夜中に突然起こる金縛り。
思わずもしかして心霊現象なのでは?なんて考えてしまって怖い思いをする人は多いのではないでしょうか。
一度金縛りに遭ってしまうと、身体が思うように動かず、なかなか金縛りを解くことができません。
そうした金縛りになってしまった時のために、解き方や対処法があるなら、ぜひ知っておきたいものですね。
そこで今回は、誰もが一度は経験したことがある金縛りの原因や解き方、その予防法などについて詳しくお伝えしていきます。
金縛りが起こる原因は、決して心霊現象などではありません。
現代科学できちんと解明されている金縛りが起こる仕組みや原因について解説し、その解き方を詳しくお伝えしていきます。
また、そもそも金縛りが起こらないようにするための予防法もお伝えしていきますので、ぜひ毎日の暮らしに役立ててください。
更に、金縛りは何らかの病気のサインである可能性があるとも言われていますから、そうした病気についての解説や治療法などもお知らせしますので、しっかり読んでみてくださいね。
今回の内容をしっかりと理解しておけば、万一本当に金縛りになってしまってもすぐに解くことができますし、そもそも金縛りが起こらないように予防することもできるのです。
しっかり読んで、参考にしていってくださいね。
金縛りとは?
金縛りという言葉を聞くと、多くの人が幽霊や悪霊などが起こしている心霊現象の一種であると思っているかもしれません。
しかし、金縛りは決してそうした心霊現象などではなく睡眠麻痺という睡眠障害のひとつであると考えられています。
金縛りは、10代から20代の若い世代に起きやすい現象で、日本人の約4割は金縛りになった経験があると言われているのです。
ですから金縛りは、決して珍しい心霊現象などではなく、いつ誰にでも起こり得る睡眠障害のひとつなのです。
実際に金縛りというものは、どのような仕組みで起こり、またどのような種類のものがあるのでしょうか?
金縛りが起こる仕組み
金縛りいわゆる睡眠麻痺の現象は、身体は休んでいるが脳は活発に働いているレム睡眠の状態の時に起こるものだと考えられています。
人の睡眠には一定のサイクルがあり、先ほどのレム睡眠と、身体も脳も休息しているノンレム睡眠の状態があります。
レム睡眠とノンレム睡眠は、だいたい90分ほどのサイクルで繰り返されており、レム睡眠中は眠りが浅く、ノンレム睡眠は深い眠りの状態になります。
金縛りは、このレム睡眠時に起こる睡眠障害であり、普通であれば全身の筋肉が弛緩していて力が入らない状態なのですが、何らかの形で脳だけが突然目覚めてしまい、手足が自由に動かせなかったり息が上手にできなくなってしまったりするのです。
よく、金縛りとともに霊の声が聞こえたとか胸のところに人が座っていたなどという体験話を耳にしますが、これもまたレム睡眠時であるがゆえに感じる現象です。
レム睡眠時は、脳は働いているものの身体はしっかり休んでいるので、筋肉を動かすことができず、また意識的な深呼吸などもできません。
そうした感覚から誰かが胸に座っていて息苦しいと感じてしまうことがあるのです。
更に、レム睡眠時に私たちはよく夢を見ますが、夢を見ている状態のまま覚醒しつつある状態から、夢の中の声が霊の声のように感じてしまうと言われています。
つまり…金縛りというものは、科学の力では解明できない心霊現象などではなく睡眠障害の一種なので、原因などをしっかり探っていけば解決することができるものなのです。
金縛りの種類
具体的に、睡眠中の起こる金縛りにはどのような種類があるのでしょうか?
一般的に多くの人が金縛りだと感じている現象には、以下のようなものがあります。
- 意識はあるのに身体が自由に動かせない
- 息苦しさを感じる
- 声が出せない
- 耳鳴りがする
- 幽霊のような影が見える
- 幻聴のような音が聞こえる
- 触れられるような感覚がある
夜眠っていて、ふと目が覚めた時にこのような現象が起きたら、それは金縛りになっている可能性があります。
こうした体験をしたら、忘れないように何かにメモしておいて、こちらの内容を参考に体験を検証してみると良いでしょう。
心霊現象ではないということが分かると、安心して眠ることができるもの。
この機会に、日々の睡眠の様子へ目を向けてみるようにしてみてくださいね。
金縛りになりやすい人の特徴
金縛りが睡眠障害の一種であることは分かりましたが、実際には毎日のように金縛りになる人もいますし、反対に一度も金縛りになったことがないという人もいます。
では、どんな人が金縛りになりやすいのでしょうか?
以下のような特徴を持っている人は、金縛りになりやすいと言われていますから、当てはまる特徴を持っている人は注意が必要です。
- 生活リズムが不規則である
- 疲れが溜まっている
- 精神的ストレスをためやすい
金縛りになってしまう主な原因として考えられているのはレム睡眠の不規則な出現です。
本来であれば規則的に繰り返されている睡眠リズムが、上記のような特徴を持っている人の場合には不規則になってしまいがちだと言われています。
そのため、生活リズムが不規則になっていたり、過労傾向の人などは金縛りになりやすいのです。
また、精神的にストレスを抱えやすい人も睡眠リズムが乱れやすいため金縛りになりやすいと言われています。
上記の他にも、金縛りになりやすい特徴のひとつとして年齢があります。
10~20代の若い世代の人は比較的金縛りになりやすく、年齢が上がっていくにつれて金縛りになりにくくなるようです。
若い世代の人は、生活リズムも不規則になりがちなので、頻繁に金縛りになる人は一度生活リズムを見直した方が良いでしょう。
このような金縛りになりやすい特徴の他にも、睡眠障害の病気であるナルコレプシーの人も金縛りになりやすいと言われています。
ナルコレプシーは突然激しい眠気に襲われてしまう睡眠障害の病気であり、この病気を抱えている人は基本的に睡眠を維持する機能が落ちています。
そのため、睡眠リズムも不規則で目覚めてしまうことが多く、金縛りになりやすいと考えられています。
ここまでの内容をまとめると…生活リズムが不規則でストレスをためやすいという特徴が、大きな特徴であると言えるでしょう。
金縛りになる原因
先ほどの内容から、どんな特徴を持つ人が金縛りになりやすいか理解できたと思います。
その特徴から、金縛りがなぜ起こるのか原因を探っていきましょう。
金縛りになる原因には、以下のようなものがあります。
ストレス
精神的なストレスを感じていると、不安感などから不眠だけでなく過眠を引き起こしてしまうことがあります。
そのため睡眠リズムが崩れてしまい、金縛りになることがあるのです。
若い世代が金縛りになることが多い理由として、心身の変化が大きい時期であることから精神的ストレスを抱えやすいことが原因であると言われています。
またストレスと言っても、精神的なストレスばかりではありません。
夏の暑い時期や冬の寒い時期などの外気温の変化や、雨や曇りの日などの気圧の変化なども外的ストレスも睡眠リズムの乱れに大きな影響を及ぼします。
こうした内的または外的なストレスが睡眠のバランスを崩すことから、金縛りの原因として考えられているのです。
過労
疲労が蓄積している状態で眠りにつくと、金縛りになることがあると言われています。
過労の状態も、先ほどと同じように身体的または精神的にストレスを感じている状態ですから、金縛りの原因となると考えられているようです。
また、海外旅行へ行くなどして時差によって睡眠リズムが崩れると金縛りになりやすい原因と言えるでしょう。
更に過労状態が続くと、自律神経のバランスが乱れて様々な不調をきたす自律神経失調症を引き起こします。
そうなると、頻繁に金縛りを起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
不規則な生活リズム
ストレス過多や過労などの状態は、どこから引き起こされているのでしょうか?
それはやはり不規則な生活リズムで生活をしているから…と言わざるを得ません。
例えば、平日仕事が忙しいことにより十分な睡眠時間が取れず、代わりに休日に長時間寝て寝だめするなど…生活リズムが乱れてしまうことにより睡眠リズムも崩れてしまいます。
睡眠リズムが崩れてしまうと、レム睡眠・ノンレム睡眠のバランスも崩れてしまい、突然意識が覚醒して金縛りとなってしまうのです。
睡眠の質の低下
ここまでお伝えしてきた金縛りの原因から見ても分かるように、金縛りになってしまう最大の原因は睡眠の質の低下です。
不規則な生活リズムから睡眠時間が不足したりすることはもちろん、夜勤などの仕事で合間に仮眠を取るなどすると睡眠分断といった状態になり、睡眠の質は低下します。
そうしたことから睡眠リズムが乱れてしまい、金縛りになる可能性が高まるのです。
また、旅行などで睡眠環境が変わると、身体は疲労しているのに脳は興奮した状態になりがちとなります。
そのため、途中で何度も目が覚めたり眠りが浅くなったりして金縛りが起こりやすくなると言われています。
仰向け寝
また、睡眠リズムだけでなく睡眠姿勢も場合によっては金縛りの原因になることがあります。
理由ははっきりしていませんが仰向け寝で眠ると、金縛りになりやすいという研究結果があります。
なぜ仰向け寝で寝ると金縛りが起こりやすくなるのかは分かりませんが、身体の力が抜けやすかったり、胸部への圧迫が大きくなる…などが原因なのではないかと考えられているようです。
ですから、寝る姿勢を変えるだけでも金縛り対策になるのではないかと言われているようです。
金縛りの解き方
このように、金縛りの原因には睡眠の質睡眠リズムが大きく関わっていることが分かります。
ですが、実際に金縛りになってしまったらどのようにして解いたら良いのでしょうか?
金縛りになると…その時間はとても長く、そして恐ろしく感じてしまうかもしれませんが、実際には数分ほどで自然に解消される場合がほとんどです。
ですから、無理に身体を動かそうとせずにゆっくりと深呼吸して、心と身体をリラックスさせるようにして金縛りが解けるのを待つのが一番良い解き方だと言えるでしょう。
金縛りが解消するにはいくつかのパターンがあります。
先ほどのように金縛りが解けるまで深呼吸などで対応しながら待つ方法もありますが、金縛りが解消しないまま眠りにつき、目覚めると金縛りが解けているパターンもあるようです。
また、深呼吸で金縛りが解けるのを待つ過程で、指先やつま先が少しでも動くかを確認してみるのも良いでしょう。
指先やつま先が動く場合には、無理のない範囲で少しずつ動かしていくと、脳が身体が動くことを認識していくため身体も覚醒して金縛りが解けます。
これらの内容をまとめると、金縛りの解き方は以下の手順で行うとスムーズに解くことができますから、ぜひ覚えておいてくださいね。
金縛りの解き方の手順
①金縛りになっていると自覚したら、無理に身体を動かさずにゆっくり深呼吸をする。
②身体がリラックスしてきたと感じたら、指先やつま先が動くかを確認してみる。
③指先やつま先が動くことを確認したら、無理のない範囲で少しずつ動かしていく。
金縛りにならないための対処法・予防法
先ほどの項目により金縛りの解き方が分かっていても、頻繁に金縛りが起きてしまっては安心して眠ることができません。
ですから、そもそも金縛りが起きないように対処・予防することはとても大切なことだと言えるでしょう。
では、金縛りにならないためにはどのようなことに注意して生活していけば良いのでしょうか?
基本的に、金縛りにならないためには生活習慣の見直しと睡眠の質の向上がポイントになると考えられます。
そのことを踏まえて、以下のことに気を付けていけば金縛りを予防することができるでしょう。
規則正しい生活
金縛りにならないようにするためには睡眠リズムを整えることが重要ですが、そのためには毎日の生活リズムを規則正しく整えることが大切です。
起床時間や就寝時間を決めて、休日だからと言って寝だめや二度寝寝すぎなどをしないように心がけましょう。
長時間の睡眠や夜更かしなどが続くと、睡眠のバランスは崩れてしまいます。
就寝前のテレビやスマホ使用を控える
テレビやスマートフォンから発せられているブルーライトは、脳に刺激を与えて興奮状態にしてしまうことが考えられます。
ですから、眠りにつく直前までテレビやスマホを見ていると、脳が興奮状態のまま眠りに入ることになってしまい、上質な睡眠を妨げてしまう恐れがあるのです。
そうしたことから、就寝直前までテレビやスマホを見ることを控えるだけでも、十分金縛り予防になります。
ストレスを溜めない
ストレス過多な状態で毎日眠りにつくことも、金縛りになりやすい原因のひとつと考えられています。
ですから、ストレスはできるだけ溜めないようにしましょう。
ストレスが溜まっていると感じたら、そのストレスはこまめに発散し、1日の終わりにはできるだけストレスが溜まっていない状態にするように心がけていきます。
できるだけストレスを溜めない生活を送るには、あなた自身に合うストレス発散法を見つけておく必要があります。
1人でゆったりとした時間を過ごすことでストレスを解消することができる人もいますし、友達との楽しいおしゃべりや運動して汗を流すことでストレスを発散することができる人もいます。
金縛り対策としても、ストレスケアの一環としても、自分に合ったストレス解消法を見つけておいてストレスを溜めないようにしていきましょう。
睡眠の質の向上
色々気を付けなければならないことはありますが…すべては睡眠の質の向上に繋がります。
毎日同じ時間に寝て起きることや、寝室の室温調整や寝心地を良くする寝具やパジャマを使うことで睡眠環境を整えることによって睡眠の質をできるだけ上げていくように努めましょう。
就寝前は湯船にゆっくりと浸かってリラックスを促し、カフェインやアルコールの摂取を控えることも、睡眠の質を上げるには重要なことです。
更に仰向け寝だと金縛りが起きやすいという研究結果もありますから、抱き枕などを使って横向きで眠るようにすることも金縛り対策には良い方法です。
できるだけ自分自身がリラックスできる状態で眠るようにするということが睡眠の質の向上につながりますから、ぜひ色々試してみてくださいね。
睡眠外来の受診
ここまでお伝えしてきた対処法や予防法を試してみても、やっぱり金縛りになることが多い時には、専門機関に相談するのが一番良い対処法です。
最近では睡眠外来と呼ばれる、様々な睡眠障害に対応した医療機関がありますから、ぜひ受診してみましょう。
そもそも、金縛りは睡眠麻痺と呼ばれる睡眠障害の一種であると考えられています。
金縛りの頻度や状況によっては治療の必要がない場合もありますが、専門機関に相談することにより金縛りの原因が分かる可能性もありますから、頻度が多くて心配な人はぜひ受診してみてくださいね。
金縛りには病気が隠れていることも…
金縛りの対処法・予防法の中でもお伝えしたように、金縛りには病気が隠れている可能性があります。
金縛りを頻繁に繰り返してる状態の人の中にはナルコレプシーという睡眠疾患を患っている場合があるのです。
ナルコレプシーとは
ナルコレプシーという病気は、日中でも夜中でも関係なく突然眠気に襲われて眠ってしまう病気で居眠り病という別名があるほど急に眠ってしまう病気です。
日中に自分の意志では耐えられないほどの眠気に襲われて眠ってしまう…というのが主な症状ですが、他にもいくつか特徴的な症状があり、そのひとつが金縛りです。
眠りについてすぐ目が覚めてしまい、金縛り状態に陥ってしまうのです。
金縛り以外の症状としては、眠気が襲ってくる前に数分間の脱力発作が起こったり、入眠時に幻覚を見るなどの症状もあります。
このようなナルコレプシーの症状が見受けられる場合には、睡眠外来を受診し検査を受けてみましょう。
睡眠障害の原因や程度を判定するために睡眠ポリグラフィーという検査が行われて金縛りいわゆる睡眠麻痺を起こしている原因などが確認できるのです。
自分自身の金縛りの原因が病気なのでは?と思っている人は、ぜひ一度睡眠外来を受診して検査を受けてみることをおすすめします。
反復性孤発性睡眠麻痺とは
ナルコレプシーとは診断されないものの金縛りを繰り返している場合には反復性孤発性睡眠麻痺という診断が下されることが多いようです。
これは、ナルコレプシーであることを示すいくつかの症状がなく、金縛りだけが頻繁に起こっている人に下される診断です。
この診断が出た時には、金縛りを繰り返していてもナルコレプシーのような病気とは関係ないので安心してください。
ここでお伝えしてきた金縛りの対処法や、金縛りの解き方などを試していきましょう。
金縛りは医学的にどういうこと?
ここまでの内容をしっかり読んでいただくと分かるように…金縛りは医学的にみると睡眠麻痺と呼ばれる睡眠障害のひとつだということになります。
睡眠麻痺、別名睡眠時随伴症というのは、睡眠と覚醒の移行期に起こるもので、入眠時幻覚を伴う睡眠麻痺のことを指します。
分かりやすく言い換えると…レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す睡眠リズムの移行時に、夢と現実が混同してしまい、覚醒しているにも関わらず夢の内容が幻覚や幻聴のように感じられる状態で身体が動かせない…という状態のものです。
つまり、自分自身は目覚めている状態だと自覚しているはずなのに、身体が動かない状態なので金縛りとして認識されている…それが睡眠麻痺のメカニズムなのです。
睡眠麻痺の治療法や予防法
では、そんな睡眠麻痺は睡眠外来などへ受診するとどのように治療するのでしょうか?
ナルコレプシーを強く疑うような症状がある場合には薬物療法などで治療を施しますが、そうでなければ治療を必要としないことが多いようです。
それでも頻繁に睡眠麻痺の状態が続くようであれば、夜もよく眠れないし不安になるでしょう。
その時には、先の内容を参考にしながら生活習慣を見直し、睡眠の質の向上を試みるようにしてみてください。
きちんとした睡眠リズムで睡眠を取るようにしていけば、睡眠麻痺の症状が徐々に改善してくるのです。
まとめ
金縛りというものは、決して心霊現象などではありません。
金縛りが起こるということは、疲労やストレスなどの原因だけでなく、ナルコレプシーのような何らかの病気が隠れている可能性もあるのです。
ですから、たかが金縛りなどということで片づけられない場合も多々あります。
まずは、ここでお伝えしてきた自分でできる様々な対策を試してみて、それでも改善しない場合には専門医を受診してみるようにしてください。
生活リズムを整えるとともに睡眠の質を向上させていくことにより、金縛りが徐々に起こらなくなっていきます。
早く金縛りから解放されて、ゆっくりと質の良い睡眠を取っていくようにしていきましょう。