまでやっておいたから」と、あなたの中で優先順位が低いものを中途半端な仕上がりで渡されます。
あなたの仕事のペースが乱され、しかも中途半端な仕上がりだったおかげで、また一から見直すはめになって、結局二度手間になってしまいました。
あなたは、思わずこうつぶやきます。
「もう、余計な事しないでよ!! 」
同僚はあなたが忙しそうだったから『気配り』をしたつもりでした。
ですが、あなたにとっては『余計なお世話』になってしまいましたね?
これは、同僚があなたのことをよく見ていなかったからです。
気配り上手になるには、まず周りをよく見ることが大切です。
周りの様子をよく観察することで、そこにどんなニーズが生まれるのかを知ることができ、それにそった行動ができるのです。
もし同僚があなたをよく見ていたら、こんな行動になるのではないでしょうか?
あなたの手が休んだその瞬間にタイミング良く、あなたの好きな飲み物を差し出し「お疲れ様。何か手伝えること、ある? 」
こうであれば、あなたも『余計なお世話』だと思わないのではないでしょうか?
相手がしてほしいことを見極める
たとえば、飲み会の席でこんな場面によく出会いませんか?
揚げたての美味しそうな唐揚げがレモンと一緒に、大皿に盛りつけられていました。
けれど、お皿のそばにいた友人が、いきなりレモンをぎゅーっとしぼって、唐揚げ全体にかけてしまい、人数分に取り分けながらこう言います。
「レモン、かけておいたよ」
でも、あなたはレモンをかけずに食べるほうが好みでした。
あなたは心の中でこう思います。
「勝手にレモンをかけるなんて。本当に余計なことをして」
この場合、友人が『唐揚げを取り分けよう』と気遣いを見せました。
それは『自分がお皿に一番近いから、とってほしいというニーズが発生した』と判断したからです。
その判断は間違いではありませんでしたが、不愉快に思う人も出てしまいましたね?
それは「味に好みがある」ということを失念したからです。
人によって味の好みは違うのです。
揚げ物にレモンをかけるのが好きな人もいれば、その逆の人もいます。
そこを見極めずにとった行動が『余計なお世話』になってしまったのです。
ニーズが発生し、それに応える場合は、相手がしてほしいことをきちんと見極めることが大切です。
この友人があなたの好みを把握していて、あなたに唐揚げを取り分けてくれた時に「揚げ物にレモンは苦手だったよね? あなたの分にはかけてないから安心してね」と言ってくれたとしたらどうでしょうか?
あなたは嬉しくなるに違いありません。
また、そういう些細なことも覚えていてくれたんだと感激もするでしょう。
もし、友人があなたの好みを知らなくても、レモンをかけずに唐揚げを取り分けて「レモンが欲しい人がいたら言ってね! 」と言うこともできます。
この場合でも、あなたは「レモンを勝手にかけられなくて良かった! 」と嬉しくなるのではないでしょうか?
気配りは、相手のニーズに対してどういう行動をとることが求められているかを見極めることが重要です。
自ら積極的に動く
気配り上手になるには、行動の早さも大切です。
ニーズが発生して、自分にはそれに応える余裕も気持ちもあるのに、「後ででもいいかな」と後回しにしていたら、他の人がそのニーズに応えてしまう、なんてことはよくあることです。
『鉄は熱いうちに打て』という言葉もあるように、何事もタイミングが大事なのです。
気配り上手な人は、そのタイミングを逃しませんし、そのために積極的に行動することを面倒くさがりません。
タイミングを逃さずに動けるように、普段からアンテナをしっかりはっておきましょう。
感謝を忘れない
人は、目立つものに意識を向けがちです。
たとえば、ドラマではやはり主役が目立ちますよね?
けれど、皆が主役のドラマは成り立ちません。
主役がいて、脇役、敵役など、いろいろな役があってはじめて主役が輝きます。
けれど、その主役が「自分のおかげでこのドラマが成り立っているんだ」などと豪語していたらどうでしょう? 嫌な気持ちになりませんか?
これが逆に「皆がいるからドラマが成功しました。皆のおかげです、ありがとう」と話したらどうでしょうか?
気配り上手な人というのは、周りに感謝を忘れません。
それはどんな時でも、誰かが誰かのサポートやフォローをしていることが分かっているからです。
目立つものだけではなく、目立たないことにも気づき、感謝できることが気配り上手になる一歩なのかもしれません。
相手に寛容である
誰でもミスをして、焦ったり落ち込んだりすることはあります。
それがどんなに些細なことでも、やってしまった本人はとても傷ついているものです。
そんなときに、その傷をえぐるような心無い言動をする人は、気配り上手なのでしょうか?
もちろん、厳しく叱ったり、注意をしたりしなければいけない場面というものはあります。
けれど、気配り上手な人は、今は叱るタイミング、今は許すタイミングと絶妙なバランスで行動し、相手を必要以上に責めることはありません。
相手のプライドを大事にできる、心の余裕が気配り上手には欠かせないのです。
陰口や悪口を言わない
気配りは、相手への思いやりから始まるものですが、相手の尊厳を踏みにじる悪口や陰口はその対極にあると言えるでしょう。
気配りができる人は、他人を褒めても、悪く言うことはありません。
なぜなら、悪口や陰口は人間関係を壊しかねないものだと分かっているからです。
常に周りに感謝している人が、わざわざ自分から人間関係を壊すようなことをするはずがありません。
気配りは、思いやり。
それを忘れてはいけないのです。
まとめ
気配り上手になるには、実はそんなに難しいことではありません。
相手への思いやりがあり、それを表現するタイミングと方法さえ間違わなければ、誰にでもできることです。
けれど、最後に一つだけ。
相手への思いやりを忘れないのと同じように、あなた自身への思いやりも大切にしてください。
誰かに気配りしたならば、あなた自身にも気配りをしてください。
気配りは、自己犠牲の上に成り立つものではありません。
誰かへの気配りを意識するあまり、あなた自身を大切にしないのでは、本末転倒です。
誰かにも、そしてあなた自身にも、タイミングよく気配りをすることが、本当の気配り上手なのです。