やらなければいけないとわかっているのに、物事をついつい先延ばしにしてしまう・・・。
誰にでもよくあることだと思います。
先延ばし癖というのは、大きく分けて、2つの原因があります。
1つは、それに向かってやろうという動機づけ(モチベーション)が弱い。(動機づけには外部的なものと内部的なものがあります。)
もう1つは、やる気はあるのだけれども、何から手をつけてよいのかわからないという事。
今回の記事においては、この2つの原因に応じた先延ばし癖を克服する心理操作術をご紹介します。
他人を巻き込む
真面目な学生さん、もしくは、昔そうだったひとは、おそらく「勉強会」なるものを経験したことがあるかもしれません。
1人では先延ばしにしてしまうことであっても、チームを組む、他人に手伝ってもらうという形で、他人を巻き込めば、やらざるを得なくなります。
もしも自分がやらなければ、一緒にやっている仲間に迷惑をかけてしまうという気持ちは、内部からの動機づけになります。普段から親密なつきあいがある大切な仲間であれば、特に、それは強い動機づけになるでしょう。
また、同レベルの仲間と競い合う形になれば、「あいつには負けたくない」という気持ちも内部からの動機づけになります。
そして、もっと単純に、自分が先延ばしにしていれば、仲間から「こちらはお前につきあってやっているのだから、ちゃんとやってほしい」という声があがります。そういった仲間たちからの圧力は、外部からのモチベーションとして有効です。
仕事の後のご褒美の一杯
先延ばし癖の克服の問題については、ストレス仮説というものがあります。
ストレス仮説の説明によれば、先延ばしをするのは、それをやることに心理的ストレスを感じているからだということになります。
気の進まないことをやる心理的ストレスを軽減させるために、好きな事とセットでやる事を考えてみては、いかがでしょうか?
いわゆる「仕事のあとのご褒美の一杯」というやり方は、条件づけと呼ばれる心理操作テクニックの観点から見ても、有効なものです。うまく行けば、仕事をしている間にもご褒美の一杯の感覚が連想され、仕事自体を好きになれます。
好きなこと組み合わせる
やらなければいけないことに、自分の好きな要素を組み込んでしまうというのも、心理的ストレスの軽減のために有効です。
たとえば、絵を描くことが好きな人が、世界史の年号を覚えたいという場合には、世紀ごとにマスコットキャラクターをつくり、事件ごとにお絵かきをしながら年表を作成するといいでしょう。
イメージは右脳で記憶するので、普通よりも倍の容量の脳を利用できる、手を使うことで脳に強い刺激をうける、後ろ2ケタしか数字を暗記しなくてすむ、といった利点があります。けれど、最も良い点は、単純に楽しみながらできるので、長時間やってもストレスがたまらない事です。これは、大きな利点です。
やらなければいけないことに、自分の好きな要素を組み込んでしまうというのは、先延ばし癖の克服につながります。
成功が期待できる小さなことからやる
先延ばし癖の克服の問題については、ストレス仮説で説明しきれないケースもあります。
別に嫌いなことをやるわけでもないのに、これまでうまくいった経験がないから、うまくいっている自分の姿を想像するだけで、変化に対する不安が生じるというケースです。
医療法人社団松井病院等で心理療法を行っていた笠原敏夫氏によれば、人間には幸福否定の心理があると言います。
やらなければいけないことをやることが嫌だというのではなくて、成功すること自体が未知なものすぎて怖い。
このような幸福否定の心理からくる先延ばし癖を克服するためには、小さな成功体験を地道に積み上げていくべきでしょう。
重要性と緊急性のフレームワーク
フレームワークとは、情報分析、問題発見、問題解決、戦略を立案するときに利用する「思考の枠」のことです。
ものごとを「重要性」と「緊急性」を軸に4分割で分類する「重要性と緊急性のフレームワーク」は、本来取り組むべき、重要な仕事が後回しになっていないかチェックすることができます。
何から手をつけるべきかわからないので、先延ばしにしてしまうという人は「重要性と緊急性のフレームワーク」を利用するといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
先延ばし癖で、きわめて多くの人々が悩んでいることは事実だと思います。
しかし、『人間は弱いものだから、先延ばしをするのはむしろ普通だ』などと開き直っていると、いつか大変な状況で追いやられるかもしれません。
今回ご紹介した先延ばし癖を克服する心理操作テクニックが、あなたのお役に立つことを願っています。