勉強というのは、学生であれば避けては通れない試練のようなもの。
どうせ避けて通れないのであれば、できるだけ楽しく、そして効率よく勉強していきたいものですね。
しかし、ただ闇雲に勉強していっても、それは「効率の良い勉強」ではありません。
時間ばかりかかって、大切なことが何も身についていなかった…
一生懸命暗記したのに、試験本番では何一つ思い出せなかった…
あなたにもこんな経験があるのであれば、もしかすると、あなたは効率の上がらない勉強法で勉強をしているのかもしれません。
勉強の効率が上がらない理由を理解して、しっかり対策をしてみてはいかがでしょうか?
勉強の優先順位のつけ方が下手
一生懸命、本当に勉強しているのになかなか結果が現れないというのであれば、それは明らかに勉強の効率が良くありません。
勉強の効率が上がらない理由は複数ありますが、その中でも一番可能性の高い理由が「勉強の優先順位のつけ方が下手」というものです。
勉強には、それぞれに「何から取り掛かったらスムーズに覚えられるか」といった優先順位があります。
その優先順位を知っていれば、勉強の効率を上げていくことができるのです。
そこでぜひ活用したい心理現象が「プライミング効果」と呼ばれる心理現象です。
プライミング効果は、事前に特定の刺激と接することで、特定の知識を活性化させることを指します。
たとえば、朝一番に英単語をしっかり勉強すると、その刺激によってその日の授業で英語がよく身につくようになるのです。
ですから、このプライミング効果を活用して、勉強にも優先順位をつけてみましょう。
授業の順番などで予習する科目の順番などを決めていけば、効率よく身につけていくことができるはずです。
暗記の要領が悪い
また、勉強の過程で必ずやらなくてはならない「暗記」にも、勉強の効率が上がらない理由が隠されています。
あなたは、英単語の暗記をどのように行っていますか?
紙に一生懸命書いたり、暗記カードを作って見て覚えたり…など、人によって暗記の方法はいくつかあります。
しかし、先程と同じように時間をかけても覚えられなかったのなら、意味がありません。
暗記は、心理学を活用して要領よく覚えるべきです。
人が物事を記憶する時には「逆行抑制」という心理が働いています。
逆行抑制とは、特定の事柄ばかり学習していると、次の学習に移った時に先の学習の記憶が思い出しにくくなる現象のことです。
ですから、たとえば、英単語のように同じ種類の学習を繰り返し行わなくてはならない時には、まとめて時間を取るよりも他の勉強との合間に少しずつ覚えた方が効率よく覚えられるのです。
覚えたことはすぐ忘れるものだと理解する
一生懸命勉強したのに、大切な試験の時に忘れて思い出せず、ガッカリした経験があなたにもあるはずです。
そうした経験があると、勉強すること自体が嫌になってしまうこともあります。
そのような気持ちが、勉強の効率をさらに下げてしまうこともあります。
ですから、人はいくら頑張って覚えても「ある程度は忘れてしまう」ということを理解しておきましょう。
そのことを理解しておけば、勉強に向かうモチベーションを維持することができます。
また、このことを理解しておけば、勉強の効率を上げる学習のパターンも見つけることができます。
人の記憶は、覚えた直後に半分近く忘れてしまう反面、記憶として残った場合、長く保持されるようにできています。
ですから、長く時間をかけて1回復習するよりも、短い時間で最低3回は復習する方が効率が良く覚えられます。時間よりも数なのです。
休憩の取り方が悪い
あなたは、勉強をしている時に休憩を取っていますか?
一生懸命勉強をするあまり、休憩も取らずに勉強しているようなことがあるのではないでしょうか?
いくら集中しているからといって、休憩を取らずに勉強をやり続けてしまうと、効率が悪くなります。
かと言って、休んでばかりいて勉強しないのは、本末転倒です。
効率良く勉強ができる人は、休憩の取り方もよく知っています。
ここでは、「レミニセンス効果」と呼ばれる心理現象を参考にしてみましょう。
レミニセンス効果とは、記憶したことはその直後よりも、ある程度の時間を経過した方がはっきりと思い出せるという心理現象のことです。
この心理現象を踏まえて、勉強と休憩を上手に取るようにすれば、勉強の効率を上げることができます。
覚えることを時間を決めてしっかりと覚えたら、一定の時間は休憩を取るようにするのです。
そうすることによって、休憩を取っている間に記憶が整理され、効果的に学習を進めていくことができるのです。
嫌いな科目の攻略法とは?
勉強をしていれば、好きな科目もあれば嫌いな科目も出てくるでしょう。
嫌いな科目を勉強する時になると、なかなかはかどらず、困っている人もいるのではないでしょうか?
好きな科目にばかり時間を裂いていると、嫌いな科目がおろそかになり、勉強の効率を下げてしまいます。
勉強の効率を上げたいと思うなら、何よりも嫌いな科目をどのように攻略するのかを知っておく必要があります。
そのために役立つ心理現象に「負の強化」と呼ばれるものがあります。
負の強化は、別名「オペラントの条件付けパターン」といいますが、これは嫌なことを回避するために、特定の行動パターンを取ることを示しています。これを勉強に応用すれば良いのです。
たとえば、嫌いな科目に取り組まなかった日には、自分が面倒くさいと思うことをするというルール付けをするのです。
面倒くさいことをしたくなければ、自然と嫌いな科目にも取り組むようになるでしょう。
このようにして、少しずつ嫌いな科目を攻略していけば良いのです。
アウトプットとインプットの関係
勉強というのは、記憶の中に勉強した内容をインプットする作業です。
そして、インプットしたことは、試験などの必要な場面でアウトプットしていく必要があります。
この「インプット」と「アウトプット」の関係がスムーズに成立していれば、勉強の効率は上がっていきます。
では、どうやってインプットとアウトプットをスムーズに行っていけば良いのでしょうか?
記憶というのは、インプットばかりしていては、次の知識を頭に入れていくことができません。
効率良くアウトプットすることで、次の必要な知識をインプットすることができるのです。
人間には、周囲の人に認めてもらいたいと思う「承認欲求」というものがあります。
この承認欲求を活用し、たとえば、自分の知識を周囲が評価してくれるような場所でアウトプットするようにして承認欲求を満たすと、勉強することが楽しくなります。
こうやって、心理的な側面からも勉強の効率を上げていくようにしましょう。
勉強に飽きてしまったら?
ここまで、色々な方法で勉強の効率を上げるように努めてきましたが、それでもやはり勉強そのものに飽きてしまう時があります。
そんな時に無理して勉強を続けたとしても、それは効率の良い勉強の仕方とは言えません。
このような状態に陥っている時、人の心理には「心理的飽和」という現象が起こっています。
これは、同じ作業を繰り返した結果、最終的には作業を放り出したくなる心理現象で、いわゆる「飽きた」状態です。
こうなってしまったら、一旦勉強は止めてしまった方が効率的です。
リフレッシュをしたり、睡眠を取ったり…とにかく勉強とは関係のないことをして過ごしてみましょう。
そうした息抜きが上手にできるということも、勉強の効率を上げる方法の一つなのです。
どうしても勉強が手に付かない時には、思い切って机を離れる勇気も必要だということを覚えておきましょう。
まとめ
勉強というものは、決して無理をしてするものではありません。
自分が「学びたい」という心理になった時が、一番効率が上がっている時です。
ですから、いかに勉強をしたいという気持ちを作っていくかが、効率良く成績を上げる秘訣でもあるのです。
あなたもぜひ、そのことを覚えておいてくださいね。