相手から「こうしたらいい」といったような意見を断るというのは、その意見を言った相手の顔を潰すことになったり、お互い友好関係にないというシグナルを結果的に送ることになる危険があります。
普通の人の意見を断るのも、色々と気が重いのですが、さらに、意見を断るのが普通よりも厄介な人がいます。
そういう厄介な人に出会う経験をすると、上手な断り方というものに、どうしても関心を持つようになります。
今回の記事においては、厄介な人の意見を波風立てずにやり過ごす上手な断り方を6つ紹介いたします。
日頃からの人間関係に注意する
人間は他人からプラスになることをしてもらった場合、お返しをしてあげなければいけないという心理が働きやすくなります。
これを心理学では『返報性の原理』と言います。
このような返報性の原理からすれば、もめたら後々に厄介になりそうな人に対しては、日頃から恩を売っておくということも処世術としては一つの有効な方法です。
どんな厄介な相手でも、日頃の貸し借りの関係があれば、相手の意見を取り入れなくても許されるポジションというものがあります。
余計なトラブルに巻き込まれないためには、長期的な視点をもって、自分の立場を固めておきましょう。
上手な断り方をするためには日頃の努力も大切です。
相手の意見の内容をできるだけ充たすような代案を用意する
同じく返報性の原理からすれば、断るにしても、相手の意見の内容をできるだけ充たすような代案を用意しておくべきでしょう。
特に、その厄介な人の意見を採用しない人間が、複数存在しているという場合を考えてみましょう。
問題となる厄介な人は、手土産がもっとも少ない人を狙い撃つ可能性が高いのです。
徹底的にもめてやるという姿勢を見せる
先ほどと全く逆のことを言うようですが、きっぱり強面で断るというのも1つの手です。
こちらと波風を立てるつもりがあるのならば、徹底的にもめてやるという姿勢を見せつけるのです。
自己愛性人格障害の人は、「自分が他より優れていなければならない」ことが最優先になってしまうため、ささいなことでも、すべて上下関係をつけたがります。
そのような人には、返報性の原理はまったくといってよいほど通用しません。
相手の意見に聞く耳をもつ様子を見せれば、「こいつは自分よりも目下の人間だ」と思い込み、つけこまれてしまいます。
やたらに上下関係をつけたがる相手に対しては、こちらも怖い顔で応じるべきです。状況次第で、それがもっとも上手な断り方になることがあります。
代案を用意するふりをしつつ問題を先送りにする
あなたが断らなければいけないことがあるということは、相手があなたに要求することがあるということです。
落ち着いて考えましょう。
相手があなたのことを常時監視できるといった立場にないかぎり、主導権はあなたにあります。
代案を用意するふりをしつつ、問題を先送りにするというのは、波風を立てずに断るための有効な手段です。
相手が「遅い」と怒ってきたら、それを理由にして、自分が被害者の立場にまわり、周囲を味方につけることもできます。
心理学上の認知バイアスの一種として、正常性バイアスというものがあるため、先に大きな声をあげて騒ぎを起こした人間が悪者と認識されます。
そういう可能性をやんわり脅しとしてちらつかせつつ、問題を先送りにして時間をかせぎましょう。
時間がたてば状況が変わり、相手も興味を失うこともあります。これもまた上手な断り方です。
相手を他のことで忙しくさせる
あなたに財力や人脈があるのならば、それを使って、相手を他のことで忙しくさせるというのも一つの方法です。
こういうと突拍子もない話のように聞こえるでしょうが、世の中には「別れさせ屋」という商売もあります。
別れたい恋人を他の異性に誘惑させて、波風立てずに別れるといったことも実際行う人もいます。
相手の意見をやり過ごすためだけに、まさかそこまでやるまいという正常性バイアスが働くため、大掛かりな仕掛けは案外に発覚しにくいのです。
間に若い女性を立てて断る
一回限りの短い関係ならば、間に若い女性を立てて断るというのも、上手な断り方であるとも言えるでしょう。
あなたの側に問題があったとしても、間に若い女性を立てれば、女性がか弱いから大切にするべきだという社会通念があるため、相手も波風を立てにくいのです。
昭和の時代のことですが、日本の銀行の苦情受付に専門知識が少ない若い女性を置くことは『卑劣である』と、フランス人のエッセイストが怒っていました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
実社会において生活していれば、多かれ少なかれ、お互いに意見を断ったり、断られたりする経験を積むことになります。
心理学上の観点からみて、これは上手な断り方だと思ったものをチョイスしました。
今回の記事の内容をお役に立てていただければ幸いです。