「マルチプルアウト」。
この言葉を知っている方は、きっと盲目的に占いを信じることはないでしょう。そしてこの言葉を初めて聞いたという人であれば、この記事を読み終わる頃には、初対面でも物怖じすることなくコミュニケ―ションがとれるようになるかもしれませんよ。
まずは、マルチプルアウトについて正しく理解して頂いたのち、ケース別に心理操作法についてご紹介していきます。悪用はしないでくださいね。
マルチプルアウトについて正しく知る
まずはマルチプルアウトという耳慣れない言葉についてご説明します。
例えば、占いにおいて、「あなたは、なにか大きな買い物をしないと、不幸になる」と言われたとします。あなたはその助言を信じなかったのですが、その後もこれといって不幸なことはありません。
そこで、あなたは再び占い師を訪ね、文句を言うことにしました。「自分は何も大きな買い物をしていないけど、不幸なことは起こらなかった」と。するとその占い師はこう返す。「でも、あなたは“自分にとって何か良いもの”を買ったはずですよ」と。
これがマルチプルアウトの一例です。わかりにくいですか?
要は、いかようにもとれるようなことを言って、何か都合が悪ければ、あとから言葉自体を軌道修正してしまうことです。
「あなたは繊細な人ですね」という誰にでも当てはまってしまうような言葉も、曖昧な表現を使うマルチプルアウトの典型として挙げられるものです。
「あなたが選ぶカードはわかっていました」の秘密
上手なマジシャンのトリックというのは、どんなに注意深く見てもわからないものですよね。
たくさんのカードの中から他人が選んだカードをピタリと当ててみせるマジックを、一度は見たことがあるのではないでしょうか。もしあなたがその場でにいて別のカードを選んだとしても、マジシャンはそのカードを当てることができます。
なぜなら、全ての答えの選択肢を周到に用意しているからです。3のハートなら右のポケット。スペードのクイーンならジャケットの裾、という風に。
相手のことを知りたいと思ったときには、すでに知っているように振る舞ってみるのも、印象づけるための秘技のひとつなのです。
「2年後にいい出会いがあります」の力
次のマルチプルアウトの方法はまた占いの話になりますが、独身女性の多くが占いで聞きたいことといえば、恋愛についてです。
例えば「私はいつ運命の人と出会えるの? 」という質問に対して、占い師は不確定な「2年後」という期日を設けます。そうすることで、「私が恋愛できないのはなぜ!? 」という女性の目の前の不安をひとまず取り除いてあげるのです。
すると女性は恋愛ができないのは自分のせいではないと納得でき、2年後には運命の人に出会えるのだから、その占い師に感謝すらすることになります。
「あなたに責任はありません」の裏側
マルチプルアウトにひっかかりやすい人にはいくつか特徴があって、そのなかに「自分を責めやすい」ということがいえます。
その類いの人には、「あなたは何も悪くないんですよ。自分を責めてはいけません」と寄り添ってあげることで、「私のことをわかってくれるのはこの人だけ!!」と思わせることができ、その結果いとも簡単に信頼を得ることができるというわけです。
「あなたは私を好きになる」という運命
曖昧な言葉を使って信じ込ませるのが、マルチプルアウトであることは先述の通りです。
一対一で会話をしているときにおいては、誰にでもあてはまるような言葉を並べたとしても、その内容によっては絶大な効果を発揮してくれます。
気になる女性と食事をしているときに、「君は隠そうとしてるけど、すごく周りに気を使っている人なんだね」とか、「甘えたくても、相手を気づかってしまって、できない性格でしょ」というのです。
これは冷静に考えれば誰にでも心当たりがありそうなことですし、そのうえ相手を「気遣いができて優しい人」として扱っていることになりますから、少なくとも言われた方も悪い気はしません。
そうした会話を重ねていくと相手は、「この人はなんでこんなに私のことがわかるの!? 」という心境になってきます。
最終的には頃合いを見計らって、「君は僕を好きになるよ」と決めゼリフを言ってください。これを言えたら、彼女の中であなたの存在は予言者のように、ミステリアスで興味をそそる人になることでしょう。
うまくいけばこの日だけで、彼女の心を掴むことも可能ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
以上が今回お伝えしたかった「マルチプルアウト」を使った心理操作術の数々です。
初対面の人との関係作りの際に、相手の信頼を勝ち取るために使ってみてください。多勢にあてはまることを目の前の1人に向けて言うことで、格段に信頼されやすくなります。
あとはあなたがどう関係を発展させていきたいか、ということにかかっています。質問されたときに備えて、答えはいくつか用意しておくことも重要ですよ。