アロマテラピーの世界では、心身に様々な良い効果があるとされるアロマオイルを使います。
そんなアロマオイルの中には、これからの季節に大変役立つ虫除け効果があるものがあります。
市販の虫除けスプレーもありますが、そうしたものには薬効の強い化学成分も含まれているので、小さいお子さんの肌に直接スプレーするのは気が引ける…と思っているお母さんたちは多いのではないでしょうか。
そのように考えているお母さんたちも、アロマオイルを活用した虫除けスプレーなら安心して使えるのではないでしょうか。
そこで今回は、アロマオイルの中でも特に虫除けに対して効果のあるものを活用した虫除け対策についてお伝えしていきます。
アロマオイルを使った虫除け対策をするにあたってなぜアロマで虫除けができるのか?について詳しく解説していきます。
また、虫除け効果のあるアロマオイルの紹介や、それらのオイルを活用した虫除けグッズの作り方・使い方をお伝えしていきます。
アロマオイルであれば、市販品のように強い化学成分は含まれていませんから、赤ちゃんや小さなお子さん、ペットにも安心して使うことができます。
これからの季節、大活躍の虫除けグッズをアロマオイルで作ってみませんか?
アロマで虫除け対策!
ご家庭に赤ちゃんや小さなお子さんがいる場合などは特にそうでしょうが…これから暑くなる季節で気になることのひとつに虫除け対策があります。
市販でもスプレーやシートなど、虫除け対策グッズはたくさんありますが、そうした市販品を赤ちゃんや小さなお子さんに使うとなると気が引けると思う人も多いのではないでしょうか。
そうした考えを持っている人たちを中心に、最近注目されているのがアロマオイルを使った虫除け対策です。
アロマオイルであれば植物由来のものなので、赤ちゃんや小さなお子さんにも安心して使えるのではないでしょうか。
そこで最初に、アロマオイルがどのようにして虫除け対策に役立つのかについてお伝えしていきます。
なぜアロマで虫除けができるの?
そもそも、なぜアロマオイルの中に虫除け効果があるものが存在しているのでしょうか?
結論から言うと…アロマオイルの芳香成分の中には昆虫忌避作用と呼ばれる成分が含まれているものがあるからです。
昆虫忌避作用とは、その名の通り昆虫が忌み嫌い、避ける作用のことです。
植物というものは、当然ながら自ら動くことはありません。
たとえ、自分に害を及ぼす可能性がある昆虫が寄ってきたとしても、自分の力で払うこともできないのです。
ですから植物は、動けない代わりに虫が忌み嫌うような香りを作り出して害虫から身を守るようになりました。
その香りこそ昆虫忌避作用です。
私たち人間にとっては良い香りでも、昆虫にとってはダメージを受ける香りとして存在しており、その作用をアロマオイルとして利用することで虫除け対策ができるのです。
昆虫別アロマ対策(虫除け効果のあるアロマオイルの紹介)
では具体的に、どのようなアロマオイルに昆虫忌避作用が含まれており、実際の虫除け対策に活用できるのでしょうか?
昆虫別にアロマオイルを紹介していきますので、ご家庭や外出時などに活用してみてください。
蚊・ノミ・ダニなど吸血系の昆虫対策
夏の天敵蚊やノミ・ダニなどの吸血系昆虫は、レモンのような香りを苦手としています。
レモンのような香りの元は、シトロネラール・シトラール・シトロネロールといった芳香成分です。
これらの芳香成分を多く含むアロマオイルを蚊などが苦手としており、虫除けグッズを作るときに活用すると良いでしょう。
具体的には…シトロネラ、レモングラス、レモンユーカリ、レモンマートルなどがこれに当たります。
この他にも、ゼラニウムやラベンダーにも蚊などの虫除けに効果が期待できますから、ぜひ活用してみましょう。
ゴキブリなどの昆虫対策
家庭内で絶対にお目にかかりたくない昆虫ゴキブリ。
このゴキブリ対策も、アロマオイルで十分行うことができます。
ゴキブリは、スパイス系の独特な香りを苦手としており、カンファー・メントン・オイゲノールという芳香成分がその元となっています。
具体的には…クローブ、シナモン、ベチバー、ハッカ、オレガノ、ローズマリーカンファーなどがこれに当たります。
こうしたアロマオイルをサシェなどの香り袋に染み込ませてゴキブリの通り道に置いたり、原液を少し垂らしておくと効果的です。
気温が上がってくるとゴキブリも活動的になりますから、その前にぜひ対策すると良いでしょう。
ハエなどの昆虫対策
ハエも、気温が上がってくるとより活動的になり厄介な昆虫です。
ハエはミント系の香りと薬品臭を苦手とする昆虫であり、元となる芳香成分はメントール・チモール・カルバクロールです。
具体的には…ペパーミント、タイム、オレガノ、ゼラニウムなどがこれに当たります。
この他にも、レモングラスやユーカリも苦手とされています。
ハエがよく寄ってくるゴミ箱のふたの裏に、ティッシュにアロマオイルを染み込ませたものを張っておくだけで十分対策になりますのでやってみてください。
アロマオイルが無い時は…ハッカ油の活用方法
ここまでの内容を見ていただいたらぜひ昆虫忌避作用のあるアロマオイルが欲しい!と思われる人も多いでしょう。
しかし、お近くに天然100%植物由来のアロマオイルを取り扱っているお店がなかったら…やはり虫除け対策は市販品で我慢するしかないのでしょうか?
そんなことはありません!
ドラッグストアなどでも販売されているハッカ油なら、昆虫忌避作用のあるアロマオイルの代用をしてくれます。
ハッカ油は、ハッカソウと呼ばれるミントの一種を乾燥させて抽出した植物油のこと。
そのため、化学的な成分が一切入っておらず赤ちゃんや小さなお子さんにも安心して使うことができます。
ハッカ油の主要成分はメントールと呼ばれる芳香成分で、このメントールにも昆虫忌避作用があります。
昆虫忌避作用のあるアロマオイルがなかなか手に入らない時には、ハッカ油を使ってスプレーなどを作ると十分虫除けができますよ。
アロマ虫除けグッズを活用しよう!
なぜアロマオイルで虫除けができるのか?というメカニズムが理解できたところで…
ここからは実際に、アロマオイルを使って虫除けグッズを作っていきましょう。
今回は、蚊などの虫除け対策を中心とした内容でお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
アロマ虫除けスプレーと蜜蝋クリームの作り方
先ほどの項目で蚊などの虫除けに効果のあるアロマオイルをいくつかご紹介していますが、その中でも代表的で手に入りやすいものとしてシトロネラ・レモングラス・レモンユーカリ・ゼラニウムがあります。
今回のアロマ虫除けグッズ作りでは、この4種類のアロマオイルを使っていきましょう。
これを単体で使用しても良いですし、4種類すべてをブレンドしても構いません。
あなたのお好みの香りのブレンドオイルで、虫除けグッズを作ってみてくださいね。
アロマ虫除けスプレーの作り方
作っておけば大変重宝するアロマ虫除けスプレーの作り方をご紹介します。
材料は…アロマオイル、無水エタノール(またはグリセリン)、精製水の3つだけです。
これら3つの材料と、スプレー瓶、ビーカーなどの容器をご用意ください。
今回は、30mlのスプレー容器1本分のアロマ虫除けスプレーを作ります。
まず最初に、ビーカーなどの容器に無水エタノール(またはグリセリン)を5ml入れ、そこにアロマオイルを全部で6滴入れてよく混ぜ合わせます。
その液体をスプレー容器に移し、精製水を25ml測ってスプレー容器に入れます。
たったこれだけで完成です!
虫除けスプレーを使う前には、毎回必ずよく振ってからお使いください。
作ったスプレーは約2週間を目安に使い切ってください。
作った日付をラベルに書いてスプレー容器に貼っておくと、使用期限が分かりやすいですね。
アロマ虫除け蜜蝋クリームの作り方
虫除けスプレーのように液体のグッズだとアロマの芳香成分の蒸発が速いので、蜜蝋クリームにしてお肌に塗布するものおすすめです。
材料は…アロマオイルとキャリアオイル(植物油)、蜜蝋の3つです。
材料の他に、できあがったクリームを入れる瓶と、ビーカーなどの容器をご用意ください。
今回は、キャリアオイル30mlをベースに蜜蝋クリームを作っていきます。
まず最初に、ビーカーなどの容器にキャリアオイル30mlと蜜蝋を6g入れて湯せんにかけます。
中の蜜蝋が溶けたら湯せんから外し、アロマオイルを6~8滴ほど入れましょう。
そして、その液体をクリーム瓶に移し、冷めて固まったら完成です。
蜜蝋クリームも、約2週間から1ヶ月ほどで使い切るようにしましょう。
アロマ虫除けグッズの活用法
このようにして手作りしたアロマ虫除けグッズですが、どのようにして活用していけば良いのでしょうか?
アロマ虫除けスプレーであれば、自身の身体にスプレーするだけでなく、カーテンや網戸にスプレーして蚊避けとしても活用することができます。
また、赤ちゃんなど…直接お肌にスプレーするのはやはりアロマでも気が引ける…という時、赤ちゃんが使っているタオルやベビーカーにスプレーすることで虫除け効果が期待できます。
更に、人の出入りが激しい玄関などにスプレーしておけば、虫除け効果だけでなく消臭効果も期待できます。
蜜蝋クリームは、水仕事前後のハンドクリームとしても大活躍してくれますよ。
このように見ても分かるように、アロマオイルは植物由来のものなので安心して様々なシーンで活用することができるのです。
アロマ虫除けグッズ使用上の注意
アロマオイルで作る虫除けグッズ…とても簡単に作れるので、これからの季節に役立ちますよね。
しかし、手作りのものだからこそ使う上で注意しなくてはならないこともあります。
手作りのアロマ虫除けグッズの場合、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?
アロマ虫除けスプレーの場合
アロマオイルの特性として、空気に触れると芳香成分は揮発します。
アロマ虫除けスプレーは液体の虫除けグッズなので、蜜蝋クリームなどよりも揮発速度が高い性質があります。
つまり、スプレーをして香りが香っている間は虫除け効果がありますが、香りがしなくなると効果が弱くなっている可能性があるのです。
ですから、こまめにスプレーして効果が持続するようにしましょう。
また、3歳未満のお子さんには直接肌にスプレーせず、洋服の上やベビーカーなどにスプレーするようにしてください。
そして、アロマ虫除けスプレーのように水と合わせたアロマグッズは長持ちしませんので、作ったスプレーは約2週間ほどで使い切るようにしましょう。
アロマ蜜蝋クリームの場合
蜜蝋クリームは、スプレーよりも虫除け効果が持続するグッズです。
それでも香りがしなくなった時には、クリームを塗り直すと良いでしょう。
また、蜜蝋クリームは植物油を使っているので、日光に当たるとサンオイルのような役割をしてしまい、必要以上に日に焼けてしまう恐れがあります。
ですから、蜜蝋クリームを塗った場所は直接日に当たらないように注意した方が良いでしょう。
そして、虫除けスプレーと同様に3歳未満のお子さんに対しては直接肌にクリームを塗らないようにしてください。
何よりも忘れてはならないことは、アロマオイルは植物由来であるだけでなく濃厚で刺激が強いものであるということです。
そうした観点から、アロマ虫除けスプレーも蜜蝋クリームも、使用してみて肌が赤くなったりするようであれば使用を中止しましょう。
なぜアロマの虫除けグッズがおすすめなの?
様々な植物から抽出したアロマオイルの良い香りで、鬱陶しい蚊などを避けられるアロマ虫除けグッズ。
最近特に、化学物質を含んだ製品を好まない自然派思考が高まってきているとは言っても、市販品の方が手軽なのに…と思う人もいるのではないでしょうか。
そこで最後に、なぜアロマオイルで作った虫除けグッズが老若男女問わずおすすめなのか?ということを詳しく解説していきます。
市販の虫除けスプレーとの違い
あなたは、市販の虫除けスプレーにどんなものが入っているのかご存知ですか?
市販されている虫除けスプレーにはディートと呼ばれる化学成分が含まれています。
この薬品は、アメリカ軍が亜熱帯地方で戦争をするときのマラリア予防として開発された農薬の一種。
安全性は高いと言われていますが、動物実験などでは中毒症状が出たという報告もあり、カナダや日本ではその使用が厳しく制限されています。
日本で普通に生活している間は、強い化学成分を含んだ市販の虫除けスプレーよりも私たちの身体に優しいアロマの虫除けグッズを活用した方が良いと思う人も多いでしょう。
しかし、蚊などの昆虫が活発に活動する時期に海外旅行などへ行くような場合には、やはり強力な虫除けグッズは必須となります。
市販品だから悪いとか自然のものだから安心ということではなく、それぞれの違いを理解して上手に使い分けができるようになるといいですね。
そのためにも、しっかりと知識を身に付けておきましょう。
小さな子どもやペットにアロマの虫除け対策がおすすめな理由
ここまでの内容を見ていただければ、もう十分理解いただけるのではないでしょうか。
アロマオイルを使った虫除けグッズ最大の魅力は、アロマオイルの効果や特性をきちんと理解して安全な濃度に希釈すれば、老若男女問わずお肌に優しい虫除けアイテムとなる…というところです。
市販品に含まれるディートをはじめとした化学薬品などを使用していないので、小さなお子さんや赤ちゃん、ペットにも安心して使うことができます。
ただし、アロマオイルだからといって何でも安心だというわけではありません。
お子さんの年齢やアロマオイルの芳香成分に注意を払い、昆虫忌避作用があるアロマオイルを選んでいけば、しっかりと虫除けができます。
きちんとした知識を持って、アロマの虫除けグッズを活用していきましょう。
まとめ
アロマオイルの中には、昆虫忌避作用という薬効を持つものがいくつかあり、そうしたアロマオイルを活用することで誰でも簡単にアロマで虫除け対策をすることができます。
アロマオイルであれば、小さなお子さんやペットがいても安心して虫除け対策をすることができますが、アロマオイルであれば何でも安心…というわけではありません。
アロマオイルの中にも刺激が強いものがありますし、お子さんの年齢によっては希釈する濃度を薄くする必要もあります。
植物由来だからと言って油断することなく、ぜひこちらの内容を参考に、安心安全なアロマ虫除け対策を行ってみてくださいね。