仕事を辞めたいと思う人たちの理由の一番は、職場の人間関係です。
今、この時間も、職場の人間関係がうまく行かずに仕事を辞めたいと考えている人はたくさん存在しています。
場合によっては、家族と過ごすよりも長い時間を費やす職場。その職場でこれから先、何十年も人間関係で悩むことになるのですから、それは本当に苦しく悩ましい問題です。
ただ、ここであなたに質問です。
あなたが感じている人間関係は、本当に「仕事を辞めたい」ほどの人間関係なのでしょうか?
もしかすると、それは自分の見方や考え方を変えるだけで、仕事を辞めるほど最悪なものではない可能性があります。
仕事を辞めるべき人間関係とはどんなものなのかを理解した上で、人間関係の悪い職場で働き続けることの弊害は何か、仕事をしたくなる人間関係にするための対策についてご説明します。
「仕事を辞めたい」と感じる人間関係とは
1.仕事の人間関係が悪くなる背景
仕事を辞めたいと思わせる人間関係に発展するまでには、どのような背景があるのでしょうか。
たとえば、
- 同期や同年代の気軽に話せる仲間がいない
- 仕事を教えてくれる上司や同僚がいない
- 上司や同僚が怒鳴る、無視をする
- 仕事の失敗をフォローしあう風土がない
- 成果主義で、仕事を教えあう気持ちがない
- 仕事量が多すぎて、心に余裕がない
- 自分自身が仕事についていけない
- ミスが多い同僚や、トラブルメーカーが部署にいる
などがあります。
これに加えて、自分自身が職場や職場の人に対する捉え方や接し方などが複合的に重なり合い、仕事を辞めたいとまで感じる人間関係に悪化していきます。
2.仕事を辞めた方がいい人間関係とは
仕事を辞めたいほどの人間関係に陥るには、自分自身の問題、上司や同僚の問題、職場の風土、仕事量など、複数の問題が隠されています。
しかし、仕事を辞めた方がいい場合は、次の3つに集約することができます。
- パワハラやセクハラがある
- 社風や部署の人間関係に合わずに孤立している
- うつ病を疑われる
もちろん、自分が置かれた状況を上司やメンタルヘルスを担当する部署が対処してくれて、改善する見込みがある場合には、すぐに仕事を辞めることはありません。
ですが、上司や他の部署に訴えても改善しない場合には、配置換えや退職・転職を考えることがあなたの心身を守ることになります。
人間関係が悪い職場が与える影響とは
人間関係が悪い職場にい続けることによって、自分にどのような影響がでるようになるのでしょうか。
具体的な影響は、以下になります。
- 愚痴や悪口ばかりを言うようになる
- 人の上げ足を取るようになる
- 「どうせ」が口癖になる
- 人の言葉の裏を読むようになる
- いつも周囲の言動や行動が気になり気が休まらない
- 仕事へのモチベーションが下がる
- 努力や工夫をしなくなっていく
- 給料だけが働く理由になる
- 憂さ晴らしの飲み会や食事が増える
それでも、仕事以外のことでストレスを解消することができればよいのですが、仕事と家庭との往復だけで何の楽しみもない場合には
- 家族などにイライラや不満をぶつけるようになる
- 不眠や頭痛、動悸や冷や汗、めまいや耳鳴り、腹痛などの身体症状が出現する
- 集中力や記憶力の低下
- 抑うつや気持ちの落ち込みが強まる
などの心身の症状が出始め、最終的に仕事に行くことができなくなり、うつ病などを発症する可能性が高まります。
仕事は一日の中で一番長く時間を費やすものであるからこそ、悪い人間関係に晒され続けることは、心と体を病むことに直結してしまうのです。
仕事をしたくなる人間関係にする3つの対策
仕事を辞めることは、生活基盤を失うことにつながりますので、できれば、現状の人間関係を改善して、仕事を辞めないで済ませたいですよね?
仕事を辞めたいと思い詰めるまでの人間関係にしない対策を3つご紹介します。
1.事実を見極める
人間関係が嫌で仕事を辞めたいと思ったら、まずは、その背景に何があるのか、事実を見極めることが大切です。
たとえば、
- 同僚や上司などの問題なのか
- 仕事量や労働時間、職場環境の問題なのか
- 他の職場にも同じような問題はないか
- 自分自身が抱える問題はないか
などの視点で、人間関係が悪化している事実を明確にします。
たとえば、仕事量が多すぎて、周囲の仲間もキャパオーバー状態であれば、仕事量や仕事内容を改善しなければ、誰もが何かに追われてイライラしてしまい、人間関係も改善されません。
また、部屋の狭さや換気、室温のミスマッチも、長時間続くことで人間関係を悪化させます。こういった外的要因を改善するだけでも、辞めたいと感じたほどの人間関係さえ良好になることがあります。
まずは、原因となる「事実」を見極めましょう。
2.自分を振り返る
人間関係は、相互作用から成り立ちます。相手だけが悪いということは往々にしてありません。
たとえば、あなたは下記のような対応をとってしまっていませんか?
- 忙しくなると挨拶や返事などをしないことが多い
- もともと気持ちの浮き沈みが大きい
- 同僚の悪口をいうことがある
- つい、仕事や家庭の愚痴を言ってしまう
- 遅刻や休みが多い
- ミスを指摘されると、言い訳を先にしてしまう
- 仕事を納期に終わらせることができない
もし行っていたものがあったとすれば、それが原因で徐々に周囲との人間関係を悪化させてしまっています。
とくに、部署や職場が変わっても、人間関係で仕事を辞めたいと思うことが多い方は、自分の行動を振り返ることが大切です。
3.行動を変える
先ほどもお伝えしたように、人間関係は相互作用です。相手の行動で、ネガティブシンキングに陥ることもあれば、逆の場合もあります。
仕事内容に不満がなく、できれば仕事を辞めたくないと思っている場合には、あなた自身が行動を変えると良い方向に進むことが多いです。
あなたの行動の変化が職場の雰囲気が変えるきっかけとなるからです。
その行動の具体的な内容としては、たとえば、
- 同僚や上司への挨拶は、声を出して伝える
- 話しかけられたら、忙しくても顔を向けて話す
- 仕事の愚痴や同僚の悪口は言わない
- 自分の手が空いている場合は、同僚の仕事を手伝う
- 「報告・連絡・相談」を徹底する
- 自分から話しかける
- 過度に近づきすぎない
があります。それに加えて、
- 資格取得を目指し、横並びの人間関係から抜け出す努力をする
- 仕事以外の付き合いを大切にする
- 仕事に執着せず、「仕事は仕事」と割り切るように心がける
- 残業をしない日を作る
- ひとりで仕事を抱え込まない
- 趣味をもつ
- 家庭では仕事のことを言わない、考えない
- 今の仕事を続ける意味を見つけるとともに、なりたい自分を目指す
などをするとさらにいいでしょう。
仕事が自分のすべて、それ以外に自分を活かせる場所がない、という強迫観念にかられてしまうと、仕事での人間関係に余計に敏感になってしまいます。
仕事は仕事でしかありません。
与えられた環境の中で、”周囲の人が自分に何をしてくれるのか”を考えるのではなく、”自分は周囲の人に何ができるのか”の視点で人間関係を考えることができると、あなたの視界は180度変わったものになります。
行き詰りのような人間関係にさえも、新鮮な空気と光を送ることができるでしょう。
まとめ
仕事を辞めるべき人間関係には、パワハラやセクハラが繰り返される、周囲に味方がおらず孤立している、社風に合わない、うつ病になりかけているなどがあります。
そんな悪い人間関係の中で働き続けてしまうと、意欲やモチベーションが低下し、ただ給料のために働くだけの、後ろ向きな生活を送ることしかできなくなります。
本当に仕事を辞めたいほどの人間関係であるのかを客観的に見極めつつ、人間関係の改善のために自分ができることがあれば実践し、前向きな形で、現在の仕事を続ける、もしくは、転職することを検討してください。