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リンゲルマン効果から学んだ4つのコト

リンゲルマン効果

リンゲルマン効果とは、単独で作業するよりも、集団で作業する方が、一人あたりの作業量が低下する現象をさします。

リンゲルマンの実験では被験者にロープを引っ張らせ,その強さを測定しました。その結果,たとえば8人で引っ張った場合、一人当たりの引っ張る力は、単独で引っ張った場合の約半分となることが明らかになりました。

リンゲルマン効果は、社会的インパクト理論やマズローの欲求5段階説(生理的欲求・自己尊厳欲求)などから説明が可能です。

今回の記事においては、リンゲルマン効果から学べることを紹介します。

人をやる気にさせるのは外部からの圧力であるという考え方があること

最初に少し触れた社会的インパクト理論とは、他者の存在が,個人の遂行行動(認知・感情・生理的変化を伴う)に与える影響を定式化しようとする考え方です。

社会的インパクト理論の立場からは、リンゲルマン効果の原因について、できるだけ一生懸命やるという社会的圧力の各個人に与える影響が、集団の人数が増えるにつれ、小さくなるからだという説明が与えられます。

リンゲルマン効果について学べば、社会的インパクト理論の存在を知ることになり、ひとをやる気にさせるには兎にも角にも外部からの社会的圧力を与えることだという考え方が古くから存在していることを確認できます。

ひとを本当にやる気にさせるには内部的欲求に着目するべきであること

もっとも、外部からの社会的圧力によるだけでひとのやる気を引き出せるという社会的インパクト論の考え方は、一般人の目から見ても、やや不正確な部分が見受けられます。

なぜならば、社会的圧力を加えられても、手抜きが見破られるおそれが少ないかぎり、ひとは手を抜くと考えられるからです。

リンゲルマンの実験に使われたロープ引きの例でも、ひとりひとりに測定機器をつけさせないかぎり、誰が手を抜いているか識別できません。

また、手を抜いたとしても、成果があがらなかった原因について、他の原因を主張すれば、本人以外には手抜きがあったかどうか、判断することは非常に困難になります。

ひとのモチベーションを向上・維持させるためには、やはり、ひとの内部的な欲求を問題にしなければなりません。

労働市場の過度の自由化は手抜きの温床につながるおそれがあること

マズローの欲求5段階説によれば、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲すると考えられています。

第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)で、この欲求を充たせれば、次の階層「安全欲求」を求めます。

集団作業においては、ネガティブな結果の責任を回避しやすいこと、つまり、「生理的欲求」「安全欲求」に対する刺激が弱いことが、リンゲルマン効果の原因の一つになると考えられます。

つまり、集団行動が失敗しても、メンバーひとりひとりの生活・安全に大きな影響を与えないとすれば、リンゲルマン効果は発生しやすくなるはずです。

そのことから言えることは、労働市場の過度の自由化は手抜きの温床につながるおそれがあるということです。

昔から言われるように「ほめてやらねば、人は動かじ」ということ

個人の努力量と集団の成果に随伴性が確認できないので、ポジティブな結果に関する正当な評価を得られないということも、リンゲルマン効果の発生の原因のひとつとされます。

名君の誉れ高き上杉鷹山(米沢藩第九代藩主)は、人を動かす方法について、「してみせて、言ってきかせて、させてみよ」と説きました。

これを素にして、山本五十六(連合艦隊司令長官)は、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」として、「締めくくりに褒めることで、人は動く」と説きました。

集団作業においてみんなのモチベーションをあげるため、マズローの欲求5段階説における4番目の欲求である「尊厳欲求」(他者から認められたい、尊敬されたい)をうまく充たしてやることが、組織の上に立つ人たちにとって大切な資質の一つであるということは言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の記事は、リンゲルマン効果の理由の説明に着目して作成しました。

集団行動において人々のモチベーションを向上・維持させることの困難性について想いをいたすことは、トップダウンの意思決定の長所を説くドイツ式経営や、共同意思決定において個々の情報交換を嫌うルソーの一般意思論の理解も助けると思います。

皆さんが集団行動を必要とする場面において、今回の記事を少しでも参考にしていただければ幸いです。

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