自然の植物からの恵みであるアロマテラピーでは、心身への様々な効果が期待できるアロマオイルを使います。
眠れない時やイライラする時、自律神経のバランスが崩れている時など…アロマオイルの効果で、そのような不調が改善すると言われているのです。
ですが、なぜ植物の香りであるアロマオイルにそのような効果が期待できるのでしょうか?
そこで今回は、アロマテラピーの世界で欠かすことのできないアロマオイルになぜ様々な効果があるのか、その効果がどのように心身の不調を整えてくれるのかについてお伝えしていきます。
アロマオイルが心身に対してどのような効果を与えてくれるかについて詳しくお伝えするとともに、アロマオイルの正しい選び方や活用方法などについても解説していきます。
また、心身の不安を解消してくれる効果があるアロマオイルのおすすめレシピなどもしっかりお伝えしますので、あなたが日常的に抱えている心身の不調を改善する効果があるアロマオイルを上手に活用していってみてください。
こちらの内容を最後までしっかりご覧いただければ、あなたも毎日の暮らしの中でアロマの恩恵を受けることができるでしょう。
アロマの良い香りに包まれて過ごすことができるようになるだけでなく、心身への良い効果にもぜひ期待をしてくださいね。
アロマテラピーとは?
元々アロマテラピーは、フランスやイギリスなどのヨーロッパを中心に古くから親しまれている代替療法の一種です。
ヨーロッパの人々は、アロマオイルの香りに様々な効果があることを生活の中に取り入れていくことで理解しており、香り豊かな毎日を過ごしてきました。
そうした代替療法だったアロマの世界が、きちんとアロマテラピーとして成立し日本でも親しまれるようになったのは、どのような歴史を経ているのでしょうか?
そこで最初に、アロマテラピーの概要や歴史、実際にアロマオイルが心身に効く仕組みなどについて詳しく解説していきましょう。
アロマテラピーの概要と歴史
アロマテラピーとは、植物から採取されるエッセンシャルオイル=精油を用いて、私たちの健康や美容に役立てる芳香療法です。
植物の持つ香りには薬効があり、自律神経を整えて心身を癒してくれます。
アロマテラピーという言葉はアロマ(香り)とテラピー・セラピー(療法)を合わせた造語です。
1928年に、フランスの調香しであり化学者のルネ・モーリス・ガットフォセによって生み出されました。
そもそも、アロマテラピーに用いるエッセンシャルオイルは有史以前からの歴史があり、薬効の強い香りのある植物は人類の生活に欠かせないものとして様々なシーンで活用されてきました。
紀元前古代エジプトでは、香りを焚く薫香や、防腐作用を活用してミイラづくりをするための浸剤などとして使われていました。
キリスト教の聖書には、救世主であるイエスキリストの誕生に、現代でもエッセンシャルオイルとして使用されている乳香(フランキンセンス)と没薬(ミルラ)が献上されたと記されています。
その後、古代ギリシャやローマでは、化粧品や香料、薬など…様々な用途に植物から採取した香料が使われていたのです。
こうして、エジプトやヨーロッパを中心に香りの文化が世界へと広がっていきました。
10世紀にはアラビアの医師であるイブン・シーナが、植物から芳香成分のみを抽出する水蒸気蒸留法を考案しました。
イブン・シーナは、イスラム世界で最高の知識人と呼ばれる人物であり、あらゆる分野の学問に精通した科学者です。
そんなイブン・シーナは、当時のヨーロッパで盛んに研究されていた錬金術の装置を開発する過程で、植物を高温で蒸して上がった水蒸気を急速に冷やして液体に戻すことでエッセンシャルオイルを取り出すことができたのです。
イブン・シーナの考案したエッセンシャルオイルの抽出方法は、中東からヨーロッパに広まり、その後のアロマテラピー発展を後押しすることになります。
中世ヨーロッパでは、十字軍の遠征のときに樹脂や香油・ハーブとともにそれらの使用方法や、先ほどのエッセンシャルオイル抽出方法が伝わりました。
そうして抽出されたエッセンシャルオイルは、12世紀にはアラビアの香料として有名になりました。
また、エッセンシャルオイルの蒸留技術が改善されて薬品としても利用されるようになりました。
例えば…14世紀のハンガリー王女エリザベスの逸話はご存知でしょうか?
ハンガリーのエリザベス王女は、晩年痛風や脳卒中の後遺症による麻痺で苦しんでいました。
その症状を改善するために処方したハーブの浸出薬ハンガリアンウォーターは、彼女を痛みから解放しただけでなく、若さを取り戻させたのです。
その証拠に、親子ほどの年の差がある隣国の王子が求婚したというほどです。
ハンガリアンウォーターの主成分は、ローズマリーとローズウォーターでした。
植物から抽出された成分には、それだけの効果が含まれているということなのです。
そうして時代は流れ、1928年にフランスの化学者であるルネ・モーリス・ガットフォセが自身の火傷をラベンダーのエッセンシャルオイルで癒したことから、その効果に気づきアロマテラピーという新しい分野を確立していきます。
現在、アロマテラピーは世界中に広がり、植物の香りに含まれる様々な効果に対する研究が進み、美容や健康維持、リラクゼーション、スポーツや介護・医療など…数多くの分野で活用されています。
アロマオイルの効果
アロマテラピーでは、植物から抽出されるエッセンシャルオイル(ここからは、誰にでも分かりやすくアロマオイルとします)を活用します。
それぞれに様々な効果を含んだアロマオイルは、あなたが抱える様々な症状や使いたい目的に応じて、数多くの種類から活用することができます。
アロマディフューザー(芳香拡散器)を使用した芳香浴やアロマオイルを浴槽に垂らして使うアロマ沐浴法、アロマオイルを入れた化粧水などを作ってスキンケアをすることによって体内にその成分を取り込むことができるのです。
そんなアロマオイルの持つ効果には、以下のようなものがあります。
- リラックス
- リフレッシュ
- 消化促進
- 免疫強化
- 免疫調整
- 睡眠の質の向上と改善
- ホルモンバランス調整
- 細胞促進による美肌効果
- 血行促進
- 認知症予防効果
ここに挙げただけでも数多くの効果があることが分かりますが、アロマオイルの成分やその効果については現在も様々な分野から研究が続けられており、これからもまだまだ新しい効果が発見されるのではないかと期待されています。
アロマオイルが心身に効く仕組み(メカニズム)
このように、素晴らしい効果がたくさん含まれているアロマオイルですが…実際にはどのようなメカニズムによって心身に効果をもたらしてくれるのでしょうか?
アロマオイルの持つ芳香成分は、主に以下の3つのルートで体内に吸収され、私たちの心身に影響を与えています。
鼻から脳へ
私たちの鼻の奥には嗅細胞と呼ばれる感覚器があります。
アロマオイルの芳香成分は、この嗅細胞を刺激することによって電気信号へ変換され、脳の大脳辺縁系へ伝達されます。
更にそこから、脳の視床下部や下垂体へと伝わっていきます。
大脳辺縁系には偏桃体や海馬と呼ばれる器官もあり、鼻から伝わった芳香成分はそこにもダイレクトに伝わっていきます。
このように嗅覚は、五感の中で唯一脳へ直接伝わる感覚であり、その働きから芳香成分の効果は私たちの心身に大きな影響を与えているのです。
肺から全身へ
芳香浴などで嗅いだアロマオイルの芳香成分は、鼻や口から吸収されます。
そこから気管を通過して肺へ到達し、肺胞から血液に入り込んで全身の組織や細胞に運ばれていくのです。
このルートで伝わると、気管を通る過程で呼吸器へも良い影響を与えますし、全身の血流も促進してくれます。
皮膚から全身へ
アロマオイルに含まれる芳香成分は、とても分子が小さいため皮膚の奥にある毛細血管にまで浸透します。
そして、毛細血管を流れる血液にのって、全身の筋肉や器官に対して良い影響を与えてくれます。
このルートは、特に経皮吸収と呼ばれる方法で、植物油で希釈したアロマオイルを使ったアロママッサージや、アロマオイルを入れて作ったスキンケアなどで行うことができます。
アロマオイルの使い方と注意点
このように…アロマオイルのような芳香成分を生活に用いることには、人類の有史以前からの長い歴史があり、私たちの身体にもそれを受け入れるメカニズムがしっかりと備わっていることが分かります。
更に、アロマオイルは植物由来ですから、身体に優しく安全だと思われる人も少なくありません。
ですがアロマオイルというのは、植物が持つ薬効を数百倍にまで濃縮したものなので、100%安全とは言い切れないのです。
そのため、アロマオイルの取り扱いや注意点はきちんと理解しておく必要があります。
そこでここからは、アロマオイルの具体的な使い方や注意点などをお伝えしていきます。
アロマオイルの特徴
アロマテラピーで使用するアロマオイル…いわゆるエッセンシャルオイル(精油)には、大きく分けて3つの特徴があります。
- 強い香り(芳香性)
- 空気に触れると蒸発する(揮発性)
- 油に溶けやすい(親油性・脂溶性)
この3つの特徴を持っているものがアロマオイルとして、アロマテラピーの世界で使用されています。
最近では、人工的に作られた合成香料なども多く出回っているので、こうした特徴があるものがアロマオイル=エッセンシャルオイルであると知っておくと良いでしょう。
また、アロマオイルは植物から抽出された100%天然のものなので、保存料などが一切含まれていません。
そのため、光や熱・空気などの影響で成分が変化したり劣化したりすることが多々あるのです。
他にも…アロマオイルは天然の芳香成分が凝縮された液体であるため、人によっては刺激が強くて心身に合わない…などということもあるようです。
ですから、アロマオイルを毎日の生活に取り入れていくためには、こうした特徴を理解したうえで、取り扱いや保存方法を知る必要があるのです。
アロマオイルの系統と種類
アロマオイルというものは本当にたくさんの種類があります。
アロマオイルを作るためには天然の植物が原材料となるため、植物の数だけアロマオイルが存在しているといっても過言ではありません。
その香りや効果のある成分は様々ですが、主に7つの香りの系統に分類されます。
これからアロマオイルの香りを楽しむためにも、また自分の体調や気分に合ったものを選ぶ時にも、覚えておくと参考になりますよ。
ハーブ系
日常生活の中でも親しみやすく、さわやかで清涼感のある香りが特徴のハーブ系の香りには、特に呼吸器系に作用する芳香成分が含まれています。
代表的なアロマオイルとして…ペパーミント、クラリセージ、ローズマリーなどがあります。
柑橘系
老若男女を問わず人気があり、みずみずしく爽やかな香りの柑橘系のアロマオイルには、心身のリフレッシュやリラックスに最適な芳香成分が豊富に含まれています。
他のアロマオイルと違い、オレンジやレモンなど柑橘系植物の果皮を絞って抽出する圧搾法という方法で抽出されます。
そのため、他のアロマオイルより使用期限が短いのも特徴のひとつだと言われています。
代表的なアロマオイルとして…オレンジスイート、レモン、グレープフルーツ、ベルガモットなどがあります。
フローラル系
豊潤で豊かな、華やかで甘い香りが特徴のフローラル系のアロマオイルには、気持ちを落ち着かせて穏やかにしてくれるリラックス効果が含まれています。
代表的なアロマオイルには…ローズ、ラベンダー、ゼラニウム、ジャスミンなどがあります。
樹脂系
香りの持続性が長く、甘く濃厚な香りが特徴の樹脂系のアロマオイル。
一般的にはあまり知られていませんが、先ほどのフローラル系のアロマオイルよりもリラックス効果が高いのが特徴です。
代表的なアロマオイルには…フランキンセンス、ミルラ、ベンゾイン(安息香)などがあります。
スパイス系
ハーブ系の一種ともいわれるスパイス系のアロマオイルは、その名の通りピリッとしたスパイシーな香りが特徴です。
心身のリフレッシュに良い効果があるとともに、胃腸の調子を整える効果や防腐作用があります。
代表的なアロマオイルとして…ブラックペッパー、コリアンダー、ジンジャーなどがあります。
ウッディ系
まるで森林の中にいるような、グリーンの清涼感溢れるすっきりとした香りが特徴のウッディ系の香り。
気持ちを静める鎮静効果や消毒効果の他にも、殺菌やウイルスの増殖を抑える効果があるアロマオイルも多数あります。
代表的なアロマオイルとして…ユーカリ、ティートリー、シダーウッド、ヒノキなどがあります。
エキゾチック系
オリエンタル系とも呼ばれるエキゾチック系のアロマオイルは、お香などに使われるような、アジア圏の異国情緒を思い出させるような香りがします。
これらの香りには、特に高い鎮静効果が含まれており、瞑想などをするときに気持ちを深く落ち着かせてくれます。
代表的なアロマオイルとして…イランイラン、サンダルウッド、パチュリ、ベチバーなどがあります。
アロマオイルを使う上での注意点(副作用や保存方法など含む)
アロマオイルは天然の植物から抽出したものなので、正しく使えば身体に害を与えることはありませんが、だからといって100%安全なわけではありません。
アロマオイルは濃度が高い植物のエキスなので、使う上では副作用や保存方法には注意が必要です。
ですから、以下お伝えする内容についてはしっかり守っていただきたいと思います。
原液を直接肌に付けないこと
アロマオイルはとても濃度が高く刺激が強いので、原液は直接肌につかないようにして使いましょう。
使用するときには必ず基剤と呼ばれる植物油などで希釈してから使用します。
もし原液が肌に直接付いてしまった時には、流水ですぐに洗い流してください。
粘膜には使用しないこと
また、希釈したアロマオイルでも目や鼻、唇などの粘膜の部分にも決して使わないようにしましょう。
万一アロマオイルが粘膜などに付いてしまった場合には、大量の水で洗い流してください。
それでも異常が出た場合には、すみやかに医師の診断を受けてください。
飲用しないこと
イギリスやフランスなど…アロマテラピーがメディカルの分野でも活用されているヨーロッパでは飲用のアロマオイルがあり、医師の指導の下で飲用することもあります。
しかし、日本においてアロマテラピーはあくまでリラクゼーションとして活用するものなので、日本では飲用を禁止されています。
ですから、誤って飲用してしまった場合には、口をすすいで吐かずに医師の診察を受けましょう。
皮膚が弱い人やアレルギーのある人について
アロマオイルの中でも刺激の強い成分を含んでいるものは、いくら希釈していても炎症や肌荒れが起きる恐れがあります。
皮膚が弱かったり、アレルギー性皮膚炎などを持っている人は、アロマオイルを使う前にパッチテストをしましょう。
腕の内側の柔らかい部分に使用する予定のアロマオイルを塗り、しばらく置いて様子を見ます。
赤くなったりかぶれたりしていなければ、そのアロマオイルは使用しても大丈夫だということになります。
柑橘系アロマオイルの光毒性
レモンやグレープフルーツなど…柑橘系のアロマオイルの中には、肌に付いた状態で紫外線を浴びると皮膚に赤みやかぶれを引き起こす光毒性という成分を含んだものがあります。
ですから、光毒性を含んでいるアロマオイルは日中や外出前などの紫外線を浴びる可能性がある状態では使わないようにしましょう。
子どもへの使用について
子どもは、心身が未発達の状態ですからアロマオイルを使用する場合も配慮が必要です。
3歳未満の乳幼児には原則アロマオイルを直接使用せず、芳香浴のみとします。
3歳以上12歳以下の子どもに使用するときは、大人の半分の濃度で使用するようにしましょう。
妊娠中の人の使用について
妊娠中の人に使用するときには、更に配慮が必要です。
妊娠初期と出産を控えた妊娠後期には、胎児への影響を考えて使用は控えた方が良いでしょう。
病気をしている人や薬を服用している人について
アロマオイルには様々な効果があるため、中には血圧の上昇や降下に影響を与えたり、心臓に刺激を与えるとされているものもあります。
ですから、高血圧症や心臓病などの病気をしている人などは、アロマオイルを使用する前に必ず医師と相談しましょう。
また、薬を服用中なども自己判断でアロマオイルを選ぶのは良くありません。
その際は、アロマテラピーに関する有資格者がいるお店で、あなたに適したアロマオイルを選んでもらってくださいね。
合成香料との見分け方
雑貨店やいわゆる100円ショップで販売されているアロマオイルは、人工的に作られた合成香料です。
アロマテラピーで使うアロマオイルとは根本的に違うものなので、100%植物から抽出された天然のアロマオイルを使用するようにしましょう。
天然のアロマオイルには、必ずラベルに学名抽出方法原材料原産国などが記載されています。
合成香料にはそのような記載はありませんから、見分ける際の参考にしてくださいね。
アロマオイルの選び方
では実際に、ここからはアロマオイルを選び、様々なシーンに取り入れて活用していく方法などをお伝えしていきます。
しかし、アロマテラピー初心者の人にとってはアロマオイルを選んでみようと言われても、どんな風に選べばよいか分からないのではないでしょうか。
そこで…アロマオイルの選び方からまずお伝えしていきます。
使用する目的や、あなたが抱える困った症状などに焦点をあてた選び方を伝授しますから、参考にしてみてくださいね。
目的別や症状別おすすめアロマレシピ
毎日の生活の中で、香りを楽しみながら使用していけるようなアロマオイルを選んでみましょう。
アロマオイルにはたくさんの種類があるので、それぞれが持つ効果なども考慮に入れたアロマレシピをご紹介していきます。
目的で選ぶアロマレシピ
まずは、その日の気持ちに合わせて香りを選んでいきます。
その目的がリラックスなのかリフレッシュなのか、それとも集中力アップなのか…アロマオイルを使用する目的で選ぶアロマオイルも変わります。
リラックスしたいとき
毎日の暮らしの中で、仕事や勉強のストレスや緊張感を感じる人は多いはずです。
せっかく家に帰ってきても、そうしたストレスから解放されず、気持ちが張り詰めて息苦しさを感じることもあるのではないでしょうか。
そんな時におすすめなのが、アロマオイルの様々な効果の中でも鎮静作用や気分を高揚させる作用があるアロマオイルです。
柑橘系アロマオイルであるオレンジスイートやネロリやユズ、フローラル系のアロマオイルであるラベンダーやカモミール、イランイランなどの中から2~3種類ブレンドしてみると良いでしょう。
リフレッシュしたいとき
原因は分からないけどなんだか不安気持ちが沈みがちなどといった気持ちを抱えている人は少なくありません。
そんな時には、アロマオイルの中でもリフレッシュ作用の効果が高いアロマオイルを選んで使ってみてください。
柑橘系アロマオイルの中でもレモンやグレープフルーツ、ライム、またウッディ系のアロマオイルであるヒノキやシダーウッドにそうした効果が期待できます。
夜ぐっすり眠りたいとき
ストレスが解消されず、気持ちが不安定な状態のまま眠りに付こうとしても、なかなか寝付けない…そうした睡眠トラブルは誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。
そんなときには、リラックス効果よりも更に深い鎮静作用を与えてくれるアロマオイルで、心のバランスをしっかりと整えてから眠りに付けるようにしてみてください。
先ほどリラックスしたいときにおすすめしたアロマオイルに加えて、エキゾチック系アロマオイルであるサンダルウッド、ハーブ系アロマオイルのクラリセージなども追加します。
これらのアロマオイルは、深い鎮静作用とリラックス作用が含まれているため、緊張からあなたを解き放ち、良い眠りをサポートしてくれるでしょう。
集中力を上げたいとき
アロマテラピーは、なにもプライベート空間だけで楽しむものではありません。
職場や学校など…自分が仕事や勉強をする机の上でもアロマオイルの効果を受けることができます。
仕事や勉強の途中で頭が疲れてぼんやりしてきたら、集中力を上げる効果があるアロマオイルをハンカチやティッシュに垂らして、その香りを嗅いでみてください。
そうした効果のあるアロマオイルには、高揚作用や活性作用が含まれているため、コーヒーや眠気覚ましのドリンクなどを摂らなくても頭の中がすっきりしてきます。
柑橘系アロマオイルのレモンやベルガモット、ハーブ系アロマオイルのローズマリーやペパーミント、フローラル系アロマオイルのゼラニウムなどで集中力アップを図りましょう。
風邪予防をしたいとき
アロマテラピーで風邪や感染症などを未然に防ぐには、毎日の生活にそうした効果のあるアロマオイルを選んで取り入れていく必要があります。
殺菌作用や抗ウイルス作用、免疫アップの作用が含まれているアロマオイルを部屋全体に漂わせて、そうした効果を得るようにしてみてください。
ウッディ系のアロマオイルであるティートリーとユーカリには、特に風邪や感染症予防に効果のある作用が多く含まれています。
また、フローラル系アロマオイルのラベンダーやカモミール、ウッディ系アロマオイルのサイプレスやパインも風邪予防におすすめです。
症状別オススメアロマレシピ
今あなたが抱えている困った症状を改善・緩和してくれるようなアロマオイルも色々あります。
症状にしっかりアプローチしてくれるような効果を持つアロマオイルを選んで、日々の不調を整えるために活用していきましょう。
ここからは、具体的な症状別におすすめしたいアロマレシピをご紹介していきます。
気分の落ち込みを緩和する
具体的な理由が見当たらないのに、気分が落ち込んで何も手に付かない…そんなときはありませんか?
うつ病とまで言わなくても、ホルモンバランスやストレスの状態により気分が落ち込んでしまうことがあります。
そんな時にもアロマオイルの中に気分の落ち込みを改善する作用を持つものがいくつかあります。
沈みすぎた気分を明るくしたり、ストレスで凝り固まった気分を解放してくれるでしょう。
柑橘系アロマオイルのベルガモットには、気分の落ち込みなどのうつ状態緩和に高い効果があると言われています。
その他にも…ラベンダー、ジャスミン、ゼラニウム、オレンジスイート、ローズマリーなども、気分の落ち込み緩和に効果があります。
これらのアロマオイルを2~3種類ブレンドしてボディオイルを作り、お風呂上りに全身に塗布すると夜眠るときもその香りで気持ちが安定します。
ぜひ試してみてくださいね。
花粉症やアレルギー性鼻炎を緩和する
先ほども風邪予防の項目でお伝えしましたが、アロマオイルの中には殺菌作用などが多く含まれているものが多々あります。
それに加えて、去痰作用などが多く呼吸器系にアプローチしてくれるアロマオイルを活用していけば、つらい花粉症やアレルギー性鼻炎などを緩和することもできるのです。
ウッディ系のアロマオイルであるユーカリには、強力な殺菌作用と抗ウイルス作用に加え、去痰作用が豊富に含まれています。
その他にも…ティートリー、ペパーミント、サイプレスなどが花粉症やアレルギー性鼻炎の緩和におすすめです。
これらのアロマオイルを、熱湯を注いだマグカップに数滴垂らし、その蒸気を吸う吸入法でアロマオイルの効果を体内に取り入れてみましょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎の症状が少しずつ緩和していくはずです。
女性特有の不調を緩和する
生理痛や浮腫み、イライラなど…女性には、そのホルモンバランスの変化により起こるPMS=月経前症候群と呼ばれる不調があります。
こうした不調で悩んでいる女性はとても多いと言われていますが、女性ホルモンのバランスを整えたり、その分泌を促す作用のあるアロマオイルを使うことで症状の緩和の効果が得られます。
様々なアロマオイルの中でも特に、クラリセージ、マジョラム、ローズ、ゼラニウムには、女性ホルモンエストロゲンの分泌を促し、バランスを整える作用があるのです。
その他にも…ラベンダーやグレープフルーツで、PMS期に起こる浮腫みやイライラの緩和ができます。
これらのアロマオイルを活用して、毎月訪れる女性特有の不調を緩和するようアプローチしてみましょう。
認知症予防にアプローチする
某大学の認知症研究で明らかとなった数種類のアロマオイルには、認知症予防に高い効果があることが分かっています。
アロマショップなどに行くと既に効果のあるアロマオイルがブレンドされたものも販売していますが、そのブレンドはぜひ覚えておくと、認知症予防だけでなくリラックス効果や記憶力アップの効果も期待できます。
まず朝用に、ローズマリーとレモンを2:1でブレンドしたアロマオイルの香りを2時間以上嗅ぐと、記憶力や集中力を高める効果が期待できます。
夜用には、ラベンダーとオレンジスイートのブレンドを2:1の割合でブレンドしたアロマオイルの香りを嗅ぎましょう。
鎮静作用とともに安眠作用も期待できるアロマブレンドです。
アロマを楽しむための活用方法とおすすめグッズ
では最後に、先ほどまでお伝えしてきたおすすめアロマレシピを楽しむための方法とおすすめグッズをご紹介していきます。
アロマテラピーは、高価な道具を購入したりしなくても、家にあるもので十分楽しめます。
芳香浴法
芳香浴は、アロマオイルの香りを空間に拡散してその香りを楽しむ方法です。
アロマランプやアロマディフーザーといったアロマテラピー専用の芳香拡散器を使う方法が一般的ですが、その他にもアロマスプレーを作って空間に噴霧する方法があります。
また、そうしたものが何もなくてもハンカチやティッシュにアロマオイルを垂らしてその香りを嗅ぐのも、立派な芳香浴です。
この方法は、アロマテラピーを楽しむ際の一番基本的な方法ですから、アロマテラピー初心者は芳香浴からスタートするのがおすすめです。
吸入法
吸入法は、先ほどの芳香浴から更にピンポイントで症状にアプローチできる方法で、アロマオイルの成分を鼻や口から取り入れて直接作用させるものです。
この方法は、特に専用の道具を必要としません。
熱湯を注いだマグカップにアロマオイルを数滴垂らして、深呼吸をするように鼻や口からゆっくりと蒸気を吸い込むだけです。
そうすることで、鼻やのどにアロマオイルの効果が直接作用して、不調を緩和してくれます。
風邪の引き始めや花粉症などの時期におすすめの方法です。
沐浴法
沐浴法は、お湯の入った浴槽や洗面器にアロマオイルを垂らして、そこに全身や手足を浸す方法です。
この方法も特に専用の道具は必要なく、入浴時などにアロマオイルを入れて入浴すればよいのです。
冬の寒い季節には、洗面器にお湯を張ってアロマオイルを入れて手浴や足浴を楽しんでみるのも良いでしょう。
そうすることで、皮膚から全身へアロマオイルの効果が伝わっていくのです。
湿布法
湿布法は、アロマオイルを含ませた水またはお湯にタオルを浸して絞り、痛みやコリのある部分に当てて症状を緩和する方法です。
この方法も、タオルと洗面器さえあればできるので、肩こりや腰痛、捻挫や打撲の後の症状緩和に役立ちます。
肩こりや腰痛、また生理痛のような症状の時には、血行を促進するために温湿布で。
捻挫や打撲、スポーツ後のクールダウンには冷湿布が効果的です。
とても簡単で手軽にできますので、ぜひ試してみてください。
トリートメント法
一般的にアロママッサージと呼ばれているこの方法は、アロマオイルを植物油に希釈してマッサージオイルを作り、それを身体に直接塗布してその効果を得る方法です。
トリートメント法は、アロマオイルの持つ芳香成分の効果と、身体に触れるマッサージとの相乗効果で、リラックス効果や血行促進、老廃物排出、美肌効果など…様々な効果を得られます。
プロのアロマセラピストにマッサージしてもらうのも良いですが、アロマオイルと植物油を揃えてセルフマッサージを行うのもおすすめです。
毎日の日課に、ぜひアロマのセルフマッサージを取り入れてみてくださいね。
まとめ
このように…アロマオイルには、私たちの心身の不調を整えたり、また症状を緩和するなど、様々な素晴らしい効果があります。
アロマオイルを日常生活の中で役立てていくためには、アロマオイルの効果をしっかりと理解したうえで、その都度あなたの心身の健康維持に役立つアロマオイルを選んでいくと良いでしょう。
ですが、難しい知識や高価なグッズなどが無くても、アロマオイルの効果の恩恵を受けることは十分可能ですから安心してください。
使用上の注意や保存方法なども正しく覚えて、あなたの暮らしをアロマの香り効果で豊かにしていってくださいね。