社会において、モラハラやパワハラなんて言葉が当たり前に聞かれるようになっている今、ストレスが溜まらない人間関係を築くことはとても難しいものです。
無理難題をふっかけてきて、できなければ理不尽な言葉を浴びせてくる上司。
仕事を無理やり押し付けてきて、またそれができなければ怒り出す先輩。
様々なスタンスからあなたに対して行ってくるそうした行為は、全て八つ当たりです。
八つ当たりをする方がもちろん一番問題なのですが…
実は、世の中には八つ当たりされやすいタイプの人というものが存在しているのを、あなたはご存知でしょうか?
そこでここでは、あなたが八つ当たりのターゲットにならないように、八つ当たりされやすいタイプの人がなぜ八つ当たりされるのかをお伝えしていきます。
真面目だから
真面目な性格の人は、比較的八つ当たりされやすい人だと言われています。
八つ当たりしてくる人も、八つ当たりして良い人か悪い人か判断して、行動を起こします。その判断理由の一つとして考えられるが「自分に対して言い返してこないか?」ということです。
八つ当たりをして人に文句を言っても、言い返してこられると結局自分にストレスが溜まってしまいます。
ですから、八つ当たりをする人というのは決して自分に言い返してこない人を選んで八つ当たりをしているのです。
真面目な性格の人は、どんな人の話でも真面目に聞こうとします。
それが分かるので、八つ当たりされるのです。
八つ当たりされないためには、自分の意見を持って反論する姿勢を見せること。
そうすれば、八つ当たりする方もあなたの敬遠するようになるでしょう。
大人しい性格だから
おとなしい性格の人も真面目な人と同じような理由で八つ当たりのターゲットにされがちです。
八つ当たりする人の潜在意識には「この人はおとなしいから反論してこないだろう」という自己洗脳の心理が働いているからです。
こうした人が八つ当たりされないようにするためには、自分の意見を持って反論することも必要ですが、何よりおどおどしないことが大切。
気持ちとしては恐怖心が働いていても、背筋を伸ばしてハキハキと話すことを心掛けるだけで、見た目が変わります。
それだけで、八つ当たりされるリスクは回避するでしょう。
優しい人だから
見るからに優しそうな人も八つ当たりのターゲットになってしまうことが多いと言われています。
人の心は元来弱いもの。
特に、八つ当たりする人というのは、自分が弱い人間だということを隠すために、虚勢を張るように八つ当たりをしている傾向にあるのです。
そのような心境で八つ当たりをしている人は、潜在意識に「自分を受け入れてもらいたい」という気持ちを常に持っています。
ですから、自分を受け入れてくれそうな、優しい人をターゲットにして八つ当たりをしてしまうのです。
では、こうした人が八つ当たりをされないためにはどうすれば良いのでしょうか?
優しいから八つ当たりをされて損をしてしまう…だから優しくしないというのでは、何の解決にもなりません。
人の意見をきちんと受け止めることを心理学用語で「受容」と言います。
この受容をした上で、自分の意見を冷静に返すようにしてみてください。
そうすれば、あなたの優しさが相手にも伝わり、八つ当たりされる頻度が減っていくでしょう。
包容力があるから
八つ当たりをする人は、本来弱い人間です。
自分の感情を自分でコントロールすることができないので、誰か受け止めてもらえる人をターゲットにして八つ当たりをしているのです。
つまり、弱い人間を受け止められる「包容力のある人」も、八つ当たりされる傾向にあると言えます。
あなたに包容力があり、自分を受け止めてくれる相手だと認識しているから八つ当たりをされてしまうのです。
しかし、いくら包容力があると言っても、そんなに他人の感情ばかり受け入れていてはストレスが溜まってしまいます。
ですから、あなた自身もストレスが溜まらないように、心をコントロールする必要があります。
そのためには、自分が八つ当たりされて嫌な気持ちになったことを紙に書き出してみましょう。
これは「書簡法」と呼ばれる心理カウンセリングの技法で、自分の心を客観的にみることができるものです。
そうして自分の心をコントロールし、八つ当たりを受け流していきましょう。
そのうちに、八つ当たりする人もあなたに八つ当たりをしても反応が無いことが分かり、八つ当たりをしなくなっていくはずですよ。
人に好かれる人だから
また、人に好かれる人望がある人も八つ当たりされる傾向にあります。
誰からも好かれる人というのは、八つ当たりするような心が狭い人からみれば羨望の対象。
こうした人も、自分のコンプレックスを刺激されるので八つ当たりのターゲットにしてしまうのです。
このような理由で八つ当たりされる人は、八つ当たりする人に対して「ドア・イン・ザ・フェイス」という心理術を使ってみてください。
八つ当たりとして無理難題をふっかけられた場合は、相手に更に無理な条件を提示してみましょう。
もちろん、それは断られます。
断ってきたら、本当にお願いしたい条件を提示するのです。
そうすれば相手は、最初のお願いを断った心理的負い目を感じているので、次のお願いを断らなくなります。
この心理術を使えば、八つ当たりでふっかけられた無理難題を回避することもできるし、人望も損なわずに済みます。
仕事ができるから
モラハラやパワハラの被害に遭う人の多くが、仕事ができるがゆえにそのターゲットになってしまうと言われています。
そもそも、八つ当たりする人というのは、劣等感が高く、自己肯定感が低い傾向にあります。
八つ当たりをする人は、自分に自信が無くて、コンプレックスを刺激されるので、八つ当たりをするのです。
では、こうした人が八つ当たりされないためには「仕事ができないふり」をすれば良いのでしょうか?
決してそういうことではありません。
仕事ができるからという理由で八つ当たりをされているのであれば、八つ当たりする人の仕事をどんどん代わってあげましょう。
人の心には、他人から何かしてもらうと必ずお返しをせずにはいられない心理になる「返報性の原理」というものがあります。
ですから、どんどん仕事をこなしてあげれば、あなたに対して八つ当たりをせずに何か他のお礼をしなければならない心境になっていくのです。
周囲に弱みを見せないから
八つ当たりする人というのは、自分のコンプレックスが刺激される相手をターゲットに選ぶ傾向にあります。
ですから、周囲に対して弱みを見せない人も八つ当たりのターゲットになってしまう場合があるのです。
このような人は、逆に周囲に対して弱い自分を見せるようにしていけば、八つ当たりされることがなくなると考えられます。
ですが、そんなことのために自分の評価は落としたくないものです。
そこでぜひ活用していただきたいのが、セルフハンディキャッピングという心理術です。
これは、自らにハンディキャップを課しておき、もし失敗した時でも言い訳ができるようにしておくというもの。
これなら、周囲に対して弱みを見せつつ、万一失敗しても自分の評価を下げることはありません。
いざという時のために覚えておくと良いでしょう。
まとめ
このように、八つ当たりする人というのは、自分の心を受け止めてくれる、また自分のコンプレックスを刺激する、そんな優秀な人を八つ当たりのターゲットに選んでいるのです。
つまり、八つ当たりされる人というのは、それだけ周囲から自分の才能を認められた人だということ。
ぜひ自分に自信を持ってください。
そして、極力八つ当たりされないように、こちらを参考にして八つ当たりを回避していってくださいね。