たとえ自覚がなくても相手にとっては「ウザい! 」と思われてしまう不幸自慢・・・
あなたの周りにも、不幸自慢をしてくる人がいるのではないでしょうか?
あまりに不幸自慢ばかりされると、聞いている側にとしては、その人そのものが嫌いになってしまうこともあります。
また、相手に「不幸自慢をしている」とストレートに指摘してしまうとトラブルに発展することもあるため、不幸自慢をする人はできるだけ上手に対処しなければいけません。
そこでここでは、不幸自慢をする人の心理や特徴の理解を深めた上で、そうした人たちに出会ってしまった時の対処法までご紹介していきます。
こちらを読んでおけば、不幸自慢する人に出会っても、トラブルに巻き込まれずに済みますので、ぜひ参考にしてください。
不幸自慢をする人の特徴6つ
不幸自慢をする人の特徴を知っておくと、周囲にそうした人がいた時に適切な対処をすることができます。
また、その特徴を理解することで、不幸自慢をする人の心の奥底に隠された心理もわかってしまいます。
不幸自慢をする人にはどのような特徴があるのか、まず見ていきましょう。
1.寂しがり屋である
不幸自慢をする人が共通して持っている大きな特徴、それは「寂しがり屋」です。
心の中にある寂しさを自分自身で埋めることができないため、それを誰かに満たしてほしくて、不幸自慢をしてしまいます。
また、この特徴を持っている人は、人とコミュニケーションを取ることも苦手です。
人と仲良くなりたい時にどういった言葉をかければいいのかわからないまま行動するため、不幸自慢をすることで「仲良くなれた」と錯覚し、自分をわかってもらいたいという一心で、不幸自慢をくり返します。
寂しがり屋な人ほど、不幸自慢を何度もくり返し行うのです。
2.目立ちたがり屋である
「目立ちたがり屋」も不幸自慢をする人の特徴のひとつです。
「寂しがり屋」と「目立ちたがり屋」というのは、一見逆の心理が働いているようですが、実は「不安」「孤独」といったひとつの線でつながっています。
目立ちたがり屋な人は自己顕示欲が強く、いつも誰かの心に強烈なインパクトを残したいと思っています。
性格が明るくポジティブな人であれば、それがよい方向へ働いていくのですが、ネガティブな要素が強いと厄介です。
周囲に自分をアピールして関心を集めたいと思っているのにそれがなかなかうまくいかないと、不幸自慢で自己アピールしようとしてしまいます。
そんなネガティブな自己顕示欲の根底には、寂しがり屋な人と同じように寂しさがあるのです。
3.自己中心的である
「寂しがり屋」「目立ちたがり屋」というのは、どちらもそれぞれ自己顕示欲のあらわれです。
こうした自己顕示欲が強くなると、人はどんどん自己中心的な性格になっていきます。
相手の気持ちを考えずに、ひたすら自分の不幸自慢をくり返すのは当たり前。ときには作り話までして、自分の気が済むまで不幸自慢をします。
不幸自慢をする人の多くが「自己中心的」な特徴をもっているのです。
相手の気持ちを考えない自己中心的な行動ばかりしていると、当然、周囲の人たちから疎まれてしまいます。
4.話を大げさにする
自己中心的で目立ちたがり屋な不幸自慢をする人に多いのが、今からお伝えする「話を大げさにする」というものです。
周囲に自分は「可哀想な人間」だと思われて目立とうとするため、些細な話を大げさにして、自分がいかに不幸であったかを語ります。
話の内容が大げさだったり、誇張が多いように感じた時には、不幸自慢だと思ってまず間違いありません。
不幸自慢をする人にとっては、その話が嘘でも本当でもどっちでもいいのです。
当然、こういった独りよがりな話をする人は周囲からの信用を無くしていきます。
5.話題になるものを探している
不幸自慢をする人というのは、親身になって話を聞いてくれることに快感を覚えます。
そのため、その快感を求めて、不幸自慢になる話題を常に探しています。
ただ、その話題が頻繁に見つかるわけではないため、嘘で塗り固めた話をすることもあります。
不幸自慢をしている人にとっては、そうした嘘も日常化しているので、本人は悪いことをしているという自覚がありません。
自分の言動が周囲に迷惑をかけているという事実に気づかない限り、いつまでも不幸自慢は続きます。
6.できる人間を装う
不幸自慢をくり返している人は、自己顕示欲を満たすために嘘の不幸自慢をします。
不幸自慢というぐらいですから、周囲から「可哀想だ」と思われるような話がほとんどなわけですが、時折、さらにプラスして自分が「できる人間」であることをあざとく顕示するタイプの人がいます。
できる人間を装うタイプの人は、自分が苦労をして素晴らしいことを成し遂げたのだと「自慢したい」のです。
不幸自慢をする人というのは、理解しがたいかもしれませんが、不幸である自分に誇りを持っています。
不幸自慢をする人への対処法5つ
不幸自慢をする人は自己顕示欲が強く、周囲からの注目を集めることで心の安定を図っています。
もしあなたの周りに、こうした不幸自慢をする人がいた場合、どのような対応をするのが適切なのでしょうか?
不幸自慢をする人への有効な対処法に下記になります。
1.「不幸ではない」と指摘する
不幸自慢をする人には、「あなたは不幸ではない」と伝えるのがオススメです。
不幸自慢をする人は自分自身が不幸であることを自覚しており、かつ、そんな自分に変な自信をもっています。
この誤った自信を解消してもらうために、「あなたは不幸ではない」と指摘するのです。
ですが、その人が職場の人だったりすると、後々の人間関係に支障が出てしまう恐れもあります。
そんな心配がある時には、あなた自身が指摘するのではなく、不幸自慢をする人と気心の知れた友人もしくは先輩経由で指摘してもらいましょう。
2.「不幸話は聞きたくない」と断る
あなたが不幸自慢をする人と何でも言い合える関係なのだとしたら、あなたからはっきりと「不幸話は聞きたくない」と断るのもひとつの手段です。
不幸自慢をする人というのは、不幸話をすることで周りの関心を引くのが目的ですので、「私は不幸話に興味がない」と告げて、不幸自慢が始まる前に終わらせてしまいましょう。
さらに優しさをもって接するのであれば、不幸自慢をしてもイメージアップにはならない、周囲からの信用も失う、ということを真摯に伝えてください。
3.上手に話を逸らす
不幸自慢をする人というのは、目立ちたがりで自己中心的だという特徴だけでなく、寂しがり屋だという特徴も持っています。つまり、不幸自慢をする人は寂しいので、同情してほしいのです。
ですから、自分の話を真剣に聞いてくれる人に対して、より積極的に不幸自慢をくり返します。
こういう特徴を持った人には、「上手に話を逸らす」のが有効な対処法です。
相手を不快な気持ちにさせないようにうまく話を逸らして、違う話題に会話を持っていきましょう。
そうすれば、相手は不幸自慢をする気を無くしてしまうはずです。
4.マウンティングを使う
マウンティングとは、相手を褒めているように見せつつ、さりげなくダメージを与える心理操作法です。
本来、マウンティングという心理術は相手を不快にさせることがある心理術になりますが、ここではそれを不幸自慢の対処法として活用します。
不幸自慢をする人が苦労話、不幸話をしてきたら、できるだけ「自分だったらそんなことしたくない」と、その人ではなくその話にフォーカスを当てるように答えます。
こうすることで、相手は自分の不幸さよりも不幸な出来事に注目がいくため、快感を得られないばかりか惨めな気持ちになっていきます。相手の方から不幸自慢を切り上げていくこともあるでしょう。
ただ、このマウンティングはあまりやり過ぎてしまうと人間関係に亀裂が入ってしまうこともあるため、使用頻度には注意が必要です。
5.関わらないようにする
ここまで色々な対処法をお伝えしてきましたが、これらを試してみても相手が変わらない時には「関わらないようにする」のが最善の対処法です。
不幸自慢する人というのは、基本的に話を聞いてくれる人を求めています。
ですから、ある程度話を聞き流したり、話をそらしていれば、そのうち関心の無さを感じ取り、自発的にあなたから離れていきます。
あなたがその人とこれ以上の関係を築く必要はないと思っているのであれば、関わらないようにするというのが一番です。
しかしそれでも、相手をできるだけ不快にしないように、さりげなく関わりを断っていくほうが安全です。
不幸自慢をする人の心理7つ
不幸自慢をする人は、どのような心理状態で不幸自慢をしているのでしょうか?
「なぜ不幸自慢をしたくなるのか? 」について考えていきましょう。
1.注目を浴びたい
不幸自慢をする人は、やはり「注目を浴びたい」「人からの関心を引きたい」という心理を持っています。
人間がもつ基本的な欲求のひとつである「承認欲求」が強く働いているといっていいでしょう。
承認欲求とは、「人から認めてもらいたい」という欲求のこと。
この承認欲求は、普通のレベルなら何ら問題はありませんが、あまりに強すぎると必要以上に人から認めてもらおうとします。
それが一部の人には、不幸自慢という形で表出するのです。
2.自分が凄い人だと思われたい
承認欲求の延長線上にある心理の中には、「自分が凄い人だと思われたい」という心理も含まれています。
不幸自慢と凄いこと、優れていることは対極にあるように感じるかもしれませんが、ここでの「凄い」は「不幸や苦労を乗り越えた」という部分にリンクします。
自分は他人よりもすごく不幸で苦労の多い人生を乗り越えてきた、という自慢をすることにより、承認欲求を満たそうとしているのです。そんな自分に酔ってもいます。
3.自分を知って欲しい
これもまた、承認欲求の延長線上にある感情ですが、人から認めてもらうために、まず「自分を知って欲しい」のです。
自分の不幸自慢をすることで周囲の気を引き、自分のことをより知ってもらいたいと思っています。
このタイプの不幸自慢は、相手からの同情を集めるだけでなく、自分の経歴のアピールもでき、高評価も期待できるため、当人は好んで使いたがります。
4.寂しい気持ちがある
不幸自慢をする人の多くが抱えている感情は「寂しい」というもの。不幸自慢をする人の原動力です。
寂しくなってしまった原因は、親などの身近な人からの愛情に飢えている過去などに隠れています。
そうした経験をして自分に自信が持てず、自己肯定感が低くなってしまったからでしょう。そうした自分に劣等感を感じている人も少なくありません。
ですが、不幸自慢をしている時だけは周囲から注目され、同情を集めることもでき、その気持ちから一時的に開放されます。
「同情」が「安心感」を与えてくれることに気づいた人は、不幸自慢をくり返してしまうのです。
5.相手にしてほしい
このような同情を集めたい気持ちの根底にあるのが「自己憐憫」の感情です。
愛情が満たされず、愛情を得ることに飢えている人は、自分で自分を可哀想だと思う自己憐憫の感情でこころの隙間を埋めようとします。
その自己憐憫の感情をサポートするのが「相手にしてほしい」という他者への気持ちです。
自分で自分を可哀想だと思うだけでは心が満たされず、それをサポートするために不幸自慢をして相手の気を引こうとします。
そうすることで、心の中にある寂しさや足りない愛情の代わりとするのです。
6.コミュニケーションのひとつだと思っている
実は、不幸自慢は心の欲求を満たすためだけに存在していません。
もちろんそうした心理が根底にありますが、そもそも不幸自慢をコミュニケーションのひとつだと思っている人も、なかには存在しています。
そういう人は、楽しい会話や冗談などのコミュニケーションの延長で、ただ不幸自慢をしてしまっているにすぎません。
自分を知ってもらうためのコミュニケーションツールとして、不幸自慢を活用している人もいます。
7.喜ばせたい
不幸自慢をくり返す人というのは、不幸自慢をする人の特徴でもお伝えしたように、自己顕示欲が強く、寂しがり屋な一面を持っており、その感情を埋めるために不幸自慢をくり返します。
実は、こうした言動や行動の裏には、相手を喜ばせようとする心理も隠されているのです。
自分の不幸を話のネタにしてでも、相手を喜ばせようとしている場合があるのです。
また、自己顕示欲の強さゆえに「負けず嫌い」な心理が働いている可能性もあります。
「自分の方があなたよりも苦労している」という不幸自慢をすることで、「自分がどれだけ人よりも努力しているのか」を賞賛してほしいのです。
不幸自慢の裏に隠された心理は、かなり複雑といっていいでしょう。
不幸自慢も使い方次第?
不幸自慢も悪いことばかりではありません。
人を困らせる不幸自慢も、使い方次第なのです。
不幸自慢をすることによって、相手とのコミュニケーションが円滑になるケースもあります。
使い方次第でコミュニケーションのきっかけに!
通常の場合であれば、あまりにくり返される不幸自慢は周囲に対してよい印象を与えません。それどころか、人から疎ましがられることだってあります。
しかし、時には不幸自慢がよいコミュニケーションツールとなることもあるのです。
たとえば、学校などで自信を無くしている生徒に対して先生が
「先生も学生時代はめちゃくちゃ偏差値が低かった」
という話をすると、多くの生徒は嬉しそうな顔をして、話に耳を傾けるのです。
ここでの不幸自慢は、決して相手を不快にするものではなく、むしろ相手に自信を与える結果となります。
「他人の不幸は蜜の味」という言葉がありますが、不幸自慢というのは、時に相手のやる気を引き出し、自信を与えるコミュニケーションツールにもなります。
相手の波長に合わせて会話を進めていけば、コミュニケーションのきっかけとして不幸自慢は使えるのです。
まとめ
不幸自慢をする人というのは、自分の心を満たすためにくり返し不幸自慢をしますが、その根底には「自分のことを理解してほしい」という心理があります。
相手のそうした心理をくみ取り、傷つけることなく上手にあしらうことができるようになれば、あなたもさらにスマートに、人とコミュニケーションができるようになるはずです。
不幸自慢をする人は確かに「ウザい! 」と言いたくなるくらい疎ましいものですが、それはその人の使い方が悪いだけ。
使い方次第で、不幸自慢も素敵なコミュニケーションツールに変容することを教えてあげてくださいね。