心身のリラックスや癒しに良い作用があるとして注目されているアロマオイル。
心地の良い香りをいるも嗅いでいると、もっといろいろな香りを試してみたい…と思う人は多いのではないでしょうか。
アロマオイルの奥深さを更に楽しみたいと思っているのであれば、ぜひ試していただきたいのが複数のアロマオイルの「ブレンド」です。
しかし、初心者の人にとっては「ブレンド」と言われると少しハードルが高い印象を受けてしまうかもしれませんね。
そこでここでは、現役アロマセラピストである私がアロマブレンドの楽しみ方を伝授していきます!
あなた自身に合うアロマオイルの選び方やブレンドの仕方をお伝えしてきますので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、ブレンドのコツや注意点、ブレンドしたアロマオイルの活用方法なども合わせてお伝えしていきます。
アロマオイルは、ブレンドをして使うことによりオイルに含まれる作用の効果もアップします。
色々なブレンドを試して、あなただけのオンリーワンな香りを見つけて、ますますアロマの世界を楽しんでいきましょう。
オンリーワンの香りを見つけよう!
アロマテラピーの世界に少し慣れてきたら、ぜひ試していただきたいアロマオイルのブレンド。
アロマオイルの良い香りに、誰もが「自分だけの香り」を作ってみたい…と、あこがれるものですよね。
しかし、アロマオイルはとても種類が多いこともあり、最初はブレンドに対してとても難しいと感じてしまうのではないでしょうか。
そんなあなたへ、まずは「オンリーワンの香り」に出会うことができる、アロマオイルのブレンドの魅力をお伝えしていきましょう。
アロマオイルのブレンドとは?
アロマテラピーの世界では、植物由来の100%天然のアロマオイルを使用していきます。
100%天然の上質なアロマオイルですから、もちろんブレンドなどしなくても単品(シングル)で楽しむことができますが、数種類を混ぜて使用する「ブレンド」を行うことで、アロマの魅力は倍増します。
2~3種類のアロマオイルをブレンドすることにより、シングルでは考えられなかったような新しい香りに出会うことができますし、含まれている作用の面でも相乗効果が期待できるのです。
そして何よりも最大の魅力は、自分好みのオンリーワンな香りに調整することができるということです。
自分の心身の状態に合わせてブレンドしたり、その日の気分に合わせて香りをカスタマイズすることも可能ですから、アロマの楽しみ方に奥深さと幅が広がります。
アロマオイルのブレンドは、ひとつのアートです。
特別なルールはなく、あなたの自由に色々な香りを試してみてください。
そうする中で、きっと「オンリーワンの香り」に出会うことができますよ!
アロマオイルのブレンドのポイント
アロマオイルのブレンドというものは、とても奥深いものです。
どのアロマオイルを使ってブレンドをしても「この香りはひどい」とか「この香りでは失敗だ」などということになることはほとんどありません。
また「このアロマオイルはブレンドに使えない」というような禁忌もありません。
つまり、アロマオイルのブレンドには特別なルールがないということです。
しかし、ブレンドを進めていくにあたっていくつかのポイントがあります。
そこでここでは、アロマオイルのブレンドをするにあたっての考え方やポイントについてお伝えしていきます。
ブレンドの考え方とポイント
アロマオイルのブレンドは、自由自在です!
あなたの好みに合わせて、好きなアロマオイル同士をブレンドしていけばいいのです。
しかし「そうは言っても、どのようにブレンドするオイルを選べばいいのか…」と、悩む人は多いのではないでしょうか。
アロマオイルのブレンドは、いくつかのポイントを押さえて考えていくとスムーズに行うことができます。
ここでは、その考え方のポイントをお伝えしていきましょう。
何を作るかを決めてブレンドをする
まず最初に、アロマオイルのブレンドをするときに必ず決めておいた方が良いこととして「何を作るか」ということがあります。
例えば…ブレンドしたオイルを、アロマディフューザーに入れて芳香浴で使うのか、アロマトリートメント用のオイルとして使うのか、アロマスプレーに入れて使うのか…ということを、あらかじめ決めておくと良いのです。
ブレンドしたアロマオイルをどのような用途に使うのかが決まっていると、自ずと使用するアロマオイルが決まってきます。
なぜなら、アロマオイルの中には、肌に直接つけるような用途には向いていないオイルもあるからです。
そうなると、たとえそのアロマオイルがあなたの好きな香りだとしても使えないオイルが出てくることがあります。
ですから、まず「何を作るか」を決めてからアロマオイルのブレンドを考えると、選択肢が絞れるのでブレンドを進めやすくなるのです。
賦香率と限界量を考えてブレンドをする
「何を作るか」を決めたら、次に考えなくてはならないのが「賦香率」です。
賦香率とは、完成した製品に含まれている香料の割合のことです。
香水や化粧水、ボディクリームなど…香りのある製品には、それに適した賦香率があります。
肌に直接つけるようなアロマ用品を作るときには特に、この賦香率を意識してブレンドをすることをおすすめします。
また、賦香率とともに、それぞれのアロマオイルごとの限界量を考慮することも大切です。
限界量というのは、アロマオイルを薄めるための基材(無水エタノールなど)を含めた全体量に対して、ひとつのアロマオイルを何%まで使ってよいか?という数値です。
こちらのサイトに、賦香率とあわせて、香水や芳香浴の場合のアロマオイルの限界量がまとまっていますので、参考にしてみてください。
また、肌に直接つけるような用途に使う場合には、濃度1%のものを使うことが推奨されています。
そちらも合わせて覚えておいてくださいね。
アロマオイルの禁忌を理解してブレンドをする
更に、アロマオイルごとに設けられている禁忌を理解してからブレンドを考えるようにしましょう。
「AのアロマオイルとBのアロマオイルはブレンドできない」というような禁忌ではなく「あなたの体調や持病によっては使用できないアロマオイルがある」という意味での禁忌です。
どんなにその香りがあなたの好みでも、自分の体調に合わないものをブレンドすることは避けるようにしましょう。
それぞれのアロマオイルの禁忌については、こちらのサイトが参考になります。
アロマオイルの効能に注目してブレンドをする
ここまでの内容を理解したら、早速ブレンドをするアロマオイルを選んでいきます。
一番選びやすい考え方は「アロマオイルの持つ効能に注目する」というものです。
心身の不調や、あなたが今取り入れたいと思っているアロマオイルの作用に注目してアロマオイルを選びブレンドしていきましょう。
体質や性格に合わせて選ぶのも良いですね。
例えば…女性ホルモンのバランスによりイライラする時期があるなら、それを抑える作用があるアロマオイルを選んでブレンドをする…など、あなたが抱える困りごともアロマオイルのブレンドひとつで解決するかも知れませんよ。
自分の好きな香りでブレンドをする
自分の好きな香りで、直感でアロマオイルを選んでブレンドをしてみても良いですね。
あなたが日常的に好んでいる香りですから、そのアロマオイルを中心にしてブレンドを考えると、結果として自分自身の悩みを解決してくれるブレンドになることも多々あります。
直感は大切にしてアロマオイルのブレンドを進めていきましょう。
香りのイメージを決めてブレンドをする
アロマオイルのブレンドをするには、香りに対してイメージをつけることも大切です。
例えば「森の中で森林浴をしているような清々しい香り」とか「満開の花畑で寝転がっているような華やかな香り」などといった感じで…香りのストーリーを作るのです。
そうしてイメージを膨らませていくと、ブレンドの幅も広がります。
オンリーワンの香りを作るには、そのように香りのイメージを決めてブレンドをすると良いでしょう。
その他のブレンドのポイント
ここまでお伝えしてきた方法の他にも、一般的に7種類の系統に分けられている「香りの系統」でブレンドを決めたり、色のイメージで香りを選ぶ方法などもあります。
様々な切り口からアロマオイルのブレンドを決めることができますから、自分に合った方法でアロマオイルのブレンドを楽しんでいきましょう。
ブレンドの際に必要や道具と注意点
アロマオイルのブレンドについての考え方が理解できたら、次にブレンドをする際に必要な道具や注意点をお伝えしていきます。
ブレンドの際に必要な道具
アロマオイルのブレンドを行う際には、以下の道具を用意しておきましょう。
- アロマオイル各種(植物由来の100%天然抽出のもの)
- ビーカー(目盛りがついているもの)
- 撹拌棒(できればガラス製のもの)
- できあがったブレンドオイルを保存する遮光瓶
- ムエット(試香紙、なければ画用紙や付箋で代用可)
アロマオイルの中には、ブラスチックを溶かしてしまう作用を持っているものもありますから、使用する道具や保存容器はできるだけガラス製が望ましいです。
また、完成したブレンドオイルは直射日光を避けて冷暗所で保存することが望ましいので、遮光性のある容器を準備しましょう。
「ムエット」というのは、香水などを調香する際に香りを確認するための紙です。
ブレンド途中のオイルなどを数滴垂らして、完成した香りをイメージするためなどに使用しますから、ぜひ準備しておいてください。
専用のムエットがなければ、画用紙や付箋、キッチンペーパーを小さく切ったものでも代用できます。
ブレンドを行う際の注意点
実際にブレンドを行う際には、平らな机の上で行いましょう。
アロマオイルはそれぞれしっかりと蓋を閉めておき、お子さんやペットの手が届かない場所で作業をするようにします。
先の項目でも述べた「賦香率」や「限界量」に注意しながら、心身に負担のかからない濃度でブレンドを行いましょう。
完成したアロマオイルは、遮光性のあるガラス容器に入れて保管します。
保管するときには、直射日光と高温多湿の場所を避け、冷暗所で保管するようにしましょう。
アロマオイルを保管しておく、専用のボックスなどがあれば良いですね。
また、アロマオイルは防腐剤などが含まれていないため、保存期間がある程度決められています。
種類にもよりますが…開封後約1年程度、柑橘系のオイルは約半年を目安に使うようにしていきましょう。
香りの「ノート」について
香りというものは、空気に触れることで揮発して良い香りを放ちます。
アロマオイルの中に含まれる芳香成分も同様で、それぞれの芳香成分によって揮発速度が違うのです。
この揮発速度の違いを「ノート」というもので分類します。
ノートには、トップ・ミドル・ベースの3種類あります。
トップノートは一番揮発速度が高く、別名「第一印象の香り」とも呼ばれているのに、最初の香りの印象になる香りのことを指します。
ミドルノートは揮発速度が一定で、そのブレンドの中心となる香りです。
ベースノートが一番揮発速度が低く、最後まで長く香り続ける香りを指します。
アロマオイルをブレンドする際には、せっかく作った香りがすぐに消えてしまわないようにノートのバランスを考えてブレンドを行うように注意しましょう。
バランスの良いブレンドの割合は、トップ:ミドル:ベースの割合が「4:4:2」または「3:5:2」の割合になるようにブレンドすると良いです。
それぞれのアロマオイルがどのノートに分類されているかは、下記をぜひ参考にしてみてください。
ブレンドオイルを作ってみよう!
アロマオイルのブレンドについて、考え方のポイントや注意点は理解できたでしょうか?
アロマオイル各種と必要な道具が準備できたら、いよいよ実際にアロマオイルのブレンドにチャレンジしていきましょう。
ここからは、ブレンドオイルの作り方の手順やおすすめブレンドレシピ、実際に完成したブレンドオイルの活用方法などについてお伝えしてきます。
ブレンドオイルの作り方
先ほどまでお伝えしてきた内容を踏まえて、実際にアロマオイルをブレンドしていきましょう。
①ブレンドのテーマや目的を決める
まず最初に、ブレンドするアロマオイルのテーマを決めます。
完成したブレンドオイルを「何に使うのか」で決めても良いですし、香りのイメージを決めてブレンドしても良いでしょう。
「夜ぐっすり眠りたい」「肩こりや腰痛を解消したい」という用途に合わせて決めたあとで、「森の中で森林浴をしているようなイメージ」で…といった感じでイメージをまとめていくとアロマオイルを選びやすくなります。
どのような用途で、どのような場所でブレンドオイルを使うのか、どんな体調の時に使うのか…あなたの好きなイメージで、ブレンドオイルのテーマや目的を決めていきましょう。
②メインとなる香り(アロマオイル)を1つ選ぶ
ブレンドオイルのテーマや目的が決まったら、そのテーマに沿ってメインとなるアロマオイルを1つ選びましょう。
あなた自身が好きな香りや心地よいと感じる香りを選ぶのが一番ですが、テーマを意識してアロマオイルの効能を見ながら決めていっても良いでしょう。
また、先ほどお伝えした「香りのノート」を意識して、メインとなる香り=ミドルノートのアロマオイルから決めていくと、完成したブレンドオイルのバランスが良くなります。
③サブとなる香り(アロマオイル)を選ぶ
メインとなる香りが決まったら、次にサブの香りとなるアロマオイルを決めていきましょう。
サブとなる香りは、先ほどの「香りのノート」に沿って、トップノートとベースノートに当たる2種類のアロマオイルを選ぶと香りのバランスが良くなります。
また、メインのオイルに似た香りの系統から揃えて選んでいっても良いですし、アロマオイルの効能を見て、その効能を補うような作用が含まれているものを選ぶのも良いでしょう。
最終的には、あなたのセンスで「これだ!」というアロマオイルを選んでみてくださいね。
④配合する比率と滴数を決めてブレンドする
使用するアロマオイルが決まったら、メインとサブそれぞれの滴数を決めて、アロマオイルを希釈する基材にブレンドしていきます。
先ほどお伝えした「香りのノート」のバランスから滴数を決めても良いですし、好きな香りは少し多めに入れても良いでしょう。
参考までに、濃度1%のブレンドオイルを作るための計算方法をお伝えしておきます。
例えば…30mlの植物油(キャリアオイルとも呼びます)に、濃度1%のアロマトリートメントオイルを作るとします。
その際、アロマオイルを希釈する基材の分量は30mlですから「30ml×1%(0.01)=0.3ml」となり、この「0.3ml」がブレンドに必要なアロマオイルの分量となります。
アロマオイルの中蓋(ドロッパー)から出てくる1滴のアロマオイルの量は「0.05ml」と定められているので「0.3ml÷0.05ml=6滴」となるのです。
濃度を半分の0.5%にしたいときは滴数を先ほどの半分に、2%にしたいときには倍にしてブレンドします。
ブレンドの途中で、完成した香りがどのようなものになるのかを確認したいときには、少しだけムエット(試香紙)に垂らして香りを嗅いでみると良いでしょう。
おすすめブレンドレシピ
それでは、ここからはアロマオイルのブレンドが初めてだという人でもチャレンジしやすい、おすすめのブレンドレシピをいくつかご紹介していきます。
ブレンドオイルを使用する用途とシーンに合わせたおすすめレシピとなりますので、ぜひ試してみてくださいね。
芳香浴に使えるおすすめレシピ
リビングや寝室など…香りを嗅ぐだけの芳香浴であれば、どんなシチュエーションでもアロマを楽しめます。
寝室でリラックスしたいときには「ラベンダーとオレンジスイートとジャスミン」のブレンドが鎮静作用も高いのでおすすめです。
気分転換をしたいときには、爽やかな香りの「ペパーミントとグレープフルーツとサイプレス」のブレンドなんていかがでしょうか。
集中力を上げたいときには、脳を活性化する作用があると言われている「ローズマリーとレモンとパチュリ」がおすすめです。
風邪や感染症などの感染対策には、空気清浄に効能があると言われている「ティートリーとユーカリとラベンダー」が良いでしょう。
このようにしてブレンドしたオイルは、アロマ用の加湿器や芳香拡散器(アロマディフューザー)を使って香りを拡散すると良いですね。
こうした機器がなければ、ティッシュなどに数滴垂らして置いておくだけでも良い香りを楽しめますよ。
入浴に使えるおすすめレシピ
ブレンドしたアロマオイルは、入浴剤としても活用することができます。
天然塩や植物油にブレンドしたアロマオイルを希釈して、あなたもアロマバスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
夜ぐっすり眠りたいときには「イランイランとゼラニウムとラベンダー」のブレンドがおすすめです。
深い鎮静作用が、皮膚から血流にのって全身に巡り、ぐっすり眠れることでしょう。
また、しっかり運動をした後の疲労回復に「ローズマリーとラベンダーとジンジャー」のブレンドが効果を発揮してくれます。
ローズマリーに含まれる血行促進作用と、ラベンダーに含まれる抗炎症作用が筋肉疲労を緩和し、ジンジャーが身体を冷やさないようにしてくれます。
ブレンドオイルの活用方法
このように、ブレンドオイルは様々な用途とシーンに合わせて無限に楽しむことができるものです。
先ほどの項目では、ブレンドしたアロマオイルの活用例として芳香浴と入浴をお伝えしましたが、他にもブレンドオイルの活用方法はあります。
あなたがいつもつける香水としてブレンドオイルを活用しても良いですし、気軽に使えるアロマスプレーとして活用するのも良いでしょう。
また、ブレンドしたオイルを使ってアロマ石鹸やアロマハンドクリームを手作りすることもできますし、セルフマッサージ用のマッサージオイルとして活用することもできるのです。
ぜひ色々な活用方法でブレンドしたアロマオイルを使って楽しんでみてくださいね。
アロマオイルのブレンドがおすすめな理由
では最後に…なぜここまでアロマオイルのブレンドをおすすめするのか、その理由についてお伝えしておきます。
そもそもアロマオイルには「相乗効果(シナジー効果)」と呼ばれる働きがあります。
相乗効果とは、アロマオイルを数種類組み合わせることにより、それぞれのアロマオイルに含まれている成分の組み合わせがそれぞれを助け合い、その作用の働きを促進する…というものです。
ですから、アロマオイルを1種類で使用するよりも、2~3種類ブレンドして使った方がそれぞれの効能も増しますし、完成した香りにも奥深さや幅が広がります。
あなたもぜひ、自分だけの香りを見つけるためにも、また相乗効果を生むためにも、アロマオイルはブレンドして楽しんでいってくださいね。
まとめ
このように…アロマオイルのブレンドは、アロマテラピーの楽しみ方の中でも特に魅力が高い分野です。
数種類のアロマオイルを組み合わせるだけで、香りに奥深さや幅ができるとともに、その作用も相乗効果で高まりますから、効能的にも更なる期待ができますよ。
まずは、自分のお気に入りの香りから選んで、世界にひとつだけオンリーワンの香りに出会えるように、色々なブレンドを楽しんでいきましょう。