劣等感というものは、ほとんどすべての人間が大なり小なり持っている感情の一つです。
しかし、その中で、劣等感はあるけれど克服できている人と、劣等感が強すぎて生き辛い程になってしまっている人の2種類が存在します。
そして、非常に劣等感の強い人の場合、その周りにいる人も、どう接して良いのか困ってしまうものです。
今回は、劣等感の強いタイプの人々の特徴を7つお伝えします。
これをヒントに、劣等感が強い人への対処方法を身につけてください。
理想が限りなく高い人
劣等感の強い人には、とても高い理想を持っている人が多い特徴があります。また、その理想が全く身の丈に合わないような理想像であることが多いのです。
理想の自分と現状の自分の間に、埋められない大きなギャップがある分、それが強烈な劣等感になっていきます。
また、劣等感の強い人の身近に、その人の理想に近い生き方をしている人が実際にいる場合、劣等感がますます大きくなり、卑屈になっていきます。
こういったタイプの人は『どうせ自分は』というコンプレックスが強いのですが、下手に慰めたり、『あなたも立派だよ』などと励ましたりしても焼け石に水。感謝されるどころか、『本心じゃないくせに』などと悪態をつかれてしまうことだって有り得ます。
もし、あなたがこの手の人に卑屈でネガティブな発言をされたとしても、右から左に聞き流すようにしておきましょう。無駄な努力で疲弊する必要はありません。
今ある幸せに気付かない人
『置かれた場所で咲きなさい』という渡辺和子さんの大ベストセラーを読んだことがありますか?
今、あなた自身が置かれた場所こそがあなたの居場所であり、『こんなはずではなかった』と嘆きネガティブな感情に支配されるのではなく、そこで綺麗に咲く努力をすべきだと説いた本です。
今ある幸せに気付かない人というのは、まさに置かれた場所で咲こうとせず、違う場所を求めて嘆いている人です。なぜ自分がここにいるのか、こんなはずではなかった、と劣等感や不平不満を抱いているのが特徴です。
こういった人には、今ある幸せに気付かせてあげるのが一番です。
もし、あなたと同じ環境にいながら『こんな環境は私にふさわしくない』と愚痴ばかりこぼす同僚がいたら、あなた自身のモチベーションも下がってしまいます。
時には強く注意し、今ある幸せに気付くためのヒントを与えてあげることも必要かもしれません。
しかしながら、劣等感の強い人は、そう簡単には思考を変えません。その場合は、あなた自身の精神衛生のためにも、少し距離を置くのが一番です。
DV加害者
今話題のドメスティックバイオレンス(以下DV)の一つに、人格破壊するほどに相手を言葉で罵倒し、責め立てることがあります。
こういったDVをするタイプの人は、非常に劣等感の強い人という特徴を持っています。
DV加害者の中には一見、学歴や収入等の面からも成功者に見え、劣等感を持つ必要がないと思われる人もいますが、実際は、生い立ちの中で何か非常に強い劣等感やコンプレックスを持っていることが多いのです。
この人たちは、自分よりも弱い立場の人を見つけ、自分が劣等感やコンプレックスを持っていることを、さも相手の欠点であるかのように相手をどなりつけ、罵倒するなどします。
これを心理学では『投影』と言います。
投影とは、自分の欠点を認めたくないときに、他人にそれを押し付けてしまおうとする心理状態です。
もし、あなたの周りにこのタイプの劣等感の強い人がいるのであれば、下手に関わらず、距離を置くのが何よりです。あなたが無駄に傷つけられ、ともすると深いトラウマを植えつけられてしまうかもしれません。
特に、あなたの恋愛相手にこの傾向がある場合は、すぐにでもお別れしたほうが無難です。
自分がこの劣等感を何とかしてあげよう、助けてあげようと思っても、それは無駄な労力に終わることが多いからです。
自慢話が多い人
あなたの周りに、やたらと自慢話ばかりする人はいませんか?
こういうタイプの人は、自慢話をして優越感に浸ることで、自分のコンプレックスや劣等感を隠そうとしていることが多いです。
学歴のなさにコンプレックスを持っていることを隠すために、知識をひけらかしたり、プライベートが充実していないという劣等感を隠すために、高収入を自慢したりするのが特徴です。
『能ある鷹は爪を隠す』というように、本当に実力がある人は、むやみやたらと自慢することなどしません。
自慢話ばかり聞いているのは不快かもしれませんが、自慢話ばかりするような劣等感の強い人の心理さえ理解していれば、『必死に強い劣等感を隠しているのだな、かわいそうに』という気持ちで聞き流せるようになるでしょう。
不幸なエピソードを饒舌に語る人
自分がどういう不幸な生い立ちなのか、不幸な恋愛をしているかなどを聞かれてもいないのに、饒舌に笑い話のように語るのも、実は根底に強い劣等感を抱えている人の特徴です。
本当は気になっていて、コンプレックスに思っていることなのに、まるでまったく気にもしていないという態度で語るのは、その劣等感を隠したいという思い以外のなにものでもないのです。
一時的には周りの人も笑って聞いてくれるかもしれませんが、これが継続すれば、周りの人々も徐々に距離を置いていくでしょう。不幸な人の側にいて、不幸な話を聞いていたいという人はあまりいませんから。
また、このタイプの劣等感の強い人は、不幸な自分のエピソードを話して、誰かにかまって欲しいという思いも少なからず持っています。
しかし、ここで構ってあげると、あなたの優しさにつけこんで、付きまとわれてしまうこともあります。
このような劣等感の強い人とは、適度な距離を置いてお付き合いするのが一番です。
周りの人の良い部分しか見えない人
人間には、誰でも光の部分と闇の部分があります。
どんなに幸せそうに見える人でも、もしかしたら闇の部分である苦労や悩み、病気などを周りに見せないように努力をしているだけかもしれません。
しかし、劣等感の強い人は、他人の闇の部分には目がいかず、自分以外の人が、みんな順風満帆の恵まれた人生を送っているように思い込む特徴をもっています。
自分以外の人が、みんな恵まれていると思い込んでいるので、このタイプの人は、いつも人を妬み、羨ましがるのが特徴です。
もしあなたが人知れず苦労したり、悩んだりしているのに、『あなたはいいわねえ』『ずるいわね』などと妬まれたり、羨ましがられたりしたら、やはりいい気分はしないでしょう。
でも、ここはすこし大人になって『これでも悩みはあるのよ』『私もいろいろあるのよ、誰でもそうじゃない? 』とやんわりと、誰にでも光と闇があるということを教えてあげましょう。
攻撃的な人
強い劣等感を抱いている人は、周囲の人に対して攻撃的なことが多いのが特徴です。
劣等感の強い人は、自分に自信がなく、常に否定されているように感じるため、周りの人は何気なくした言動が、まるで『自分が責められている』と感じてしまう傾向があります。
そのため、なんでもない会話なのに、急に攻撃的な口調で反抗してきたり、突然怒って席を立ったりして、周囲の人々を戸惑わせます。
こういう人と上手く付き合っていくには、特に言葉や口調に注意を払うことが必要です。
『私は決してあなたを責めているわけではないのですよ』という優しいニュアンスの言葉を使ってあげてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
異常なまでに劣等感の強い人は、本人も生き辛いのですが、周りの人々も結構苦労するものです。
しかし、社会人として同じ職場やコミュニティにこういった人がいた場合、最低限の関係性を築く必要があります。
強い劣等感を持っている人は、生い立ちの中で、ありのままの自分を認めてもらえた経験がない、ある意味、気の毒な人である可能性があります。ですから、たまに褒めたり認めたりしてあげることも必要ですが、あまり親密になってしまうと、あなた自身が劣等感を持った人のネガティブな感情に振り回されてしまうので、注意が必要です。
今日お伝えした7つの特徴を参考にして、劣等感の強い人々との適切な距離の取り方や接し方を身につけ、あなた自身を守ることを考えてみてはいかがでしょうか?