読心術というと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
テレパシーとか超能力とか、サイエンス・フイクションの世界を創造なさられる方も多いかと思います。
しかし、そういった想像上の話ではなく、現実の話として、よく相手を観察すれば、本人さえ意識の及ばないような心理を読み取ることもできます。
昔の日本のある高名な武術家の修業の話ですが、師匠が「アレをアレしろ」と全てをアレという言葉だけで指示し、弟子の側は師匠の心理を先読みして指示を理解することが求められたそうです。
今回の記事においては、視線・口癖・しぐさ・体格・ファッションといった箇所に着目した読心術のさわりを紹介します。
口癖の読心術
無意識に発せられた口癖のフレーズには、その人の潜在的な心理が反映されやすいのです。
たとえば、「やっぱり」を繰り返して口にするひとは、物事を深く考えていないということが多いです。そのひとが周囲の予想と全く違う結果を予想して的中させたという特殊な場面をのぞいて、通常の会話で、「やっぱり」と改めて言うべきことは少ないはず。「やっぱり」といった無難なフレーズの連発は、そのひとが語るべき内容を多く持っていないひとを示します。
次に、「だから」を相手が繰り返して口にしている場合、相手が自分の主張を構成するファクターの因果関係を全てあらかじめ整理している論理の怪物ということも稀にありますが、実際のところ、論理的イメージを偽装して、さして論理的でない内容を無理やり押しつけようという心理が働いていることも多いです。
視線の読心術
昔から「目は口ほどに物を言う」とも言います。大脳生理学によって、無意識的な眼球移動の方向から、相手の無意識的な心理の動きが読み取ることができます。
たとえば、人が嘘をつくとき、見ても聞いてもいない話を、言語でつくりあげようとします。言語を司るのは左脳であり、左脳は右半身を支配しています。それゆえ、人は嘘をつくとき、視線が右に動きます。
逆に、反射的に正直に答えるときには、まず脳内のイメージを探ります。イメージを司るのは右脳であり、右脳は左半身を支配しています。したがって、人は正直に答えるときには、視線がまず左に動くのです。
しぐさの読心術
視線以外の無意識な身体の動きからも、相手の心理を読み取ることができます。
たとえば、話をしているときに腕を組むひとは、人間の動物としての弱点である腹部を無意識に相手の視線から隠そうとしているのであって、警戒の心理を読み取ることができます。
また、足を組むひとの心理としては、腕を組む場合と同じく、緊張・警戒の心理を示すこともあるのですが、自分のパーソナルスペースを小さくして、相手の話を聞いてみようという心理のあらわれのこともあります。
体格の読心術
心理学者のクレッチマーによる体型分類は有名なもので、実際に性格や行動と体型、体格などは一致している事が多く、共通の心理傾向があります。
たとえば、病気がちで線の細い体格をしているひとは、善意の他人から世話になる機会が多いため、一から十まで説明してもらうということを当然と考えるひとも少なくないです。わからないふりをしていると悪意で受けとるよりも、本当に伝わっていないという可能性があることを検討しましょう。
身体を鍛え上げて筋肉質の体格をしているひとは、多くの場合、粘り強い努力を得意としています。ですから、その場の口先で「わかった」と了解の言葉を口にしても、自分のもともとの考えに固執して、了解していないということもあります。
ファッションの読心心理術
色が人間の感情に与える影響については研究が進んでいます。その日に着ている服の色から相手のその日の気分を読み取ることができます。
たとえば、寒色系等のブルーの色を着ているのならば、落ち着いて冷静なイメージを演出したいのであろうといったことがわかります。
暖色系のブラウンでコーデを決めているのならば、リラックスした空気をつくりあげたいのだろうといった心理を読み取ることができます。
また、コーデ全体でAライン・Iライン・Xラインといったシルエットを意識してつくってくるひとは、物語願望が強いことが多く、新たな刺激を求めています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
他にも、音のクオリアの選択、名詞句と形容詞句の使い分けなど、人間の隠された心理を知るための手がかりには様々なものがあります。
今回の記事においては、字数の制限があるため、読心術の中でポピュラーなものを5つ選んで、そのさわりだけを簡単に紹介させていただきました。
この記事が、あなたの心理学に対する興味のきっかけになるようなことがあれば、うれしいです。