人によって様々な理由はあるでしょうが…、会社に勤めていれば、誰しも一度は「仕事を辞めたい」と思ったことがあるのではないでしょうか?
それで、満を持して、いざ、会社を辞めると上司に報告したいとき、過度な引き止めにあってしまうことがあります。
そうなった時に困らずにすんなりと仕事を辞めるには、どういう理由を告げれば良いのでしょうか?
ここでは、仕事を辞めたいと思った時に使える退職理由をお伝えしていきます。
キャリアアップ
仕事を辞めると決断したにもかかわらず、他人から過度に引き止められると、有り難い反面、正直わずらわしさの方が勝ってしまいます。
では、どのような理由であれば、引き止められずスムーズに仕事を辞めることができるのでしょうか?
会社側も納得できる理由で、またあなた自身も次のステップに向けて前向きな気持ちになれる理由の一つが「転職」を理由にするというものです。
しかもこの場合は、ただの転職ではなく、キャリアアップのための転職であるということを相手に意識づけるのが大切です。
そのためには、上司に退職理由を伝える時に「リフレーミング」という心理学の考え方を活用してみましょう。
リフレーミングは、コミュニケーション心理学において「物事の枠組みを変えて、別の枠組みで見直す」という考え方です。
例えば、上司にとってはあなたの退職がマイナスの出来事として捉えられているところを、プラスの思考に枠組みをし直すきっかけを与えると良いのです。
退職理由を伝える際には「○○さんのご指導のお陰で、更にスキルアップしたいという向上心が生まれました」などという言葉を伝えてみましょう。
そうすれば、上司にとっても自分の指導は無駄ではなく、退職もあなたのキャリアアップに必要だと納得してもらえるはずです。
他にやりたい夢がある
あなた自身に今の仕事とは別の夢があり、そのためにいつか転職をしたいと思っているなら、それも十分な退職理由になります。
そのために「いつかこの仕事は辞める」前提で働いているのであれば、日頃から周囲に夢を語っておくと、退職がスムーズに運ぶでしょう。
例えば、職場のデスクに自分の夢を紙に書いて貼っておくなどします。
紙に書いた夢や目標を自分自身や周囲が目にすることで、それがその人にとっての夢なんだと、より認知されやすくなるのです。
こうした心理の働きを「プライミング効果」と呼びます。
他にやりたいことや夢があって、そのためにいつか仕事を辞めると決めている人は、この心理現象を利用すると良いでしょう。
そうすれば、上司に退職を申し出た時に、きっとスムーズに話が進むはずです。
健康上の理由
仕事を辞める時に、いくら会社に不平不満があっても、それを相手にぶつけてはいけません。
そうすると、会社側との退職交渉がスムーズに運ばなくなるからです。
こうした場合には、あくまでもこちら側の責任で退職せざるを得ない状況であるということをアピールするのが賢明です。
色々な退職理由が考えられますが、一番引き止められにくい理由は、やはり「健康上の理由」ではないでしょうか?
中でも「うつ病」などのような精神的な病気は、上司も詳細を踏み込んで尋ねにくいので、スムーズに退職することができるでしょう。
家庭の事情
健康上の理由と同じように、会社側があまり立ち入って理由を聞いてこない退職理由が「家庭の事情」です。
家庭の事情と言えば、様々な理由が考えられます。
親の介護や病気、また家業を継がなくてはならなくなった…など、家庭の数だけ理由も様々です。
そして、会社側の人間も、こうした家庭の事情にはあまり他人も立ち入ってこない傾向があります。
人間には、相手が謙虚な態度で臨んでいる時に、それ以上立ち入りにくい心理が働きます。
そうした心理があるので、家庭の事情を前面に押し出した上で「大変ご迷惑をおかけしますが…」と謙虚な態度でいれば、それ以上上司もあなたを引き止めたりはしないでしょう。
退職理由に悩む時には、このような理由も使えることを覚えておくと良いでしょう。
寿退社
いよいよ辞める理由に困った際に、特に女性であれば使える退職理由が「寿退社」です。
「結婚を機に家庭に入る」などと言われたら、会社としてもおめでたいことなので、引き止めるわけにもいかないのです。
しかし、この場合注意しておきたいのが、結婚式などの予定を尋ねられることがあるということです。
本当に結婚する場合は良いでしょうが、あくまで「退職理由」として寿退社を利用するのであれば、そういった細かい予定も考えておかなくてはなりません。
万一、会社に寿退社が嘘だとバレたら大変だからです。
人の心理には「誤報効果」という心理現象が働くことがあります。
これは、童話にある「嘘つき少年」と同じような心理現象で、あまりにも誤報が続いてしまうと、次にその情報が本当だった時に信用されなくなります。
ですから、寿退社を退職理由として使う時には細心の注意を払って利用するようにしましょう。
万一嘘がバレてしまうと、本当におめでたいことが合った時に誰からも信用してもらえなくなります。
遠方へ引っ越し
同じように、バレてしまうと大変ですが引き止められない退職理由として「遠方への引っ越し」があります。
この理由の場合、あなた自身が会社に勤めるくらい大人になっているのですから、親の転勤で…なんて理由は通用しません。
寿退社や家庭の事情などと組み合わせて、遠方へ引っ越すことになったので「止むを得ず」会社を辞めるというところをアピールすると良いでしょう。
これもまた、万一会社にこの理由が嘘だとバレてしまった時には、あなた自身の信用は地に落ちます。
詳細をしっかり決めてから、会社に辞める理由として伝えるようにしましょう。
経済的なことを理由にする
最後に、会社から引き止められる可能性もありますが、辞める理由として正当なものとして「経済的な事情」を挙げます。
今の会社の給料ではどうしても生活ができない、なので仕事を辞めたいと「給料の折り合いがつかない」面を訴えるのです。
人間には、時間が経過すればするほど不満が増してくる「ハングオーバー効果」という心理現象が働きます。
ですから、こうした経済的な事情で辞めたいと言う場合、ある程度勤続年数が経過してないと認められない場合もあります。また、給与アップを盾に引き止められる可能性もあります。
ですが、会社というのは、辞めたいと言われたからといって簡単に給与アップなどできはしません。
大体の場合は、この理由で辞められるはずです。
まとめ
ここまでお伝えしてきた仕事を辞める時の退職理由は、あくまで一例です。
どの理由を使って辞めるとしても、一番大切なのは「あまりにも極端な嘘はつかない」ということです。
もちろん、会社を辞める時に本音だけが理由として認められるわけではありません。
仕事を本当に辞めたいと思ったら、建前の理由だって十分退職理由になるのです。
ただ、いくら建前だからといって、あまりにも大きな嘘をついてしまうと、後で取り返しがつかないようなことも引き起こしてしまう恐れがあります。
そのことは十分に注意して、仕事を辞める理由を活用してみてくださいね。